いつも通りというか、
中原昌也の小説を読んでるなぁと実感できる
楽しい時間を味わいました。
荒唐無稽にも程がある話は、
一体どこに向かうんだろう。。
というオモシロさと若干の不安を与え、
その磁場が歪んだ中でハッとさせられる文章が
紛れ込んでいるのが好きなんですよねー
中原さんは小説の中に自分の考えを
かなり入れ込むタイプの作家だと思います。
社会で嫌だなとか変だなと思うことに対して、
鮮やかにエグり取るパンチライン力が素晴らしく、
その考えに僕はかなり共感しているので、
毎回読んでいて、そうそう!と共感しています。
短編集なんですが、タイトルにもある、
「軽率」という話が一番ボリュームがあって、
結果的には一番好きな話でした。
ある作家が街を彷徨い歩き、
出会った人々との奇妙なやりとりを描いているんですが、
どれもキャラクターが強烈。
極端にデフォルメしているけど、
それぞれのキャラクターが持つ本質的な部分は
現実社会でも見ることがあるので他人事じゃないなー
と思ったりしました。
あと表現でかなりグッときたものがあって、
無表情であることをこんな風に描いています。
家の表札に本来書いてあるべき「石田」の文字すらなく、
代わりにただのカマボコの板が打ち据えてあるかのようだ。
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