2014年2月26日水曜日

キック・アス / ジャスティス・フォーエバー



4年前に劇場で見て大興奮した前作。
キックアスとヒットガールにスクリーンで再び会える!
ということで見てきました。
前日にブルーレイで予習し、万全の状態で見た訳ですが…
間違いなくオモシロい作品でしたけど…
期待値を上げすぎたのかもしれません。
昨今のアメコミヒーローもので描かれる、
「何故戦うのか?」問題を取り上げるのは良いけど、
キックアスにあの分量入れるのはうーんって感じ。
(ウォッチメンを読んだり、見たりしたことで、
その点のハードルが上がってしまっているのかも。)
ただし、前作とバジェットが大幅にアップしていることもあり、
アクションはもちろんのこと、映画全体がリッチ。
色んなキャラが出てくるけど、その立て方も抜群。
そして、なによりも前作同様、ちゃんと下品で残酷!

クロエ・モレッツ演じるヒットガールが、
高校入学してからの物語。
前作のキックアスの活躍によるマスクヒーローが
同時多発的に発生している社会です。
ヒットガールも父の意思を継ぎ、悪いやつらをぶっ倒し続けている。
(と同時にキックアスを鍛えている)
ここから、それぞれのストーリーが始まります。
キックアスは自警集団ジャスティス・フォーエバーに加入し、
昔のように仲間と共に戦うことをenjoy
一方のヒットガールは父亡きあとの保護者であるマーカス(警察官)の
言うことを聞き、ヒットガール稼業をやめ、
失われた青春を取り戻すべく、高校生活に順応しようとする。
僕はこのヒットガールの高校シークエンスが一番好きでした。
キャリー的な部分もあったり、Union Jでジュンジュワ〜、
そしてゲリゲロ棒しかり、笑いまくりました。
キックアスの方で言うと、ジャスティス・フォーエバーの
リーダーであるストライプス大佐ね。
ポスターも予告編も何度も見ていましたが、
演じているのがジムキャリーとは全く思えませんでした。
っていうくらいの怪演っぷりを見せつけてました。
愛犬アイゼンハワーとのチンコ食いはFreshでしたね。
そして、ヒーローもので忘れてはならないのが敵。
それは勿論レッドミストなんですが、
そのダークサイド、「マザーファッカー」として、
彼の父を殺したキックアスに復讐を誓う。
彼は自分は弱いから、金にもの言わせて、
殺し屋を雇い、チームを結成。
キックアスの周囲の人々を痛めつけていく。
なんといっても、そのチーム一員であるマザーロシア。
この映画における5億点は彼女でしょう。外見はモロに神取忍。
警察官12人と乱取りは圧巻だし、
そのアクションのバリエーションは本当に素晴らしかった。
(あの首関節キメは子どものころなら絶対マネしてたw)
その事件の後、マスクマンを取り締まるようになり、
あることをきっかけにキックアスもヒーローをやめる。
すったもんだありーの、
最後はマザファッカー軍団vsキックアス軍団となり、大乱闘!
ここのシーンからラストにかけてが、
あんまり乗れなかったから、
本作がそこまで好きになれなっかたのかもしれません。
ただし、前述しましたが、
キックアスが他のヒーローものと異なるのは、
血はしっかり出るし、痛いことは痛く撮る!ということ。
現実味があり、死が確実に存在する世界設定な訳です。
一市民がヒーローになるという、
今起こってもおかしくない現実との地続き感を暴力で提示するところは
紳士だと思うし、大好きな部分です。
ガタガタ述べてきましたが、
つべこべ言わずにデカいスクリーンで見な!cock sucker !!

2014年2月23日日曜日

大統領の執事の涙



リー・ダニエルズ監督最新作ということで。
プレシャス、ペーパーボーイという
大好きな映画を産み出した、今もっとも気になってる監督。
楽しみにしていたんですが、
思ってたよりもパンチが弱いと言いますか…
過去作にあったエグミ成分が少なくなっていて、
感動要素が多めになっていたのが、これまでと違う印象。
Black musicが好きなので、
公民権運動のことも知ったつもりでいましたが、
今回改めて色々と勉強になったし、
オバマ大統領が誕生したことの凄みを改めて体感できました。
これまでの作品でも描いてきた黒人問題について、
本作品では正面切って描いてきた。
ゆえに上述したようなバランスになったのかも…

1930年代から2008年のオバマ大統領誕生まで駆け抜ける物語。
それをホワイトハウスで執事を勤めた、
1人の黒人の家族を通じて語られていきます。(原題はThe Butler)
子どもの頃は綿花畑で働くSlaveだった。
冒頭からその壮絶な出自が描かれるんですが、
半世紀強前の話と思えなかった…(母役のマライア・キャリー最高!)
そんな彼が給仕を生業にし、
ひょんなことからホワイトハウスで働くことになります。
アイゼンハワーやニクソン、レーガンなど、
そうそうたるメンツに仕えてきた。
彼は"House nigger"としての誇りをもち、
仕事に一生懸命取り組んでいるんですが、
息子は黒人が虐げられている状況に我慢ならない。
そして、南部の大学への進学をきっかけに、
公民権運動に参加するようになる。
当時の映像も交えながら、その運動の壮絶さを
映画内で体験することができます。
最初のカフェでの席の問題や、KKK襲撃など、
恐ろしや!というシーンのつるべ打ち。
(本作ではポイントポイントで、
当時のニュース映像などを挟むことで、説得力が増していました。)
この息子の活動はどんどん先鋭化していき、
キング牧師→ブラックパンサー入党まで。
白人に必死こいて仕えている主人公の執事は
そんな息子が鼻持ちならない。せっかく大学行かせたのに…みたいな。
ある種、普遍的な親子関係なんですが、縁切るとこまでいってしまう。
不幸は重なり、もう一人の息子はベトナム戦争で戦死。
この直線の兄弟のやり取りがグッときた。
For the country or Against the country.
なによりもグッときたのが、劇中でのキング牧師の言葉。
黒人の執事や家政婦が果たした役割について述べる。
何かを変えるときは抵抗することや、
果ては暴力までを考えがちですが、そうじゃない方法だってあると。
その時代ごとの大統領描写もオモシロくて、
黒人の公民権に対するスタンスの違いがよくわかる作りになっていました。
(ジョン・キューザックのニクソンは違和感アリアリやったけどw)
仲違いしてた親子ですが、執事の親父だって黙ってた訳ではなく、
黒人の給仕の待遇是正のために努力していた。
この2人が和解するシーンがホント良かった!
大人が本気で謝ることの重みを痛感。
visual的なパンチは弱いものの、
物語に通底するテーマは重厚な映画でした。

なんちゃって家族



色んな方面からオモシロいという情報を、
ポツポツ耳にしていたので、見てみました。
メンズデーで見に行ったので、
男だらけの状況で鑑賞したのですが、それが良かった!
下劣さ全開で、ブラックジョークのオンパレード!
アメリカのコメディを劇場で見れる機会が減っている中で、
本作を空間を共有して鑑賞できたことは嬉しかった。
We're the Millersが原題で、
主人公はミラーというマリファナの売人。
そこそこ歳いってるけど、マリファナ売りながら自由に生きてる。
ひょんなことから、若者にボコられちゃって、
有り金を全部奪われてしまう。
胴元からチャラにして欲しかったら、
メキシコ→アメリカまでマリファナを輸送せーやと言われる。
1人で行くと怪しいから、偽装家族を装い、
キャンピングカーで運ぶで!という話。
終始アホですね〜という小ネタがシコタマぶち込まれている!
特に長男役のill vibesが最高過ぎたな〜
TLCのWaterfallsのLeft eyeのバースを全被せするのとか、
母役のストリッパーと姉役のホームレスとキスの練習するのとか。
声出して笑ってしまうシーンが多数。
このストーリー展開だと、メキシコ→アメリカのくだりが
最大の見せ場になると思いきや、そこは以外とあっさりしている。
それよりもアメリカ国内に入ったあとに、
バレる/バレないシークエンスが多かったです。
それはキャンピングカーに乗った
別の家族とのやり取りが原因な訳ですが、
この家族も最高にオモシロい。
こちらは奥さんのトバしっぷりが本当に秀逸!
(Swappingのくだりまでの流れ!)
はじめは周りを欺くために家族のふりをしている訳ですが、
徐々に本当の家族のような立ち振る舞いになってくる。
それぞれ勝手に生きてきた各人が相手のことを思いやる
という点で次第にクロスオーバーしていくのにグッときました。
ただし、映画全体のつくりとしてはご都合主義の部分が多いので、
乗り切れた訳じゃないですが、全く飽きがこなかった。
ラストがまた最高で、疑似家族だった4人の、
The American Familyなショットからのマリファナ舐め!
アウトテイクシーンも役者たちが超楽しそうなのも良かった。
コーラ飲みながら、ポップコーンを食い散らかしながら、
ゲラゲラ笑いながら楽しむ映画!

2014年2月20日木曜日

ザ・イースト



町山さんの2013年TOP10にランクインしていた本作。
そうでもなかったら、おそらくスルーしてたかも…
大した期待もせず、ふらっと見に行ったら、
無茶苦茶おもしろかった!
スノーピアサーも同様なんですが、
主人公が今まで知らなかったことを知ったあとに、
どういった行動を取るのか?っていうテーマの映画が好きです。
あと自分の仕事にも関係してたりして、興味深かった。
見終わったあとの印象としては、
女性が主人公だし、ゼロダークサーティーに近かったかな?
あれよりは少しポジティブよりではあったけど。
(あれをポジティブと取るのかも議論の余地がある)

タイトルのThe Eastはテロ組織の名称。
このテロっていうのが、
環境や人の健康を害する会社をターゲットにしたもの。
(例えるなら、シーシェパードとか)
このテロ組織に潜入捜査を行い、テロを阻止しようとする。
その役目を担うエージェントに所属する、
主人公のサラの視点で物語は進行していきます。
こういったテロ組織は宗教のように、
明確な教義があって、それがロハス思想。
宗教性を象徴する飯を食うシーンや、
体を洗うシーンは気持ち悪かったなぁ…
「自然を大切に共生する」ってこと自体は否定しないけど、
それが先鋭化してしまえば、元も子もない。
テロといっても単純に加害者を殺すのではなく、
「目には目を」で、化学メーカーや製薬会社が
もたらした被害と同じ思いを責任者にさせる。
主人公は何とかテロを阻止しようとするものの、
バレないことを優先して、阻止に失敗する。
ここで失敗して反省するのではなく、
テロが成功して得る快楽に徐々に犯されていく。
この徐々にシフトしていくのを、
ちょっとした行動で示していくのが秀逸。
床で寝たり、ゴミ箱から拾った食べ物を食べるのとか。
しかも、ザ・イーストの行っているのは、
単純なテロじゃないから悪!と断定できないところがたちが悪い。
ゆえに映画を見てるあいだに、
そのグレイゾーンな部分を考えさせられる。
このライド性をずっと楽しんでました。
こういったロハス思想の人たちは自分の手の届く範囲で、
見える悪を打倒しようとするんだけど、
正直そんなことしてたら、
物流も情報も世界規模になった社会で生きていける訳が無い。
知らぬ間に恩恵を受けてしまう訳です。
(本作はその辺も配慮されていましたが…)
ある1点にフォーカスして、己の正義を振りかざすのは
果たしてどうなんだ?と思います。
じゃあ、見ないようにクサい物に蓋しちゃえ!でいいのか…?
この辺は非常にアンビバレント。
それこそ、僕は10代後半から考えてきたことだけど、
いまだに分からないし、何とも言えない。。。
こんだけ考えさせられる上に、
サスペンスとしてもオモシロいんだから言うことなし!

2014年2月19日水曜日

ラッシュ/プライドと友情



何回予告編を見たか分からないくらい、
公開前から鬼PUSHされていた本作。
F1自体に全く興味なかったんだけど、
予告編の2人のにおい立つ男気に惹かれて見ました。
案の定、漢同志の煮えたぎる争いと、
それに伴う友情の物語でとても好きでした。
題材となっているF1のことも好きになりました。
TVで見てると同じサーキット内を、
ぐるぐる回る退屈なスポーツだなぁといった印象でした。
でも、映画館で見ると車の魅力がビンビン!
耳をつんざくモーター音、タイアのブレーキ音、
エンジンやタイアの芳醇な香りさえもしそうな勢い。
単純な中継では見れない部分(エンジン内部や車体)を
カット割りしまくって、ボルテージ上げまくってくる!
これこそ映画の持つ醍醐味だと思います。

ニキ・ラウダとジェームス・ハントという実在の
F1ドライバーの1970年代のバトルを描いた物語。
この2人以外のストーリーを削ぎ落とし、
それぞれの人格と、2人の関係性に
フォーカスしているのが良かった。
しかも、この2人は性格が正反対。
ラウダはクソ真面目で、メカにも詳しくて、
計算し尽くしてレースに挑んでいる。
女性関係も淡白で、良い人に出会い、さっと結婚する。
一方で、ハントはすげー適当で、
天性のドライビングテクニックで、レースに挑んでいる。
そして、遭遇する女性を逐一抱いていくw
こんな水と油の2人がそれぞれの方法で、
F1まで上り詰めて、壮絶なバトルを繰り広げる!
これが無類におもしろい!
プライドのぶつかり合いもあるし、嫌みな感じもあるし。
はじめは計算のラウダが上手なんだけど、
徐々に本能のハントが肉薄していく。
(ハントが離婚して、力を発揮するのはオモシロかった。)

2人の関係性が大きく変化するのが、ドイツでのレース。
もとも事故率が高いのに、さらに雨が降る悪条件。
リスクヘッジがしっかりしてるラウダはレースの中止を提案する。
そこでハントが「ビビってんのか?」とたきつける。
売られた喧嘩を買わないバカはいないので、レース決行。
その結果、ラウダはクラッシュし、事故っちゃう。
事故の凄まじさは言わずもがなですが、
その後のリハビリのシーンは壮絶過ぎた…
下手なスプラッターよりもキツい生き地獄の映像化。
この地獄の中、リハビリを支えたのは、
医療の力でもなく、妻の献身的な介護でもなく、
ハントの存在なんですな〜この一連のシーンが一番好きでした。
(描写は少ないものの、ハントも事故を間接的に
巻き起こしてしまったという罪悪感に囚われる。)
そして、事故から奇跡的にラウダは復活を遂げる!
このレースも最初はふらついてるんだけど、
本能が覚醒する瞬間にピントがギュッと合って、
アクセルドーン!の展開が良かった。
最後のレース展開は実話ベースだからしょうがなかったけど、
空港での2人のイチャツキで帳消し。
血がたぎる映画でした!間違いなく映画館で見るべき!

2014年2月15日土曜日

ほえる犬は噛まない



粛々とポン・ジュノ作品を見進めております。
タイトルに惹かれて、見てみました。
そもそも僕は犬が好きではありません。
そして、犬を題材にしている「イヌ映画」も好きではありません。
「とりあえず犬出して、感動っぽく作ったらいいっしょ?」
という浅ましい魂胆が透けて見えるからです。
(ほとんど見たことないけどw)
じゃあ、本作はどうなんだといえば、
犬を題材にしたコミカルサスペンスで、やんごとなき作品でした…
これこそ鬼才と呼ぶべき監督だなぁと。こんなの思いつかないよ!

ある団地内で犬の失踪事件が相次ぐ。
そこに住む教授候補の大学院生と、
マンションの管理組合で働く女の子が主人公。
事件を通じて、それぞれの人間性を描いていく。
大学院生は僕と同じで犬嫌い。
団地内で聞こえる犬の鳴き声にイライラしてしまい、
ある犬を地下に閉じ込めちゃう。
すると、地下には捕まえた犬を食す管理人がいて…
このシークエンスの恐ろしさは、
冷たい熱帯魚のでんでん以来のおじさん怖い系。
(犬の種類がシーズーなのもエグ味倍増)
そして、主人公も鳴き声のうるさい犬をぶっ殺してしまう。
それを目撃するのが前述の女の子。
地味なマンション組合で働いているんだけど、
wanna be系でいつか何者かになるんだ!と憧れている。
目撃したことで、彼を捕まえればヒーローになれる!
と思い、犯人探しを続ける訳です。
この役をねーペ・ドゥナが演じてて最高。
そして、2人を繋ぐのはこの事件だけではなくて、
彼の奥さんが買ってきた犬が行方不明になったのを、
捜索するという関係性もある。
この犬を通じた表裏一体の関係性がオモシロかったです。
あと団地が舞台になっているのを
生かしたアクションもおもしろかったし、
特に引きのショットが良かったな〜
ポン・ジュノのfilmographyでは初期の作品ですが、
犬好き以外の人は必見です。

県警対組織暴力



あかんやつらに触発されて。監督は深作欣二。
仁義なき戦いの延長線上にあるような作品。
「対」となっていますが、vsというよりは、
警察と暴力団の関係性を描いていました。
それを象徴するのが、刑事役の菅原文太と組長代理の松方弘樹。
この2人の仁義の物語といっても過言ではないでしょう。
昔、弘樹が起こした殺人事件を、
彼の漢気に惚れ込んだ文太が揉み消したという経緯がある。
それゆえに、弘樹と文太は組織の垣根を超えて仲が良い訳です。
冒頭から超Funkyな音楽がかかりながらのクレジットでガン上がり!
文太がチンピラを取り締まるシーンで始まるんですが、
全く警察に見えない段階でサムアップ!
いったいどちらが悪いやつなのか…と思わせる。
昔のポリ公はこんなんやったろなーと。
なんといっても最高なのは、
文太が取り調べ室でチンピラをボコボコにするシーン。
山城新伍と2人で徹底的に追い込むのは痛快でした。
物語の骨格は、ある土地を巡っての市会議員、暴力団、
警察を巻き込んだパワーゲーム。殺して、殺されて。
基本的に暴力団とうまくやることで、
街の治安をkeepしていくスタンスだった警察な訳ですが、
キャリアの梅宮辰夫がやってきてから、状況が一変。
暴力団と仲良くするのはダメー!と徹底的に縛り上げる。
こうなると、文太と弘樹の仲も険悪になるし、
暴力団同士の抗争も過熱していく。
最後は救われないし、切ない結末が待っている…
仁義なき戦いのあとに見ると良いと思います。

2014年2月11日火曜日

母なる証明



ン・ジュノ作品を見進めようということで。
以前に途中まで見て、見るのやめてしまったんですが…
とんでもなくオモロいやないか〜い
僕の好きなタイプの韓国映画でした。
語り方がスマートというか、完成度が恐ろしく高いというか。
他の映画では見れない謎の高揚感。

ストーリーとしては、ある母子家庭があって、
その息子が殺人罪で逮捕されてしまう。
母親がなんとか息子の無罪を証明しようとする話です。
冒頭、母親がダンスしているところから始まって、
いきなり度肝抜かれちゃった。なんなんだ、これはw
息子は知能に障害があり、記憶がところどころ抜けてる。
この息子をウォンビンが演じてるんですが、
演技力が凄まじい。アジョシの主役と同一人物に思えない…
母親は一人息子の彼を溺愛しているから、
泥汗にまみれ、刑事張りの調査を繰り返し、
なんとか真実にたどり着くんだけど…
ここから畳み掛けるように、恐ろしい展開の連続。
同時に母親の虚無感と、息子の潜在的な怖さが、
並行で流れていくから、非常に重たい仕上がりに。
その虚無感が冒頭の一連のシーンと、鏡合わせのように流れる。
故に最後もダンスで終わるんですが、
ただのババアのダンスが、愛しさと切なさと心強さを、
包含した素晴らしいショットになってました。
(それでいいんかよっていう気持ちもあったけど…)
この調子で見進めていきたいと思う次第です。

新しき世界



大阪に帰ってきたタイミングで、隙間の時間を見つけて鑑賞。
町山さん、ウタマルさんも押してましたので、必見と思いつつ。
いわゆる潜入捜査ものなんだけど、全体に漂うノワール感、
これまでの潜入ものと異なる展開や、
落とし方がFRESHで面白かったです。
韓国にあるヤクザ組織のボスが死んでしまって、
その跡継ぎ争いが物語の大筋。
このヤクザ組織は色んな組が吸収・合併してできたもので、
しかも会社としての事業も成功している。
ゆえに一番上の長がいなくなると、
そのときの争いが半端じゃねぇ。
893のパワーゲームは会社、ひいては社会全体の
ユニバーサルなテーマとでも言いたいかのような内容。
冒頭から血だらけのおじさんが椅子に縛られて、
ボコボコにされるシーンから始まった段階で、そのまま物語にride on。
イヌ探しなんだけど、コンクリ飲ませてドラム缶にぶち込んで、
沖に捨てるの楽しいなーとか思いつつ。
ボスの死語、跡継ぎ候補になるのは2人の893。
その存在は正反対。一人は潔癖っぽくて、とてもスマートなジュング。
もう1人はチンピラ感が全く抜けていない愛すべきチョン・チョン。
この2人の跡継ぎ争いに乗じて、組織を叩き潰そうとするのが警察。
警察側は潜入捜査官をこの組織に入れていて、
そいつはすでに幹部(理事)もう疲れてるんだけど、
この跡継ぎ争いに無理やり巻き込まれてしまう。
しかも、警察側が描いている作戦の中身を教えてもらえない。
観客も分からないから、興味の持続にもなるし、
より一層主人公の感情にのめり込める作りになっています。
893同士のパワーゲームに警察が関わるという点では、
アウトレイジに通じるものもあるかな?
それに潜入捜査の要素が加わってるんだから、オモシロイに決まってる!
こういった893もので大事になってくるのは、
それぞれのキャラクターの立ち具合。
これがしっかりできてる/できてないで面白さ、深みが全然異なってくる。
そして、本作はきっちりやり切っていました。
とくにチョンチョンの立ち振る舞い最高でしたね。
登場シーンの空港からの車移動の一連のシーンで、
背景は分からないけど、人間性をバシッと観客に分からせる。
それが色んなキャラクターでうまく行われていると思います。
潜入捜査官は、はじめ警察としての自我が存在しているんだけど、
物語が進むにつれ、それが無くなっていく。
仲間が無惨に殺されるのを見てしまうことで、
893に振り切るしか、生きるすべもないし、
そもそも潜入捜査の意味自体も見失う。
この2つのroleで悩むというのは、
潜入ものに欠かせない要素なんだけど、生き残るだけじゃなくて、
893としての仁義もその選択に影響している。
っていうのがFRESHだし、好きだな〜と思いました。
暴力描写も容赦ない感じで。銃撃シーンはほとんどないけど、
韓国特有のど突き合い、刺し合い合戦はアガるし、
血はたくさん出るし、満足しました。
敵味方含めて、犠牲者がたくさん出るんだけど、
警察側が仕掛けなかったら、こんなことは起きてないと考えると、
一番惨いのは一体誰なんだと考えさせられたり。
しかも、警察側が直接手を下すことは一切ないわけだし。
最後はバランスを振り切った主人公が、
のし上がる形で終わるんだけど、
そのあとの過去回想シーンが愛しかった。スピンオフで見たくなるくらい。
最近良い韓国映画見れてなかったので、
コレとスノピアサーきっかけで色々見返したいなぁと思う所存です。

スノーピアサー



法事で大阪に前乗りしていたところで、
前日飲んだノリで諸先輩方と共に見てきました。
実はこれがfirstポンジュノ体験でして、
予告編で見た設定で相当アガッていた訳ですが、
その期待を裏切らない圧倒的な映画体験!見終わった後、
先輩方と飲んでいる間に物語中のアラが目立つ話を色々してて、
僕自身も同意するんだけど、
物語で語られるテーマ性にやられてしまった…
しかも、その表現方法があまりにFRESHで見たことないもの。
映画館で観れて良かった!
ストーリーとしては温暖化防止策として、
世界中に撒いた化学物質が原因で世界が凍りついてしまい、生物は絶滅。
唯一生き残った生物が列車に乗り込んだ人たち。
列車内は世界の縮図化していて、搾取する/される側に分かれており、
列車の最後尾にいるのがそのヒエラルキーの最下層の人間たち。
彼らが列車内で引き起こす革命の話です。
誰かが犠牲になることで、誰かがcomfortableになる。
これは世界の真理ですが、普段あまり考えないように蓋をしてる。
その蓋をひっぺ返したところをモロSFで見せつけてくれる
(原作ありきだとは思うけど)
列車の最後尾から先頭を目指していく訳ですが、
その目指すギミック、各車両の設定が超オモシロい!
(逆にここでノレないとつまらないものになるかも…)
進めば進むほど、主人公たちと共に、
この世界のルールが分かってくる訳です。
僕は自分たちの唯一の食料である
プロテインバー a.k.a 羊羹の原料を知るところや、
学校車両でのやり取り、暗闇での斧による殺し合いが好きでした。
何と言っても本作のキモはラスト30分にあると思います。
世界を変えるんだと思っていた行動が、
結局は権力者の手の平の上で転がされていることに気づく。
その権力者が「お前に今のオレの立場譲ったるで」と打診する。
言ってしまえば、この世界の神になれる権利。
でも、この世界をkeepするには、
小さな子どもを働かせないとダメ。
そんな世界に生きるくらいなら、少しでも可能性のある
外の世界で生きたほうがマシだ!っていう選択をする訳です。
圧倒的な雪崩、列車事故映像が展開され、
生き残るのは子ども2人。
そこで彼らの前に現れるのがシロクマ。
シロクマ=生きることへの希望!なんだこれ!スゲー!
シロクマ見て、こんなに心動くことねーよ!
まさに映画マジック!
賛否両論込みで、色んな人と語り合いたい映画。

2014年2月2日日曜日

Book (2014 January)

今年から本のことを取り扱うことにしました。
映画とは異なり、今年出たものだけじゃなくて、
僕が読んだものを月単位で紹介いたします。
今月は5冊です。


あかんやつら 東映京都撮影所血風録
伊賀大介さん、水道橋博士がメルマガで、
激プッシュしていた本作。
50〜80年代の東映映画および東映京都撮影所の話です。
押されていたけれど、読むの躊躇してました。
なぜなら、映画をたくさん見ているんだけど、
物語で描かれている東映作品を
見たことがほとんど無かったから。
んで実際読み始めたら、
そんなん関係なくて、無類にオモシロい!
文体が単純な回顧録でもないし、分析でもなく、
大河タッチなのが肝だと思います。
見たことなくても、その映画が見たくなる。
東映作品や、それに出てる俳優のエピソードも
最高なんだけど、何よりもオモシロいのが
当時の撮影所や製作スタッフたちの話。
アツい、アツ過ぎる、漢たちの物語。
損得勘定抜きの漢同士の友情。
正月ひたすら読んで興奮して、泣いてました。
映画好きな人はもちろん、漢の物語が好きな人はマスト!

      

解体屋外伝: いとうせいこうレトロスペクティブ
超傑作「想像ラジオ」を昨年読み、
小説家いとうせいこうの凄みを体験したのち、
過去作を読み進めている一環で読みました。
レトロスペクティブシリーズと題して、現在復刊しています。
ワールズ・エンド・ガーデンという作品に出てきた、
洗脳を解除する解体屋のスピンオフ的な作品。
ウォッシャーと呼ばれる洗脳屋と戦うSF物語で、
僕はワールズ・エンド・ガーデンの方が好きだけど、
こっちのほうを映画化して欲しい。
言葉の使い手としての才能が満ちあふれている作品。

     

骨を彩る
R-18文学賞というのがあって、
この賞をとった人の作品に軒並みヤラれちゃっています。
山内マリコとか窪美澄とか。
前作である「あのひとは蜘蛛をつぶせない」を
友人に薦められ、読んだところ、まぁオモシロかったと。
そんな彼女の2作目。
帯に「本物だった」というコメントがあるんですが、
僕も同感で前作よりもはるかに好きです。
まず文体というか、一瞬の切り取り方が美し過ぎる!
日常で絶対に見たことある風景なんだけど、
こんな叙情性をもって書ける人はいないんじゃないだろうか。
本作は短編が5作収録されてるんだけど、
それぞれが全部繋がっている。
最初とラストの結びつけ方が映画みたいで素晴らしかった!
この作品については、
教えてくれた友人のレビューが素晴らしいので、
読んだ方はそちらもご参考までに→bookworm's digest

     

トマス・ピンチョン全小説 LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)
ピンチョンの作品、読みてーな!と思って早数年。
彼の作品の中で最も読みやすいと評判で、
しかも映画化されると聞き、読んでみました。
正直、これで一番読みやすいんかよ…って感じでした。
1970年ごろのLAを舞台にした探偵もので、
GATシリーズとか思い出しながら読んでました。
表紙がおしゃれなので、家に置いておくのもいいでしょう。

     

ユーミンの罪 (講談社現代新書)
最近出た新書です。
日本人でユーミンの曲聞いたこと無い人はいないだろう、
っていうくらい全世代に渡って人気のあるユーミン。
彼女のデビューから1991年頃までの作品を読み解いている本です。
これもあかんやつらと同様で、
そんなに聞いたこと無いしなーと思いながら読み始めたら、
一気に読了してしまいました。
ユーミンの歌詞の世界の豊かさよ…
僕はラップが好きなんですが、
その理由が歌に比べて情報量多いし、色んな意味を包含できるところ。
逆に言えば、歌は情報量が少ない分、聞き手に残されている行間が多い。
その面白みに気づかされました。
バブル期とユーミンの関係性や、そこから導きだす女性論。
文体もユルいので、読みやすいです。

KILLERS/キラーズ



冷たい熱帯魚、凶悪など、日活の近年の攻めた流れにある作品。
劇場で予告見たときから、
だいぶ高まってたんですが、思ってよりアレな作品でした。
HO 欲望の爪跡」に近いというか。
あそこまでヒドくないけど、実在感というかですね。
シリアルキラーものとして突き詰めてるのは分かるけど、
その背景や周りをないがしろにしちゃうと、
全体のリアリティが欠如して、
結局そのシリアルキラー自体も嘘くさくなっちゃう。
その点が冷たい熱帯魚、凶悪に比べて、やっぱり物足りなかった…
ただ、インドネシアのシークエンスは、
楽しんで見れたので良かったかな?

この映画は2つのストーリーが並行してて、
日本とインドネシアが舞台になる。
日本側では、北村一輝がシリアルキラー役で、
自宅に女子を招き、その子を殺すところを撮影して、
ネットにアップすることを日課にしている。
押さえきれない殺人衝動はまるで自慰行為のよう。
そんな中である姉弟に出会い、理解者が現れたと考える。
なぜなら、姉が自閉症の弟を道路に立たせて、
殺そうとしているところを目撃したから。
なおかつ、その姉に昔亡くなった自分の姉を
勝手に投影し、理解してくれるかもという思いを強める。
一方、インドネシア側の主人公はジャーナリストで、
ある政治家を追っかけてる。演じるのはオカ アンタラ。
北村のアップした動画を見ていて、
潜在的な殺人願望を持っているような男。
彼がタクシー強盗に遭い、偶然にも2人の男を殺してしまう。
そこで殺人行為、および撮影する快楽に目覚める。
彼には奥さん、娘がいるんだけど、
その関係がうまくいってないのも加わって、
政治家の顧問弁護士を焼き殺す。
北村とオカはネットを通じて繋がっていて、
オカは彼とは違うんだ!と思いを強めるんだけど、
一度味を占めた殺人行為の快楽には抗えない。
このオカの葛藤する感じが好きだったな〜
北村はそれがなくて、謎のシスコン押しだったので、
その部分に乗れなかったです。
ただ、どつかれた黒人への報復と、
その女を拉致るシーンは好きでした。
とくに深水元基演じる警官とのシーンは笑ってしまったw
北村がインドネシアに来てからは、
なにがなんやらで、勢いで進んでいくし、
ラストの三つ巴の殺し合いはアガッた。
誰かをぶっ殺したいときにオススメ!

ウルフ・オブ・ウォールストリート



スコセッシ×ディカプリオの最新作。
カニエの「Black Skinhead」使いのTeaserもナイスで、
期待してましたが、オモシロかったです。
でも、この映画に倣って言うならば、Fucking too long!!!
180分は長過ぎ!1時間ぐらいしぼれたと思う。
とは言いつつも、ディカプリオは嫌みな役やらせたら、
ホントに最高だなーと。ドンズバでハマってました。
日本人なら、本作を見て思い出すのはホリエモンでしょう。
こっちはもっとデーハーで
アメリカナイズされてるけど、結局は金の話。
ウォール街で働くディカプリオの栄枯盛衰物語です。
彼は一攫千金を夢見て、ウォール街にやってきて働き始める。
そこの上司は1ヶ月で100万ドル稼ぐ男。
演じるのは、ノリに乗ってるマシュー・マコノヒー!
本作でも流石の怪演っぷり!
とくにマティーニの注文っぷりがアッツいし、
オレは1日2回ヌクとか、アクセル全開でした。
ディカプリオは戸惑うんだけど、
まるで彼をなぞるかのように、ドラッグ、SEXに溺れていく。
この勤めていた会社はBlack Mondayをきっかけに潰れちゃう。
無職になったディカプリオは、
1株数セントのペニー株を取り扱う会社で働き始める。
そこで天性の口の上手さを駆使し、バリバリ儲けちゃう!
そんな中でジョナ・ヒルと出会い、新たに会社を作ることに。
学歴の無いけど、ストリートでサバイブしてるやつらを雇い、
これまでと同様、安い株で儲けていく。
そのうち、更に儲けるためには
貧乏人相手じゃだめだ!ってことで、
ディカプリオがHow toを披露する。
このシーンが相当好きでした。
インテリ金持ち相手に、ストリートあがりのやつらが
バンバン株を売っていく。スピーカーにして、
皆でゲラゲラ笑ってるのが、チーム感あって好きでした。
会社はドンドン成長し、ウォール街に殴り込む。
それと同時に、金使いも荒くなり、ドラッグ、SEX三昧!
この点に関しては相当攻めてます!
おぱーいの量は、これまで見た映画の中で最多かも。
映画内でも散々語られてますが、
ドラッグ、SEXへの依存よりも金への執着は収まりがつかない。
まさにCash Rules Everything Around Me
原作ありきだけど、この執着性をオモシロく見せるのは、
スコセッシの手腕なのかなーと思ったり。

儲かるのはillegalなことしてるってのもあるんだけど、
ディカプリオの雄弁さが原点。
会社内で何回かスピーチするシーンがあるけど、いずれも素晴らしい。
そこに説得力がある/ないで見え方が全く異なると思います。
凋落していく姿が描かれるのが後半。
ドラッグの招く悲劇なんだけど、ジョナ・ヒルのチョンボが原因。
LEMONっていうドラッグをキメタときの、
ディカプリオの演技は凄まじかった…
結局、家族も友人も失ってしまうけど、
彼に残るのは、その雄弁さと金。
ペンの話で締めるのが素晴らしかったな〜
Fucking 最高な映画でした。

アメリカン・ハッスル



デヴィッド・O・ラッセル監督の最新作。
昨年公開された「世界に一つのプレイブック」が大好きだったので、
楽しみにしながら、見てきました。
前作とも通ずるコメディ要素もありつつのクライムもので、
ポイントポイントで笑かせてくれるし、全体的にも楽しめました。
ただ、ちょっと色々詰め込みすぎてる感も多少あるかな…
丹念なキャラクター描写はさることながら、
色んなタイプの面白みが全部乗せで、
見たあとに残る疲労感が残るくらいのvolume.
この疲労感は嫌いじゃないし、何回も見たくなる作品でした。

物語の大まかなあらすじとしては、
詐欺師タッグが捕まり、そこから無罪放免となるため、
4人の詐欺師を逮捕する捜査協力をFBIに行うものの…って感じ。
いかんせん、この映画に出てる俳優が大好きだ!それに尽きる!
時間かけて、それぞれの過去、内面を描写してる
っていうのもあるし。
クリスチャン・ベイルのえげつない役作り。
エイミー・アダムスのエロ可愛いところ。
ジェニファー・ローレンスのCrazyさ。
ブラッドリー・クーパーの愛すべきバカさ。
どれを思い返しても顔がニヤニヤしちゃう。
一番好きだったのはジェニファー・ローレンスかな〜
ちょっと頭おかしい女性役やらせたら、
右に出るものいないぐらいの無双っぷり。(褒め言葉)
詐欺師の話でクライム要素も勿論あるんだけど。
それよりも普遍的な「嘘」の話になっていました。
冒頭、クリスチャン・ベイル演じるアーヴィンが
髪の毛をセットするシーンがあるんですが、
それがテッペンハゲ隠し。
さらに、エイミー・アダムス演じるシドニーは
イギリス人であるという嘘をつく。
この辺は分かりやすい嘘で笑えるんだけど、
物語が進んでいくにつれて、笑えなくなってくる。
なぜなら、嘘をついていない人間なんていないし、
皆生きていくために少しでも嘘をついているから。
この要素のじわじわ来る感じが好きでした。
はじめが4人の詐欺師を捕まえるだけだったのに、
ブラッドリー・クーパーのちょっとした出世欲のために、
小さな嘘を繰り返すことで、事態はどんどん大きくなっていく。
嘘から産まれる悲劇。
そのケツに待っているのが、アメリカのカジノを取り仕切る男。
この役をデニーロがやってて、最高だったなー
分かりやすい、バレる/バレないはここだけだったけど、
問答無用でアガらざるを得ない。
あと悲劇性という意味では、
アーヴィンと市長の関係性が一番辛かった。
市長は悪いことしてる意識はあるものの、
根は良い人で、あくまで市民が幸せになればと願った上での行動。
その純粋な気持ちを踏みにじってしまうことへの葛藤。
壮大な嘘つき合戦の結末はちょっと味気ないというか、
もうちょっと上手く見せれなかったのかなーとは思いました。
にしても、デヴィッド・O・ラッセルの描く
人間模様は無類にオモシロいし、大好きです。