2014年2月20日木曜日

ザ・イースト



町山さんの2013年TOP10にランクインしていた本作。
そうでもなかったら、おそらくスルーしてたかも…
大した期待もせず、ふらっと見に行ったら、
無茶苦茶おもしろかった!
スノーピアサーも同様なんですが、
主人公が今まで知らなかったことを知ったあとに、
どういった行動を取るのか?っていうテーマの映画が好きです。
あと自分の仕事にも関係してたりして、興味深かった。
見終わったあとの印象としては、
女性が主人公だし、ゼロダークサーティーに近かったかな?
あれよりは少しポジティブよりではあったけど。
(あれをポジティブと取るのかも議論の余地がある)

タイトルのThe Eastはテロ組織の名称。
このテロっていうのが、
環境や人の健康を害する会社をターゲットにしたもの。
(例えるなら、シーシェパードとか)
このテロ組織に潜入捜査を行い、テロを阻止しようとする。
その役目を担うエージェントに所属する、
主人公のサラの視点で物語は進行していきます。
こういったテロ組織は宗教のように、
明確な教義があって、それがロハス思想。
宗教性を象徴する飯を食うシーンや、
体を洗うシーンは気持ち悪かったなぁ…
「自然を大切に共生する」ってこと自体は否定しないけど、
それが先鋭化してしまえば、元も子もない。
テロといっても単純に加害者を殺すのではなく、
「目には目を」で、化学メーカーや製薬会社が
もたらした被害と同じ思いを責任者にさせる。
主人公は何とかテロを阻止しようとするものの、
バレないことを優先して、阻止に失敗する。
ここで失敗して反省するのではなく、
テロが成功して得る快楽に徐々に犯されていく。
この徐々にシフトしていくのを、
ちょっとした行動で示していくのが秀逸。
床で寝たり、ゴミ箱から拾った食べ物を食べるのとか。
しかも、ザ・イーストの行っているのは、
単純なテロじゃないから悪!と断定できないところがたちが悪い。
ゆえに映画を見てるあいだに、
そのグレイゾーンな部分を考えさせられる。
このライド性をずっと楽しんでました。
こういったロハス思想の人たちは自分の手の届く範囲で、
見える悪を打倒しようとするんだけど、
正直そんなことしてたら、
物流も情報も世界規模になった社会で生きていける訳が無い。
知らぬ間に恩恵を受けてしまう訳です。
(本作はその辺も配慮されていましたが…)
ある1点にフォーカスして、己の正義を振りかざすのは
果たしてどうなんだ?と思います。
じゃあ、見ないようにクサい物に蓋しちゃえ!でいいのか…?
この辺は非常にアンビバレント。
それこそ、僕は10代後半から考えてきたことだけど、
いまだに分からないし、何とも言えない。。。
こんだけ考えさせられる上に、
サスペンスとしてもオモシロいんだから言うことなし!

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