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2017年7月1日土曜日

ブルックリン



ミニシアター系映画でずっと見たいと思っていた作品。
ビビッドなポスタービジュアルに惹かれたんですが、
お話も予想を遥かに超えたオモシロさでした!
都会と地方を巡る上京論は昔からあるし、
世界共通の感覚なのかと映像で見ると改めて驚きました。
主人公はアイルランドの女の子。
地元じゃ働き口が見つからないため、
NYのブルックリンで働くことになります。
そこで起こる出来事、地元アイルランドでの
彼女の生活を描いた作品です。
地方から出てきた女の子が都会でストラグルする姿は、
すっかりおじさんの僕にとっては響きまくり。
都会のドライな関係性と地元への恋しさが募って、
ホームシックになるんだけど、
そんなホームシックは恋一つで吹き飛んでしまう。
可愛らしいエピソードがてんこ盛り。
さらに映画全体のカラーリングが本当に美しくて素晴らしい!
主人公の服装、街の風景、部屋の様子、
すべてが調和された世界が展開されるので、
映画館の大きなスクリーンで見たかったなーと後悔しました。
(レンタルはブルーレイを大推薦!)
アメリカへの移民系の作品で多いのは
イタリア系だと思いますが、
そこへの目配せも気が利いててオモシロかったです。
最大の見所は姉の死去により一時帰省する後半。
帰省する前に彼氏と入籍を済ませて、
主人公は帰省するんだけど、誰にもそれを告げられない。
母親や地元の友達と過ごす時間が心地良く、
予定よりも長居してしまいます。
気兼ねなくリラックスできるんだけど、
強烈な同調圧力が存在する村社会でもある
地方のイイ部分/悪い部分を
丁寧に描いているところが興味深かったです。
とくに主人公がアメリカ行く前にバイトしていた、
グロッサリーの女店主の感じとか最悪で最高!
ラストの立場逆転な演出も素晴らしかったなー
もろに地方vs都会という構図であり、
都会最高!のようにも見えるけれど、
それよりも主体的に自分の人生を生きることの大切さを
痛感した映画でした。思春期の高校生とかに見て欲しい!

2015年3月28日土曜日

HUNGER/ハンガー



シェイムそれでも夜はあけるの監督である
スティーブ・マックイーンのデビュー作。
これがデビュー作なのか…と衝撃を受けました。
僕は本作が一番好きでした。
1980年代の北アイルランドで
サッチャー政権に対してハンガーストライキで
政治犯としてのプライドを取り戻そうとした、
抗議活動を生々しい映像でえぐり出す。
とにかく映像がストイックで、
めちゃくちゃカッコイイ!!
前半はほとんどセリフがなく、
刑務官と受刑者の様子を淡々と見せていく。
「淡々」と書きましたが、
それはあくまで物語の進め方であり、
画面内で展開される内容に呆然…
刑務官の日常茶飯事の暴力、
それに対抗して受刑者は
糞尿を撒き散らしたり、囚人服を拒否し
毛布一丁で刑務所で過ごしたり。
歴史的な背景を知らないし、
説明もないからグイグイ引き込まれていきます。
「見る」ことを観客に要求するスタイル。
そして、神父と受刑者のボブ・サンズのあいだで
行われる20分近くのワンショットによる対話。
それまで大胆な省略話法でテンポよく進んだ分、
ここのワンショットの強烈さが際立つ。
2人の話の内容も哲学的で本作のテーマとなる部分。
ハンガーストライキっていう手法は、
自傷行為で情を誘う方法であり、
そんなことは意味がないと主張する神父と、
己のプライドと次世代のために
自らの命を賭してまでもストライキを決行するボブ。
この受刑者を演じるのが、マイケル・ファスベンダー
終盤はみるみる痩せていくわけですが、その迫力たるや!
静かにゆっくりと着実に死へ向かう姿は、
見てて本当に息が詰まりました。
映像の迫力に圧倒されたので、
文芸座とかで再映されないかなーと思う次第。
あと特典の監督インタビューは必見で、
現在に通じる首尾一貫性と
映画に対する真摯な姿勢が素晴らしいので、
見る方はdon't miss it.

2015年1月12日月曜日

塔の上のラプンツェル



引き続きディズニーバイブス高めなので鑑賞。
ディズニーアニメーション50作目ということで
ハンパない気合の入り様で、とても楽しかったです。
ディズニーのお家芸であるプリンセス物語に、
ピクサー以降の3Dアニメーションの最高到達点が
合わさった結果、素晴らしい映画となっています。
髪の毛の表現、圧巻の灯篭シーンなど、
スクリーン上で提示される世界の豊かさは
物語の出来を飛び越えて心に刺さりました。
アナ雪がディズニーが提示するプリセンス像の
最新アップデート版な訳ですが、
本作も幽閉された世界から飛び出し、
自らの生き方を模索し、夢を叶えるという点では同じです。
おとぎ話として超普遍な話を、
ここまで楽しませてくれるディズニー作品恐るべし。
あとディズニーのメイキングはめちゃくちゃ面白いので、
DVDで見る際には必見です!

トイ・ストーリー3



最近ディズニープリンセスと幸せの法則という本を読んで、
ディズニーバイブスが高まっている中で、
見落としている作品を見ようと思い鑑賞。
1作目は僕の映画原体験とも言うべき作品で、
子どものころから大好きでした。
そこから同じピクサーのバグズライフも好きになり、
映画館へも見に行き、親にねだって、
VHSを買ってもらったりしてました。
しかし、年を重ねるごとに天の邪鬼気質が高まり、
ディズニー作品を見なくなってしまいました。
近年はそういった気持ちもなくなり、
ある種フラットに接することができるようになったので、
映画館で公開されれば必ず見ています。
この抜け落ちた10年を少しずつ埋めていきたい所存です。
前置きが長くなりましたが、本作はマジで最高最高だよ!
冒頭で「オレの知っているアイツらだ!」という、
童心に帰ってアガるよね〜っていう。
しかも子どもの成長を絡めて、おもちゃと子どもの関係における、
「始まり」と「終わり」をこんな描き方するだなんて…
心はすっかりおじさんなのでラストは号泣メーン!でした。
1、2はあくまでアンディのおもちゃとして、
彼らが活躍するという物語だったのに対して、
そのアイデンティティが揺らぐ姿と
捨てられた熊のぬいぐるみのルサンチマンがたまんない。
脱獄ものとして抜群の面白さがあるし、
幼稚園をユートピアのように描いたあとに、
子どもたちにめちゃくちゃ雑に扱われるのとか、
丁寧なフリからのボケって感じで好きだったっすねー
あとポテトヘッドがペラペラのトルティーヤみたいなのに、
パーツ付けて動いているのは爆笑しました。
1、2も久々に見返してみようと思います。

2014年12月6日土曜日

かいじゅうたちのいるところ



スパイク・ジョーンズ監督のfilmographyを追う一環で。
今年公開のherきっかけで好きになった監督なんですが、
本作はその前作ということもあり、
近年の彼の画作りのハンパなさが十分伝わってきますし、
お話も有名な絵本が原作で、ルックは子ども向けのようで、
実は大人が一番グッとくる作りになっていました。
主人公のマックスが家族と喧嘩して、
家出して船で旅に出て辿り着いたのは怪獣のいる島。
そこで彼は自らを王と名乗り、
怪獣たちと共同生活を始めるものの…というお話。
子どもって自分が一番大切にされたい願望が、
めちゃくちゃ高い訳です。
家族から雑に扱われたマックスが
怪獣たちに王として尊重されることで自尊心を満たす。
最初は彼を媒介として、トラブル続きだった怪獣世界にも、
平穏が訪れるかと思いきや、彼はただの子どもでしかなく、
再び怪獣間での仲違いが始まってしまう。
この仲違いが起こるのがキャロルという怪獣が原因。
彼は自分の考えが正しいという性格で、人の意見に耳を貸さない。
マックスはそんな彼の姿を見て疑問を抱き、
悲しい気持ちになる一方で、自分が家族に対して取った行動が
キャロルと大差がないことに気付く。
つまり、キャロルが鏡となってイニシエーションへの扉となる。
このような話を美しい映像と、
不細工ながらもcuteな怪獣たちとの関係性で描き出す。
それに加えて特筆すべきなのはアクションです。
ファンタジックな優しい世界でも、
大きな怪獣たちがたまに見せる怪獣の側面が、
物語のアクセントになっています。
特に泥団子合戦のシーンは戦争映画さながら。
ラストはもっと感傷的な別れにしてもよいところを、
敢えてwetにしすぎない締め方も好感を持ちました。
ブルーレイについているメイキングも最高の仕上がり。
原作の絵本を買おうと思います。

スキャナー・ダークリー



リチャード・リンクレイターのfilmographyを追う一環で。
フィリップ・K・ディックの原作を映画化した作品。
ウェイキング・ライフでも使っている、
ロトスコープと呼ばれる手法を本作でも使用しています。
どういった手法かというと、一旦実写で作ったものを
アニメーションとしてトレースする方法です。
(百聞は一見にしかずなので予告編見てね)
今から7年後の世界が舞台で、物質Dと呼ばれる麻薬が蔓延。
キアヌ・リーブス演じる男は潜入捜査官として、
要注意人物であるロバート・ダウニー・Jrを逮捕するため、
警察で働きつつも、彼自身も麻薬中毒。
ロバートと同様に要注意人物として警察にマークされてる。
つまり、自分が調査官でありながら、
調査対象が自分自身という狂った設定。
その設定を可能にしているのが捜査官が纏うスーツ。
捜査官が誰か分からなくするために、
ホログラムで瞬間ごとに色んな人に見えるようになっている。
(これも百聞は一見にしかずなので予告編見てね)
得意の会話劇で麻薬ジャンキーたちの日常を描きつつ、
捜査過程はサスペンスで騙したり、騙されたり。
ブルーレイで見たから、アニメーションの豊かさも享受。
ドラッグ描写はアニメならではと思わせる演出が楽しかったです。
ラストはドンデン返しありーの、
「うわー何てディストピアだよ…」と。
フィリップ・K・ディックの本で読みたいの溜まっているので、
この原作あたりから読んでいきたいところです。

2014年9月23日火曜日

陽だまりの彼女



本当はホットロードを見る前に決めときたかった作品。
2作とも三木孝浩という人が監督です。
あらためて監督の略歴などを見ていると、
もともとはMV作って人なんですね。
公開当時、結構話題になってたんですが、
偏見で「どうせ邦画の恋愛ものなんて…」と敬遠してました。
見た結果、ホットロードよりも断然本作が好きです!
本作はMVのような演出の甘酸指数が高過ぎて、悶絶死。
ただの甘酸ならまだしも、
終盤にかけてのあるトンデモ展開に驚愕。
ヒロインの上野樹里が体調を崩し始めたあたりで、
もしや難病ものか…と危惧したんですが、
そんなものは杞憂に過ぎなかった!
全体のテンポが悪いのは気にかかりましたが、
映画から満ちあふれる多幸感に身をひたす気持ちよさが勝る。
テーマソングとなる、この曲は本当に素晴らしい。



ラストに歌詞の字幕も入って、
それまでの2人の生活を反芻し、思いが込み上げる。
エンディングがヤマタツの書き下ろしなのもナイスなんですね〜



偏見ダメ絶対!と思わされた作品でございました。

2014年5月9日金曜日

未来世紀ブラジル



ある本を読むための予習として。
本読むだけで何本映画見んねんという、
あなたのその気持ちは胸にそっと仕舞ってください。
1985年公開のSF映画でモンティパイソンの
テリー・ギリアムが監督。
有名な俳優だとデニーロがちょい役で出てるくらい。
カルト映画やな〜と思いながら、結構楽しめました。
見てるあいだ、なんなんこれ?と思うシーン多いし、
どこに向かってるかもよく分からないw
でも、なんか楽しいなっていうのが、
カルトと感じる理由なんでしょうね。

20世紀中に起こりうる近い未来が舞台となっていて、
主人公は情報局に務めるサムという男性。
完全に管理された社会において、
管理する側で働く彼ですが、抑圧されている。
(ヒーローとして女性を助ける夢を見ていることから分かる)
その夢に出てくる女性そっくりのジルに恋に落ち、
彼女を捜すことでどんどんトラブルに巻き込まれていきます。
そして、管理する側⇒管理される側となり、
当局に追い込まれていき…という話。
とにかくモンティ・パイソン節のブラックジョークが
大量にぶち込まれているので、
それ見てるだけで楽しいし笑える。
メールやインターネットの発達を予期していなかったのか、
あえての外しなのか分かりませんが、
パイプがそこら中にはり巡らされている設定が
個人的には一番好きでした。便利なようで超アナログみたいなw
ただブラック濃度が高めで、単純に笑えない側面も多い。
情報剥奪局の仕事とか、
具体的にどんなことやってるかは説明されないものの、
部分的に見せられるから余計に怖い。
コントロールされた社会は一見居心地がいいけど、
そこから少しでもはみ出たときの怖さが
よく伝わってきたし、そんな社会では生きたくないなーと。
あとエンディングね。
今回見たのは監督の意向を反映したverでした。
調べると、手前で終わる別のエンディングで、
当初は上映、放送されていたらしい…
自分で見て、その酷さを確かめてみるといいさ!

2014年5月7日水曜日

くもりときどきミートボール



フィル・ロード&クリス・ミラーの映画初仕事。
21ジャンプストリート、レゴムービーと
オモシロい作品を立て続けにリリースしている彼らですが、
見逃していたのを後悔する力作!
ブルーレイで見たけど、映画館で3Dで見たら
もっとオモシロかったんだろうな〜
レゴのときも思ったんだけど、
理系の思考回路が垣間見えるのが好きですね。

主人公のフリットは大西洋の小さな島の発明家。
幼い頃から色んな発明をしてきたんだけど、
どこか抜けていて皆から変人扱いされている。
大人になっても働かず、
ひたすら発明に取り組んでいるんだけど、一向に成果が出ない。
見かねた親父さんに自分の店で働けよと言われるんだけど、
彼の発明した水分から食べ物を生み出す機械が発動。
雲からどんどん食べ物が降ってくることに。
それまでイワシばっかり食ってた島の住人たちは、
彼の発明で色んな食べ物が食べれるようになる。
最初は喜んでいるものの…という話。

フリットは「夢別名呪い」に取り憑かれている人間。
でも、その可能性に賭け続けた結果、街の英雄となる。
食べ物が降ってくるというのは良いことのように見えるけど、
徐々にそのネガティブな部分が出てくる。
それはまさに先進国の飽食文化に対する痛烈な皮肉。
(「足るを知る」という価値観になることが、
成熟した社会の証拠じゃないかなと思う)
食べ物が徐々に巨大化していくんだけど、
それぞれの形状を生かしたdisasterが
展開されるのも面白かったな〜
あとフリットの研究所のギミック感と、
フリットが発明するときに一個一個区切るギャグが好き。
「休憩」のくだりとかw
いかんせん、ブラックユーモアが色んなところで冴えてて、
そして、ときにエモいというのは、
僕の好きなものしか入ってないというね。
ものづくりに携わっている人にオススメです。

2014年5月6日火曜日

ガタカ



ある本を読むための予習として見ました。
イーサン・ホーク、ユア・サーマン、
ジュード・ロウ、アラン・アーキン等の
有名俳優が出ている近未来SFです。
97年公開なので、いかんせん先の見通し方が
微妙だったりしますが、近い未来の話かも。
と思わされました。
CGが発展する直前なので、アナログ感が否めないのも
CG全盛期の今の時代に見ると乙な雰囲気。

この物語は遺伝子ですべてが決まる時代の話で、
子どもを産むときも人工授精。
遺伝子工学が発展した社会なので、
受精段階で遺伝子をいじくって、
運動能力や疾患性などをある程度コントロールできる。
イーサン・ホーク演じるビンセントは
そんな時代に珍しく、自然出産で産まれた人間。
産まれた時点で心臓に疾患を持つことが明らかになる。
今の世界だと差別というのは、
宗教、言葉や肌の色など、表面的なことだけど、
本作の時代では遺伝子を調べて優れてるかどうか判明する。
そして、優れた人間は高等な扱いを受け、
能力の劣る人間は下等な扱いを受ける。
つまり、いくら努力しても細胞レベルで
超えられない壁が存在する訳です。
ビンセントはどうしても宇宙飛行士になりたくて、
宇宙開発機関のGattacaで働けるように画策。
見つけた方法が、
ジュード・ロウ演じるジェロームという
優れた遺伝子を持ちながらも、
交通事故で下半身不随となった男になりすますこと。
ここのギミックがいかにもアナログで結構おもしろかった。
(体めっちゃ洗う、毛めっちゃ剃るとかw)
ツッコミどころ多いけど、バレる/バレないのハラハラ感はあります。
努力で何ともならない世界の厳しさは、見てて心が痛みました。
映画全体が抑制された演出で、
システマティックにすべてがコントロールされている印象。
それが世界観とマッチしていて美しくも見えるけど、
無菌化されつつある今の社会が、
この方向に進んでいるのかも…と思うと頭が痛くなりました。
でも、ラストシーンで唯一、人類の反抗というか、
この物語における価値観へのカウンターとなっていたのは、
せめてもの救いかなと思いました。
2014年に見て現実味が増しているのも含めて、
このタイミングで是非見てみてください。

2014年4月6日日曜日

ザ・タワー 超高層ビル火災



高橋洋次氏がタマフルにて、
昨年の10位に選出していた本作。
今年のはじめにタワーリング・インフェルノを見て、
どのぐらいの仕上がりかなーと思ってたら、
とんでもなくオモシロかった!
割と細かい設定も含めて、
タワーリング・インフェルノを踏襲しつつ、
最先端のVFXを駆使してるんだから、
オモシロいに決まっているんだよ!
ブルーレイで見たけど、映画館で見たかったと後悔…
この映画は韓国のなんだけど、
日本で「タワーリング・インフェルノをリメイクしよう!」
ってならないよね。
その辺も韓国の映画への愛を感じるなーと。
最近の日本のディザスターものを考えると、
日本の海猿とかどんな感じなんかな〜と逆に興味沸きました。

超高層ツインタワーがあって、そのうちの片方に
ヘリが激突して火災が発生し、生き延びれるかという話。
前半は割とコメディタッチでアホなシーンも多いし、
多幸感ありまくり。相当ベタめなんだけど、
この感じがあるから、後半のDisasterの地獄性が引き立ってくる。
後半のDisasterはタワーリング・インフェルノを
かなりトレースしてるんだけど、
それがVFXで脚色されたことで、迫力マシマシ!
タワーリング・インフェルノだと
はじめは大丈夫な空気が流れてるんだけど、
この映画では火災が起こってからアクセル全開。
阿鼻叫喚の地獄絵図が始終展開されます。
(悪いやつはすぐに死ぬのもナイスでしたw)
2つのタワーをつなぐ橋のシークエンスが
ハラハラ度合いMAXだったな〜
ツインタワーであることを生かした設定、
おそらく911の要素なんだろうけど、それもFRESH.
次々にリミットが設定されて、
襲いかかってくるから息つく暇なし。
普段あんまりDisasterもの見ないけど、
やっぱオモシロいよね〜と思った映画でした。

2013年10月6日日曜日

卒業




特大クラシックを少しずつ見進める作業の一環。
おもしろかったです。
アメリカンニューシネマの
普通の学園卒業ものかと思いきや
思ってたより設定がアバンギャルド。
主人公は若き日のダスティン・ホフマン。
大学卒業したてで、スポーツ万能、成績優秀。
でも、なんか足りないという鬱屈を抱えている。
と言いながら、高校の同級生の母親と情事を重ねる訳ですが
ここがえぇ!ってビックリしました。
しかも、かなり序盤な上に前半のメインとなる。
ホテルで母親と会うシーンはかなりファニーでオモシロい。
受付でのやり取りが特におもしろい。
そこに高校の同級生が地元に帰ってくる。
情事を重ねた母親からは絶対会うなと言われるものの
彼の両親もしきりに押してくるから
しょうがなしにデートするんですが
このシーンも好きです。タクシードライバーの
ファーストデートシーンに似ています。
(トラビスは良かれと思って連れて行きますが
本作では嫌がらせで連れて行くという違いはあるものの。)
好きになるまいと思っていたけど気が合い、好きになってしまう。
そこからが地獄で、彼女には情事がバレるは
その父親からはぶっ込まれるし。
それでも彼女のことをあきらめられない結果
あのラストを迎える。
バスに乗り込んでから、もっと喜んでもいいのにと思ったけど
あれは今後の人生への不安の現れなんでしょう。
見て損なし!

2013年8月10日土曜日

許されざるもの



特大クラシックですが、未見でしたので。
渡辺謙主演、李相日監督でリメイクされるのも話題ですね。
ダーティハーリーから繋がるクリント・イーストウッドの
暴力へのスタンスがよく分かる映画で、最高におもしろかった!
伝説の殺し屋であるクリント・イーストウッドは
奥さんのおかげで更正し、農民として細々生きていた。
そこへ賞金稼ぎの話がきて、11年ぶりに銃を持ち
悪党を成敗しにいく話。西部劇です。
なんというか、安易な二元論で善悪を決められますか?
という話なんです。
この映画では、小さな街が舞台となっていて
保安官が過度な締め付けを行っている。
(銃を持ち込むんじゃねぇ!という)
表向きに見れば、間違っていない考えなんだけど
過度な正義が悪に成りうる。
クリント・イーストウッドは最初よぼよぼのロートル。
馬に乗るのもままならない。
一旦、保安官にボコられて、死にかけてからのぉ〜
クリント・イーストウッド無敵化。
ターゲットのことを躊躇なく撃つし、ノリノリ。
でも、仲間のモーガン・フリーマンは
暴力に嫌気がさしちゃってるし
甥っ子は人殺したことないから怯えてるし。
暴力の連鎖が産む怖さと、暴力に初めて触れる怖さ。
この両方を2人のキャラで描いていると思います。
モーガン・フリーマンが殺されてしまって
イーストウッドが酒を飲むシーンはマジで怖い。
これまで亡くなった奥さんのことを
どこか感じさせていたのに
このシーンで、殺し屋としてのアクセル全開。
そこからの仇討ちは最高でした。

まだまだ見れてないイーストウッド作品見ていきたいっすね。

2013年8月6日火曜日

モンスターズ・インク



続編の劇場公開に合わせて、見てみました。
ディズニー映画は見たいのいっぱいあるのに
レンタルビデオ屋いくと、つい忘れちゃう。

当然のごとく、おもしろかったです。
オトナになってから見るピクサー作品は
色んなことが見えてきて、子どものころに感じるオモシロさとは
また異なる味わいあって、最高っす。

見るまでずっと「Monster's Ink」と思ってたんですが
「Monsters, Inc.」 なんですね。
舞台がモンスターの会社で、その事業内容が
悲鳴を基にしたエネルギー開発。
要するに、モンスターたちが怖がらせる→子どもが悲鳴をアゲる
→それを回収し、発電 ということです。
この一連の流れをかわいく、スタイリッシュに
冒頭の10分で紹介してくれるところからアガる。
この世界では子どもが危険なものな訳ですが
その子どもに対する接し方が徐々に変わってくるのがオモシロい。
愛情の萌芽の過程。この辺に共感してる時点で
結構おっさんになったなぁと思ったりしましたw
あとブルーレイで見たこともあるんですが、絵が綺麗&かわいい!
とくにドアの倉庫のシーンは家で見ても圧巻でした。
サリー(青色のもふもふ)とマイク(緑の一つ目)の
 バディムービーとしても1級品。
紆余曲折しつつ、最後のあのマイクの気遣いよ…

ブルーレイの特典で、監督含めた製作陣の対談があるんですが
完成まで5年かかってる話とか、キャラデザインの過程、
2001年公開なので、911の影響などが語られてました。
とくにキャラデザインの過程がおもしろかったし
5年間ダメだしされ続ける(!)話にはビックリしました。

見て損することは一切ないピクサー、恐るべし。

2013年7月20日土曜日

プロジェクト X



NHKの番組ではなく、「ハングオーバー」シリーズの監督である
トッド・フィリップスが製作に携わっている作品。
日本では劇場公開されず、DVDスルーですが
おもしろかったです。いや、楽しかったというべきかな。
高校生版ハングオーバー的な。

イケてない高校生3人組のうちの1人の誕生日パーティーが舞台。
その様子を仲間の1人が撮影していたという
フェイク・ドキュメンタリー設定。
アメリカのパーティーって映画でよく見ますけど
そこに来る人であったり、パーティーの規模が1つのステータス。
主人公のボンクラたちは日々学校で冷遇されている訳ですが
この誕生日パーティーで、ひっくり返してやろうと目論む。
まーなにが面白いって、パーティーのインフレーション性!
最終的に取り返しのつかないところまで行きつく訳ですが
この映画がDJ的。(映画にもDJは出てきますが)
盛り上がりどころと落としどころをがイイ感じに設定されてる。
とくに警官が来るところは、一巻の終わりか?!と思うけど
そこからのカタルシスがハンパじゃないw
手持ちカメラ感も込みで
自分もそのパーティーに参加してるかのように錯覚する。
前半の楽しい展開でぐっと引き込まれるから
後半の恐ろしい展開も我がことのように思えちゃう。
1個1個のシーンで面白いところ多いので
パーティー見てるだけなんだけど、飽きない作りなのもナイス。
最後の無理矢理なハッピーエンドは「えっー!」って思いましたw
映画のつくりとしては、突っ込みどころ多いけど
イケイケドンドンで楽しいので、是非。

2013年7月18日木曜日

アウトロー



某先輩曰く、「今年は不作の中、アウトローが良かった」
と聞きつけて、ブルーレイで。
劇場で予告編は何回も見てて
そのたびに天の邪鬼精神を発揮し、絶対おもんないやろなー
と思っていましたが、想像していたものとは異なり
良かった!やっぱ見ないと分かりませんな…
劇場で見といたら良かったと後悔しました。

リー・チャイルドというイギリスの作家が書いた小説を
映画化したものが本作。その主人公の名前がジャック・リーチャー。
(原題はJack Reacher)
ある無差別事件について、その犯人の弁護士とともに
リーチャーが捜査するという話。
なんといっても物語全体のトーンが想像と全く違った!
予告編では、いかにもトム・クルーズの商業映画感を
ビンビン感じてたんですが、実際のトーンはかなり低め。
最初に起こる事件は単純なんだけど
冒頭5分弱、台詞なしで淡々とカッコよく見せながら
事件を見せるというのはいいなぁと思いました。
リーチャーは謎に包まれた超無敵野郎。
その無敵さを表現しながら、事件の捜査が進んで行くといった感じ。
僕が一番好きだったのは、狙撃練習場のおっさんとのバディですね。
特に採石場での最初の銃撃シーンは最高でした。
音楽なしで緊張感もありつつ、おっさんのファニーさもあるし。
その後の急に殴り合うところも最初は「なんで?!」と思ったけど
「そうや!こいつのことは殴り殺すって言ってた!」と思い出したり。
公衆電話から犯人に電話かけるところも
アホっぽいけど、シリアス。って感じで楽しい。

最後のリーチャーの選択も、一方的な正義感というよりも
これまでのリーチャーの言動を考えると納得できたっす。

私のようにトム・クルーズ映画と半笑いで考えている方は
是非見てほしいと思います。オススメ!

2013年4月29日月曜日

サイコ


現在上映中の「ヒッチコック」に向けて。
19か20ぐらいのときに、少し映画にかぶれはじめたときに
見ようと思ったけど、結局見なかったことを思い出しながら鑑賞。
約50年前の映画とは到底思えない…めちゃくちゃおもしろかった。
ヒッチコックが発明した映画撮影の手法は大量にあって
映画の撮り方を学ぶなら、学校に行くんじゃなくて
ヒッチコックの映画見て勉強しろ!というくらい。
(今では当たり前となっている主観ショットでさえも
ヒッチコックが発明したっていうのは一番の衝撃でした)

サイコは彼の作品群の中では超低予算なもの。
公開したとき、当時としては異例な途中入場禁止。
映画のオチを口外しない。とか。
ストーリーとしては、やりきれない毎日を生きる女性が
ひょんなことから金を横領してしまい、逃走劇から事件に巻き込まれていく。
サスペンスなので、中身あんまり言いたくないですが…
とにかくミニマルなんだけど、サスペンスとして必要な要素を
すべて含んでいるとでも言いましょうか。
得体の知れない気持ち悪さを映画からひしひしと感じました。
有名なシャワーシーンもしっかり気持ち悪いし怖い。
ラストショットの得体の知れなさも秀逸でした。
ブルーレイをレンタルして見たんですけど
特典がめちゃくちゃ充実してて
メイキング、著名映画監督による「ヒッチコックのここが凄い!」もあるし。
ヒッチコック映画、もっと見たいなーと思わされたし
今、公開している「ヒッチコック」も楽しみ。
なめたらあかん、クラシック。

2013年3月23日土曜日

南極料理人



横道世之介を見た帰りに借りました。
近所の映画館の横にはツタヤが隣接しているという
映画好きはたまらん作りなんですが
沖田監督作品全部見てみようということで。

2作連続で見た事で、沖田監督の味わい深さがよく分かりました。
結果、この作品も好きでした。

南極の基地でいえば昭和基地が有名ですが
さらに極寒の基地での料理人のお話。
下界とは隔離された中で男たちの生活が描かれる。
淡々とした生活の中で見られる男たちのじゃれ合い。
この部活感!多幸感!がホントいい。
あと料理ですよねー出てくる料理は特別なものではないけど
超おいしそうに見える。さらにその料理を巡って
人に料理を作ってもらうことの尊さを
ギトギトの唐揚げを通じて語るっていうw
美味しいとか美味しくないとかじゃないよと。
作ってもらうことのありがたみ噛み締めろよと。
(全然関係ないけど、
きたろうのラーメンのくだりも好きでしたw)
基本的に映画全体からは多幸感びんびんなんだけど
ちょろっとビターさを挟み込むって作風なんですね。
押しつけがましくないから、ボクはこの世界観好きなんだけど
嫌いな人は嫌いかも。オススメ。

2013年2月18日月曜日

キリング・フィールズ



マン氏の娘さん、アミ・カナーン・マンが監督で
クロエ・グリース・モレッツ出てるというのを知って見ました。
マン氏は製作に携わっていることもあり
悪くはなかったけど、、、うん…って感じでしたw

テキサスが舞台で、少女をターゲットにした連続殺人事件が起こる。
キリング・フィールズと呼ばれる携帯電話も通じないような湿地帯で
死体が見つかったり、犯人がそこにいると思われるような展開で話が進んでいく。
サスペンスなんですけど、マン氏の作品で感じられるような
ハラハラ感とか夜の街の美しさがなかったし、物足りなかったのは事実。
キリング・フィールズを生かした事件性が少なくて
この謎に包まれたエリアを上手く使えば
もっと良い映画になったような気がしてしょうがなかったっす。
おおまかに分けて2つの事件が平行して進むんですけど
その2つの事件が似たような中身なので
最後に実はアイツらがぁ〜みたいなことになっても
結局そこかい!というツッコミしかできない。
動機も見えにくいし、最後もなんかねぇ。
全体的に温度が低いなーという印象。
他の監督やったら全然ありと思うんですけど
やっぱりね、お父さんと比べちゃうと。。。

じゃあ、良かったところはというと…
クロエ・モリッツ!やさぐれカワイイ。
前に見たHickの設定も家庭環境が悪いものでしたが
なんか不幸感まとっていると、イイ!
あと女刑事の元夫への徹底的嫌悪感からの〜
最後の微々たる歩み寄りw
この設定やと、どこか組んでもおかしくないけど
その徹底っぷりはお見それしました。

クロエ好きにはオヌヌメ。

2013年2月6日水曜日

メランコリア



ラース・フォン・トリアー監督の最新作。
実はアンチクライストもすでに見たんですが
ここにレビューし忘れている。。
(宗教色が強過ぎて、なんもいえねぇ。。)
あとマイメンpeko君のレコメンもあり、ブルーレイで見ました。
ものすごい変な映画でした。良い意味で。
新しい形のディザスタームービー。

主人公は女性で、その結婚式から物語ははじまる。
彼女は鬱病を抱えていて、結婚式なのに乗り気じゃなくなってしまう。
結婚式は姉夫婦の豪邸で開かれていて
そこで繰り広げられる人間模様と
メランコリアという惑星が衝突する話。
これ読んだだけじゃなんのことか全く分からない。笑

冒頭アンチクライスト同様、美しい映像のつるべ打ちで
しかも、この映像はこれから起こることを示している。
だから、結末は分かってしまっている。
そこに至るまでを楽しむ映画なんですが
その過程がラース節全開。
そもそも結婚式とラース映画の特徴である
手持ちぶれぶれカメラの相性がよい。
冒頭の徹底した静止映像とのギャップもよいです。
主人公の彼女の気分に、周りが翻弄される様子が
まー最悪なんですよ。この最悪さを楽しめるか?で
好き嫌いが分かれると思います。
ここまでが半分くらいあって、惑星メランコリアの話はほとんど出てこない。
んで、残り半分でメランコリアが
地球に衝突する/しないで混乱する様子が描かれる。
普通混乱を描くなら
たくさんの人間が出てきて阿鼻叫喚というのがお約束。
でも、この映画では1家族+主人公という非常にミニマムな状況設定。
人数絞って、姉妹にフォーカスすることで対照的な作りとなり
真の絶望に直面したときに、人間がとる態度を
分かりやすく提示してくれたと思います。
どういうことかというと
平時の社会では、鬱病である彼女は扱いにくい存在。
けれど、これまでの価値観やコントロール不能な状況に陥ったときに
鬱病の人をハジく正常な人間はどれほど弱いか。ってことです。
状況一つで、人間性は大きく変わると言える。
と色々興味深く見たんですが、この終末思想には同意できなかったなぁ。
プロセスは好きでした。