2013年6月25日火曜日

アフター・アース



シャマラン監督最新作。
アフター・アースの予告編には
「シャ」の字も全く出てなかったから、ビックリ。
彼の作品は結構見ていて
「シックス・センス」「サイン」「ヴィレッジ」
「レディ・イン・ザ・ウォーター」「ハプニング」は見ました。
エアベンダーは方々での評判があまりにも悪かったので未見。
本作は原案はウィル・スミスで
監督、脚本、製作総指揮がシャマラン。
物語全体はツッコミどころ満載だけど、シャマランの作家性というか
ある種のファンタジー性を考慮してみれば、そこそこ楽しめると思います。
ウィル・スミスは伝説の戦士という設定。
すでに人類は地球に住んでいなくて
アーサっていう怪物と対峙しています。
この怪物は人が「恐怖」を感じたときにでるフェロモンを感知して
襲ってくるというシャマランぽい怪物ですw
息子を宇宙でのトレーニングに同行させるんですが
そこで事故って、不時着した惑星が変わり果てた地球。
ウィル・スミスは動けないから、息子が壊れた宇宙船の片割れまで
助けを呼びにいくために冒険するという話です。
もろイニシエーションな訳ですが、この息子のキタイというのが
身勝手な行動を立て続けに取るから、感情移入しにくいんです。
たぶん、この映画はウィル・スミスの父親目線で見るか
息子目線で見るかで面白さが変わってくると思います。
つまり、身勝手な行動も父親目線で見ると
「子どもはコレだから困るんだよな〜」という共感があるのかも。
様々なトラブルに巻き込まれながら、息子は未知の土地である地球で奮闘。
正直、御都合主義な側面は否めないし、気になるのは確か。
でも、怪鳥のくだりとか、死んだ姉がいきなり出てくるのとかは
シャマランっぽくて好きでした。
一番オモシロかったのはウィル・スミスが「恐怖」を
感じなくなった理由を息子に語るところ。「恐怖」と「危機」の違い。
このエピソードが一応前フリになって、息子は一皮むける訳ですが
ちょっとなんだかなぁ…って感じでした。
過去の姉のときとの対比は分かるんだけど。
ラストシーンは良いシーンなんだけど、息子のセリフに思わず
「えっ!」と声出してしまいました。
よくできた映画とは言えないけど、デートとかでいいんじゃないですか?
誰も不幸にはならないし。シャマラン見るなら、他の作品でイイと思います。

2013年6月23日日曜日

3-4x10月



田我流の「B級Tour」見て、北野武映画が見たくなり
自宅のストックから鑑賞。

とんでもなさという点では、これまでに見たどの北野武作品よりも
ずば抜けてるなーと思いました。これが2作目だなんて…
冒頭の真っ暗闇の中から、主人公がボウッと現れるシーン。
ここが大きなポイントになるだなんて、見始めたときには想像もつかない。
この作品も例に漏れず、893絡みのストーリー。
ガソスタで働いている主人公は草野球チームに所属している。
うだつのあがらない彼がひょんなことから
893に絡まれて…という話です。
90分っていうタイトな作りです。
映画全体から受ける印象はむちゃくちゃsolid.
前半はたけし軍団オールスターも出ていることから面白要素多めです。
(最後のクレジットが当時の芸名なのもオモシロい)
初期作品で必ず登場する「海」も勿論あります。
でも、まだキタノブルー時代ではないから、普通の海。
この映画はBGMもないし、主人公がほとんど喋んないから
状況とか周りの人から心情を推し量るという
引き算しまくり作品なので、嫌いな人は嫌いかも。
行動の動機とか見えにくいのは確か。
でも、それが北野武監督作品のボクの好きなところなんですね。
ソナチネしかり、HANABIしかり。
人生は理不尽だし、暴力はどこに潜んでいるかは分からない。
という予定調和からの逸脱が好きなんです。
全体的に暗いけど、ピンポイントで笑ってしまうシーンも。
とくにトカちゃんの指つめるシーンで
「忍耐」って書いた将棋の駒使うの最高でしたw
なんかぶっ飛んだの見たい人にはオススメです。


2013年6月17日月曜日

DOGEAR RECORDS x P-VINE RECORDS Presents REFUGEE MARKET





久しぶりにライブを見に行きました。Refugee Market。
最近出たKid Fresinoのアルバムがとてつもなく好きで
それ目当てで遊びに行ったけど、どのライブもDJも素晴らしかったです。
ライブについて多くを語るのは野暮なので、詳しい感想は述べませんが
PUNPEEのDJは全く新しい形で、まさにMovie on Sunday.
映画好きとしては、ガン上がりでした。
I love Down North Camp !! 

2013年6月16日日曜日

まほろ駅前多田便利軒



正月ロードショーの録画を消化。
夜中に流し見で見てたら、どんどん引き込まれて
深夜になり、翌日の仕事に支障きたしました…つまり、良かった!
多田という男(瑛太)がいて、彼は駅前で便利屋を営んでいる。
そこへ行天という同級生の男(松田龍平)が転がりこんできて
奇妙な共同生活が始まり…という物語。

バディムービーなんですが、この2人の相性がイイ!
2人ともやさぐれてるけど、そのやさぐれ方が全然違う。
多田は精一杯生きてる上で、世の中にfitできない。
行天は真逆。フーテンで、世の中に期待もしていなければ
他人の目線も気にしない。
この2人の歪さが物語が進むにつれて、徐々に歯車が噛み合う感じ。
女性がほとんど出てこない、漢同士独特の距離感。
変に綺麗ごと並べないから、めちゃくちゃ好感を持ちました。
小学生がpusherっていう設定もナイス!
んで、その小学生も小学生なりにやさぐれていると。
そこから、親子の関係にフォーカスしていって
2人の親としての側面に物語がシフトしていく。
ここで、一気に話が加速していって、2人の立場が逆転する。
そのシーンの切なさたるや。。。
多田の独白もさることながら、行天がかける言葉の尊さ。
最近、松田龍平が出てるドラマとか映画よく見ます。
どれも演じてるキャラ違うけど、それぞれの世界観に
ピシーッとハメてくる。大好きな俳優の一人です。
もう少し、映画の尺を縮めても良かったとは思うけど
多田の抱える業を表現するには、物理的に長いことで
より一層際立ったのかもしれない。
日本の映画も面白いのは面白い。
ドラマverも見ないとな〜

※2013/11/12 追記
原作を読了。この2人をキャスティングした監督と
演じた瑛太氏&松田龍平氏にあらためてマキシマムリスペクト!

2013年6月9日日曜日

はじまりのみち



東劇という映画館で。
築地と銀座の間にあって、丸の内ピカデリー3みたいな形でした。
いとうせいこうとユースケサンタマリアがMCの「オトナの!」という番組で
加瀬亮、濱田岳がプロモーションで出てたのを
見かけたのが見に行ったキッカケです。

思ってたタイプの映画じゃなくて、とても良かったです。
監督はクレヨンしんちゃんシリーズ等で有名な原恵一監督。
アニメはたくさん作っているけど、これが初めての実写。
映画監督である木下惠介が主人公で
戦争中に母を疎開先へリヤカーで送り届ける映画。
と予告編見た段階では、思っていたんですが
そんなことはなくて、映画の映画でした。
今年公開の「ヒッチコック」が
映画技術を含めた彼をintroduceする作品なのに対して
本作は映画を撮ることの精神的部分。
もっと広げて言えば、芸術全般にも通じるような話なんです。
戦時下で撮りたいものも撮れない歯がゆい状態に耐えきれず
撮影所をやめたあと、どんなプロセスを持って
彼が再び映画を撮るようになったかを丁寧に描いていく。
正直、最初の移送シーンは思ったより単調で
少し物足りなかったけど、宿で一泊してからの展開はもう…最高!
なんといっても加瀬亮よ…
日本の俳優で相当好きな方ですが、今回のでまた好きになりました。
あの独特の憂いというか、何というか。とにかく素晴らしかったです。
母親の顔をふくところとか周りのキャストのリアクションと
同じリアクションを劇場もしてしまうぐらい惚れ惚れ。
濱田岳、ユースケサンタマリア含めた鉄壁の脇役陣もナイスでした。
(光石研が出てる映画は大体ハズレ無しの法則を適用)
映画自体はかなりコンパクトなんですが、
河原のシーン、母である田中好子とのやり取りのシーンが強烈。
号泣メーン!見て欲しいから、詳しく説明しませんが
この2つのシーン見るだけでも多いに価値があると思います。
最後に木下惠介のフィロモグラフィーがダイジェストで
流れるんですが、それは少し長かったかも。
でも、見たくなったし、そもそもこの映画自体が
木下惠介監督作品を見たことが無い人にとっての
「はじまりのみち」になるから必然といえば必然なのかも。
「新・喜びも悲しみも幾歳月」だけ劇中のセリフを聞かせてくれるんだけど
「陸軍」との対比もなるほど!と感心しました。
同時代には黒沢という超偉大な監督がいるから
かすみがちだけど、この作品を見たことで木下作品を見たいと思える
非常に良い映画だと思います。
「二十四の瞳」あたりから、見ていきたい所存でございます。

2013年6月8日土曜日

素敵な人生の終わり方



安定のジャド・アパトー作品。
おもしろかったです。コメディとしては超長いけど。
あと邦題は絶対間違っていると思う。
(原題はFUNNY PEOPLE)

アダム・サンドラーが余命幾ばくのコメディアン役。
彼は家族、友人もいない孤独な中、
セス・ローゲン演じる若手コメディアンに付き人兼作家を任せる。
仕事、生活をともにする中で、2人の間に友情が芽生えていく話。
いわゆる難病ものです。日本でも人気の高いジャンルではあるけど
アメリカの難病×コメディが僕は好きです。
同じくセスローゲンが出ていた「50/50」はかなり好きなので
まだ見てない人は、そっちを先に見てほしいす。
この2作の共通点として、難病が克服されてしまうところです。
亡くなってしまうところを終盤にもってきて
泣かしにかかってくるのが多いと思うんです。
本作は長い尺を使って、病気前後を描いています。
だからといって周りが露骨に変化する様子を描いてもいない…
それよりも本人が一旦死ぬかもしれないという
経験を経たあとの振る舞い方がおもしろいんですね。
生死に関わる映画の場合、いつも頭をかすめるのが
人生のプライオリティは果たしてこれで正しいのだろうか?ということ。
まさに、彼もその点で葛藤する訳です。
金、名誉、女、手に入らないものはないと思っていたけれど
死ぬかもしれないとなった瞬間に、これまで見えなかったものが見えてくると…

正直この辺の話はオマケ程度で、終始アメリカンコメディ感びんびん。
アメリカのTVとか映画についてある程度知ってないと
分からないギャグも盛りだくさんだった思います。
HIPHOPファン的にはRZAとEMINEMが
カメオ出演してるのがアガリましたね〜
とくにEMINEMが有名であることの苦労話するのがオモシロかった。

ポテチばりばり食いながら、コーラ飲んでゲラゲラする映画です。

2013年6月2日日曜日

リアル〜完全なる首長竜の日〜



「トウキョウ・ソナタ」が超好きで、その黒沢清監督の最新作ということで。
こないだの先輩方との映画会でも、アレ大丈夫なんか?
と話題になった本作ですが 、案の定思っていた通りの結果というか。
あんまり好きじゃなかったです。
監督の作家性を語れるほど、黒沢清作品見てないので
あくまで、一作品としての気持ちです。
ホラーSFみたいな映画で、マトリックス的な構造。
ある装置を用いたセンシングという技術で
他人の意識に入り込むことができるという設定。
佐藤健が昏睡状態の綾瀬はるかの意識に潜り込み、
彼女の目を醒まさせるというお話。
設定はとてもオモシロいし、前半は謎が多いから
そこを考えながら見てました。
Philosophical zombieというキャラというか設定も
ヴィジュアル込みでおもしろいなーって感じでした。
で、後半にすべての立場が変わってから、乗りきれなかった。。。
三途の川を具現化してような話が始まっていく訳ですが
向こうで待ってるかつての友人、しかも彼らが原因で無くなった人が。
その彼が潜在意識の中にこびりついてて
意識下では首長竜として現れるというね。
そこには一応ギミックがあるんですけど、目の前で人がいなくなって
その記憶は絵に描いて封印しましたっていうのが気持ち悪かった。
(原作の内容なのかもしれませんが…)

あと主役2人がなんかしっくり来ない…
脇を固める役者が鉄壁すぎるからなのか、生きてる感じがしない。
そもそも生きてないから、そういう演出である可能性も高いんですが
2時間近く、あの感じは見てて疲れました。

前情報入れてなかったので
Cavinばりに「えっ〜」と驚く展開ではあったけど
映画館で見る意味はそこまで無かったです。
あとTV主導映画お決まりの本編のトーンを
完全に無視したMr.Childrenのエンディング曲。
毎回思うけど、作ってる側に映画好きな人いないの?
どんだけイイ映画でも、これされるとガン落ちするんですよね。。。
ホントはもっとpositiveな感情で見てたのに。

あんまりオススメできません。
黒沢清監督ファンの人にどこがオモシロいか説明して欲しいです。

きっと、うまくいく



1年ぶりくらいにシネリーブル池袋にて。
映画の日ということもあり、ほぼ満員でした。
とてもオモシロかったけど、疲れました…
初めてインド映画いわゆるボリウッド見たんですけど
どの映画もこんなテンションなんでしょうか。
物理的なvolumeもさることながら、感情をゆさぶる乱高下飛行。
映画1本見たら、喜怒哀楽の全部乗せでした。みたいな。
原題は3 idiotsで文字通り3人のバカ、悪友同士の
大学での思い出と大人になった現在クロスオーバーしながら描いていく。
8割くらいは大学での物語。ICE工科大という理系大学で
しかもメインの舞台が寮なので、男臭い。
オレも理系ですが、あそこまでヒドくなかったw
3人は部屋が同じでとても仲良いんだけど
悪いし、頭もよくないから学長から問題視されている。
でも、ランチョーという男だけは頭が超いい。
現在のエピソードでは行方不明になった彼を
ラジューとファランが捜すエピソード。
大学が舞台なので、教育論も語られる。
2つくらいあるんですが、これらのシーンでランチョーが
どういう人間か説明されていると思います。
日本の詰め込み教育が良くないと言われて久しいですが
インドも似たような状況なんでしょうか。
それに対するランチョーのカウンターは気持ちいい。
(映画見終わったあとでは、ちょっと感じ悪いなと思うけど)
学生の自殺も大きくフォーカスされています。
日本では留年してもヘラヘラしてる人多いですけど
インドだと家庭環境によっては
留年すると家族全体の生活の破滅を考えてしまう環境。
特にいかにも今のインド的なイケイケミュージカルシーンから
ドーン!と突き落とされる。この落差は初めて見たレベル…
これが伏線となり、苦学生であるラジューの決断が重かった。。。
ほぼコメディなんだけど、合間合間にこういうエピソードあるから
見た後に疲れるんです。実人生に近いですよね。
ランチョーがスーパーマンで、劇中でも
残り2人が茶化していうように導師の役割を果たす。
そのランチョーのバックグラウンドもまた切ないんです。
だからこそ、彼は皆がなし崩しで生きていることに対して本質をついてくる。
惰性的に生きても意味ねーじゃん!好きなことやれよ!
と言われて、胸が締め付けられるような思いをしました。
とーまぁ色々あるんですが、とにかくAll is well〜なので
ぜひとも見て欲しい作品です。

イノセント・ガーデン



オールド・ボーイの監督、パク・チャヌク監督最新作。
実はオールド・ボーイ未見なんですが、めざましテレビでインタビュー見て
仕事終わりに飛び込み。脚本がプリズンブレイクのマイケル役である
ウェントワース・ミラーというのもビックリ。
前情報はほとんどなしで見ましたが、Crazyで良かった!
アニマル・キングダムに近い感じです。(あのババアも出てるし)
父を亡くした母と娘、そして父の弟である叔父の物語。
冒頭から抽象的なセリフと意味深な娘のショットから始まります。
父の葬式にこれまで見かけたことがなかった叔父と突然同居することに。
叔父は超男前でマッチョ、料理もできる完璧に見える男。
母であるニコール・キッドマンもその魅力に引かれていくんです。
そこで、娘だけが彼の真の姿を目撃してしまい、相手にしない。
でも徐々に叔父の持つ狂気に惹かれていって…という話。
この叔父の狂気性が映画のキモで、見事なくらいCrazy.
後半で出てくる幼少の頃のある事件とか、最悪でした。。
彼の武器がベルトというのもFresh!!
特にモーテルの電話ボックスのシーンはうわ〜って声に出してしまいました。

あと撮り方というか構図が特殊。
変なところにクローズアップしたり、引きの画もオモシロかった。
映画全体の不穏感は、こういうところからも出てました。
また本作では靴が大きな役割を持っているのですが
スニーカー⇒ピンヒールのところは
履いちゃダメー!そっち側に行ってしまう〜
というハラハラを生み出す装置として素晴らしかったと思います。
そっからラストまでは目が離せない。
狩猟とのクロスカッティングでカタルシスは増大。
詳しくは言いませんが、自立した彼女が取る行動として
それなのか…と。
しかも、そっから冒頭のシーンが回収されるんですが
初めに見たときと印象が全く変わっているというね…
こういうのはとても好きだけど、とても怖い。

前半退屈なところもありますが、サスペンスとしては今年一番くらったかな〜
オールド・ボーイもさっさと見ます!

2013年6月1日土曜日

プレイス・ビヨンド・ザ・パイン



俳優業務からの引退を宣言しているライアン・ゴズリングは
スクリーンで見れるときに見とく!という方針のもと鑑賞。
監督はブルーバレンタインと同じ。
TL上でバイク版ドライヴというのも見かけましたが
確かにそれは間違いないではない。
けれど、その部分は後半への前振りでしかないという贅沢な構成。
この映画はむしろ後半ライアン・ゴズリングが亡くなってからがキモ。
ライアンはバイクで生計立ててるドライバーなんだけど
実は子どもがいたというところから物語が始まる。
ボロボロのTシャツ着て、相手の気持ちを汲み取らず
良かれと思って身勝手に振る舞う姿はブルーバレンタインみたい。
冒頭から続く強盗シーンはドライヴみたい。
あの強盗のギミックは好きでした。
ゲロが見れる映画はそれだけで最高というね。
しかし、彼女とうまくいかなくなって無謀な強盗をしてしまう。
ここからがブラッドリー・クーパー演じる警察の物語。
いわゆる警察官の性根腐った系。とても陰湿でした…
一方でクーパーは罪の意識に耐えかねて、仲間を売り
父親譲りの政治力でのし上がる。
先に発砲したのはクーパーで、
無抵抗の彼を殺してしまった後悔の念っていうのが
子どもやお金で追い込まれていくのは上手いなーと思いました。
しかし、この映画のエグみは事件から15年後の物語。
それぞれの子どもが高校生になり、偶然出会い仲良くなる。
ゴズリングの息子はアウトローで
クーパーの息子は金持ちの調子乗った感じ。
ひょんなことをきっかけに、ゴズリングJrが自分の父を殺したのは
クーパーだと気付いてしまう。
こっから怒濤の展開で、2世代にわたった復讐劇が描かれる。
クーパーの抱える贖罪の意識は写真一発。
それは分かるんだけど、結局クーパーは州判事に当選
ゴズリングの息子は父親の生き方をトレースしちゃう。
当然彼の選択した人生なんだけど
結局出自は変えられなくて、その運命に従って生きるしかにように思える。
そんな現実味のあるビターな映画でした。