2016年3月19日土曜日

観察する男

観察する男 映画を一本撮るときに、 監督が考えること

想田監督の最新作である牡蠣工場
メイキング本ということで読みました。
映画自体も素晴らしかったんですが、
この本を読むとより作品の理解が一段と深まりました。
また、これまで多くは知らなかった監督自身の背景も
知ることができて良かったです。
映画制作の時系列でインタビューが構成されているので、
プロットを立てない観察映画を作ることの
スリリングさがダイレクトに伝わってきます。
一度映画を見ている身からすると、
こんなにアウトテイクがあるのかと驚きましたし、
一見意味のない映像の羅列から、
1つの筋を見い出して映画として成立させる、
これぞまさにクリエイティブ!と思う瞬間の連続でした。
また出版元が名著「善き書店員」等を生み出した
ミシマ社ということもあり、
インタビューの文字起こしのニュアンスが
極めて自然でとても読みやすいです。
本当にその場で話を聞いているような感覚。
映画を見た人は必読の1冊だと思います。

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