2013年5月24日金曜日

ハナ〜46日間の奇跡〜



TL上でにわかに話題になっているのを見かけて。
渋谷のオーディオトリウムでポスター見かけたときに
ペ・ドゥナかーと思ってたら、上映終わってた。
けれど、虎ノ門の映画館で見れると知り、ソッコーで行きました。
この映画館っていうのが、また強烈で移動型の映画館が
神谷町のオフィス街のところに突然出現する。庭みたいなところにあるのです。


右奥のドームみたいなのが映画館。写真には入ってないけど
左側にはKIRINのビアガーデン、さらにはフットサルコートも。
まさに都会のOASIS.
映画館自体は50人くらいのキャパで、スピーカーも3つしかなかったけど
十分堪能できました。段差が結構ついているので見やすい。
普段はクラシック映画が多めで、1本だけ新作みたいな感じ。
東京在住の方は要チェック→リンク

肝心の映画ですが
多少どうかな〜と思う展開もあったり、ベタやな〜とか思っていましたが
後半約60分くらい涙腺崩壊して、ずっと泣いてました。すげー好きでした。
世界各地で民族紛争はたくさんあると思うけど
韓国と北朝鮮は特殊だと、改めて痛感しました。
よく言う話だけど、東京と大阪で50年くらい戦争してる感覚。
基本的には卓球を題材にしたスポ魂もので、そこに南北問題が絡んでいるつくり。
1990年代にKOREA統一チームとして、世界大会に出場するんですが
当然両国は文化も違うし、最初はクソ仲悪いんですよ。
でも、徐々に仲良くなっていくアノ感じ。
若者が主人公ということもあり、青春ビンビンなところはビンビン。
全体にコミカルなシーンが多いのが前半。
だから、後半のカウンターが痛くて、辛くて、苦しくて…

とても見て欲しいので多くは語りませんが
北朝鮮のスンボクという選手のエピソードがガン泣きでした。
最後の最後で、己に打ち勝つ姿は最高。
ペ・ドゥナとハン・ジウォンの友情もジワジワと時間かけ
卓球を通じて、お互いを認め合うプロセスは見てて胸キュンしまくり。
プライドの高い2人が協力して試合する姿は神々しくさえも見える。
でも、決勝の試合はそこまでカタルシスを感じさせないような
結構もたついた作りになっているんですね。
それは試合後に待っている現実問題を突きつけるため。
いやーもう泣きまくった訳ですが、ホントなんなんすかね?
いまだに戦い合って意味あんのか?って最近思う。
大人達の負の遺産を清算できるのは、これからの若い世代だと思ってるし
皆仲良くしよーぜ。と思います。
これから東京以外で、順次公開っぽいので是非!

中学生円山



仕事終わりに駆け込みレイトショー。
前作の「少年メリケンサック」はそんなに良かった印象ないけど
本作はとても好きでした。
大人が大金使って、全力でやることの尊さよ…
クドカンと言えば、朝ドラ「あまちゃん」も絶好調な訳ですが
松尾スズキ直系のしょーもなさは年々ジワジワ好きになっています。
BRUTUSの伊賀大介×クドカンの対談でも言及されていましたが
本作は超エクストリーム。映画の持つ自由度を最大限に活用してました。
今回は中学生の妄想という壮大なテーマなんだけど、クドカンとの相性がバツグン。
「少年メリケンサック」を見たときは、ちょうど映画見始めた頃で
不必要なリアリティラインを勝手に引いてしまってた自分がいました。
これはクドカン映画という祭りなんです。
そのモードで見れば、十分楽しい映画だと気付いたのは
25歳という年齢になったからかもしれません。。。
あと、この作品では円山という中学生を客観的に見るような仕掛けになっているのも
関係しているかも。(ナレーションがおじさんの声
まーシーンごとに挙げてたら、本当にキリがないくらい
くだらないシーンで構成されている映画です。
冒頭のヌーブラ祭り、坂井真紀とヤン・イクチュンのくだり
レスリング場で起こす奇跡のシーン、プールでの超甘酸、
屋上の間延びしまくったアクションからのぉ〜とか。
いつもそうだけど、配役がバツグン。
特に草なぎ君ですよねー普段TVで見かけても感じる危うさ、
結局何考えているか分からない感じはピッタリだった。
ちょっとマジか!と思うようなブラック演出も…
あとはヤン・イクチュン。「息もできない」の主演であり、監督ですが
クソ笑ったなーコメディ部分の引き出しを見れて一層好きになりました。
(「シバラマ!」も言っていました)
さらに遠藤堅司のillness。口数少ないからおとなしいとは限らないぜ!
どれをとっても1級品の配役。
舞台の脚本書いてた人ってどうしても説明的なセリフ多くなってしまうけど
今回のクドカンはビジュアルとセリフの合わせ技でオモシロくする
というのを意識してるなーとか勝手に思っていました。
物語全体のテーマとして「正義はそれぞれの中にある」という
ある種「SUPER」に近い落としどころは
上手く飲み込めなかったかも。。
というのも最近、己の正義を絶対として振りかざす人が多いから。
まーそんなことは些細なことで
「妄想が現実を超えるとき、それが真実となる!」というのは
すべての映画好きにとっての金言だと思います。
これから見てないドラマとか見返していきたいし
著作もいっぱい仕入れたので、読んでいきたいっす。


2013年5月20日月曜日

ロンゲスト・ヤード



ソフト化されていないカルフォルニア・ドールズを劇場で見逃し
反省しきりの中、ロバート・アルドリッチ監督の作品を見ようということで。
むかしの監督なんだけど、最近名前をよく見るので気になってました。
そんな彼の代表作である本作。
結果、最高やないかーい!この作品嫌いな男がいれば、そいつは漢ではなーい!
というぐらい男子映画でした。

過去にイカサマをしたプロアメフト選手(クルー)が刑務所に収監されて
ひょんなことから受刑者vs看守の試合を行うことに。
その試合までの過程と実際の試合を描いた物語。

大前提としてアメフトのルールを
ある程度知ってから見ないと、楽しさが半減します。
ですので、見る前にはググって調べてください。
構造としては完全に僕達が好きな
「持たざるものが知恵をつけて、圧倒的な敵に挑む!」
という作りです。

受刑者達はアメフトの素人だから
クルーがそれぞれの長所を見つけてスカウトしたり
便利屋、もう1人の元プロのチームの力を借りて
チームを強くしていく。
刑務所という色んなことが制限された状況で
DIY感ビンビンで上手くなっていくのが見てて楽しい。
黒人たちと意気投合してからの勢い。
皆が一丸になって「I got it!!」と力強く言うのとか超高まりました。
 看守達の卑劣ぶりがしつこいぐらい描かれているから
見終わった後のカタルシスがハンパない!
所長からの揺さぶりに対して、一旦負けてしまうクルーが
そこから自分の人生をかなぐり捨ててまで
その刹那にかける男気に惚れました。
(そこでのオッサンとのやり取りもスゲーいい!)
ラストのボール拾ってからの〜がしびれます。
次見るロバートアルドリッチ作品も楽しみになりました。

2013年5月19日日曜日

ジャッキー・コーガン



公開されてから時間経ってしまいましたが…
予告編から考えると、かなり肩すかしを食らいました。
でも、現実味のある設定、アクションやタイトな演出のおかげで
楽しんで見れました。(ギャング映画とは言いにくいかも…

ある2人が賭場への強盗に入ったことから
その2人および賭場の胴元を巡って、ブラピ扮する殺し屋が暗躍する話。
特徴として、会話シーンがかなり多いです。
映画内で起こる事件めいたことは3、4個しかなくて
そこに至るまでの会話+全編にわたって挟まれるオバマやブッシュの演説。
ブラピもイイ感じに歳とってるから、殺し屋の貫禄ビンビン。
バーで強盗の片割れを詰めるシーンが好きでした。
ジワジワにじり寄って、用済みになれば即排除。
あとラストシーンもバーですが、「Fuck pay me」がしびれました。
なんといっても、この映画の見所は
マーキーという胴元が撃たれるシーンの美しさですよねー
雨、夜、銃、銃弾、スローモーション、飛び出す血液
これらを組み合わせてできる最高にカッコいい映像だと思います。

そして、この映画は08年の金融危機(リーマンショック)の
メタファーになっているという構造を持っています。
ちょっと前に町山さんがこの映画に言及してるのを見て知りました。
詳しい話はコチラを参考に。
このような構造を持っていることを頭に入れて見ていたので
どれがどれなのかを考えるとかなり楽しめました。

北野武の初期作品のような冷たくて
理不尽な暴力を感じられる映画なので、その辺好きな人にはオススメ。
(予告編からの過度な期待は厳禁)

2013年5月15日水曜日

森崎書店の日々



正直邦画の新しめのものって情報少なくて
何見ていいか分からないので、DVDの予告をアテにしてて
それで見て、良さそうなので鑑賞。

最後の方まで相当好きだったんだけど
ラストの落とし方が…なので、ホント残念。。。

去年から電車に乗る時間が増えた僕は
人生で一番本を読んでいるbook highな状態です。
この精神状態なので響いたというのもあると思います。

主人公はOL。彼女は付き合ってると思っていた彼氏が
別の女の子と結婚すると知らされ、ショックで会社をやめてしまう。
そこから叔父の経営する古書店にバイトで働き始めて…という話です。

この主人公を菊池亜希子という人が演じてるんですけど
ナチュラルcuteで、この人の存在感なくして本作は成立しない
といっても過言ではない。いわゆる5億点。
意地悪な言い方をすれば、ある種メンヘラなところがあるんだけど
それがドンズバでハマっているし、表情で物語る切なさが最高。
客観的に見たら何でこんなしょーもなさそうな男に…
って思うけど、その現実性とか恋愛時の盲目さがいい感じでした。
(コインランドリーの前後半の対比シーンは相当好き)
周りのキャラもよくて、とくに内藤剛志、岩松了の2人。
岩松了は前から好きだったんですけど、なんといっても内藤剛志!
過去の出来事をあっぴろげにしないで
にじませるような形で見せてくれたのは、とても良かった。

そもそも彼女は全く本が好きじゃないんですけど
叔父さんを含む本好きな人との出会いや
神保町という街に影響を受けて本を読み始めるんですけど
本に対する初期衝動の感じ、分かる〜って勝手に共感してましたw
あとは神保町という街の力。街の魅力が伝わってくる。
街に出るときは撮影環境のためかカメラがハンディになって
ややぶれる感じも室内のシーンとメリハリがついて良かったです。

これが普通の本屋じゃなくて、古書店ってところもポイント。
古書店は店によって置いてるものが本屋よりもバラバラ。
つまり、何かを狙って買うというよりも
ふらっと入って、偶然の出会いで購入することが多いと思うんですよね。
最近は欲しい本に対して、最短ルートがいくつも存在しますよね。
Amazonとかメガ本屋とか。
そうじゃなくて、偶然の醍醐味であるとか
回り道をして見つけるオモシロさが古書店にはあると。
んで主人公の人生もそれでいいじゃない!ってなるのがナイス!

ここまで延々書いてきたんですが…
彼女の成長物語として考えると、どうしても最後が…
こんだけ好きなのに最後が…マンションのくだりが納得できない!
 
本好きな人は見てみてください。

2013年5月13日月曜日

L.A.コンフィデンシャル



L.A.ギャングストーリーを見た余韻そのままに。
同時代のマフィアと警察の関係を描いたものとして
町山さんが例に挙げていたので、見てみました。

すげーオモシロかった!
コレ見たら、やっぱりL.A.ギャングストーリーは物足りない…
この映画はミッキー・コーエンが捕まったあとの話で
警察vsマフィアというよりも、腐敗した警察がフォーカスされた作品。
物語全体を包み込む気だるさ。(イイ意味で
まるで底なし沼にいるかのような暴力の連鎖。
物語全体が結構複雑な構造で、ストーリー追っかけるのも楽しい。
「からのぉ〜」展開が多いしw
ラッセル・クロウとガイ・ピアースが主人公といってもいいんだけど
前者が本能で動くならば、後者は理性で動く。
水と油の2人が、ある娼婦をきっかけに結託するのが胸アツです。
終盤はこの2人で、悪に立ち向かうんだけど
まったく正反対の2人が協力する姿が好きです。
終盤でのバディになってからのラストのたたみかけは相当好きです。
そっからのエンディングもね…ビターな味わいでいいんですよ!
L.A.ギャングストーリーでほとんど描いていなかった
安易な二元論で語れない現実の重みを正面から描いているので
こっちを見て欲しいです。 Classic.

2013年5月12日日曜日

L.A.ギャングストーリー



朝イチでギャング映画をキメてみました。
空いててスクリーン独り占め状態だったので
家でくつろいで見る感じで鑑賞できました。
話自体には興味なかったけど、
エマ・ストーン、ライアン・ゴズリングの
「ラブ・アゲイン」コンビも出てるし、見てみました/
単純な勧善懲悪で、楽しく見ました。
舞台はLAで警察・マフィアの癒着が激しく
無法状態の1950年代前後。
ミッキー・コーエンというギャングがいて、街を取り仕切っている。
彼に対抗して警察の中でも買収されていないGangster Squadを結成し
ミッキーに全面戦争を仕掛ける物語。
別に何がフレッシュとか無かったけど、ハグレものクルーMovieはアガル!
(劇中ではハグレもの描写少なかったけど…)
メンバーそれぞれのキャラ立ちもしっかりしているし。
とにかくライアン・ゴズリングが死ぬほどかっこいい。。。
今回の役は結構気の抜けたタイプなんだけど
前半のあるシーンで超シビレマシタ!
そして、エマ・ストーンは安定の美しさ。
主役の巡査部長が熱血バカなところも
「こういうやり方しか分からないんだ」っていうセリフもあいまって
ランボーを想起しました。笑
ただ物語全体を通して、葛藤する場面が少なすぎるかな?
こういう癒着からむ話は単純な二元論で語れない側面があると思うんです。
でも、結構能天気というか、やっちまえ!な感じで。
本作は警察目線で描かれた映画でマフィアが一方的な悪という
描き方をしているけど、実際は警察も悪かった訳だし
そこ、もうちょっと描かないと映画の意味ない気がします。
なんでもキレイキレイするのは日本だけかなとか思ってましたが
アメリカでもそういう流れにあるのかなーとか考えたり。
まーでもアクションも順当にかっこいいし
スカーっとするからオススメです。

2013年5月11日土曜日

アイアンマン3



公開当初は激込みだったので、少し時間を置いて鑑賞。
もちろんIMAXで!やっぱりIMAXが何回見ても楽しい。
アトラクション的要素が強いので、映画というよりも
テーマパークで映像見てる感覚に近い。
肝心の作品はというと、好きだけど
好きじゃないっていう人の気持ちも分かるっていう
非常に微妙なものでした。監督が変わったのも関係あるし
この3作目の位置づけとして、この仕上がりかというのもあります。
そう思う理由としては、アイアンマンの物語というより
トニースタークという人間の話になっているからです。
1,2およびアベンジャーズではアイアンマンとして
フルスロットルで戦いまくっていた。
だから、それ求めてた人はガッカリすると思います。
物語全体が脱アイアンマンな作りだから。
(全体が回想形式でかっこ付けされているし、最後の花火のくだりもモロにね)
アイアンマンとして戦うのではなくて、
トニースタークが知恵使って、どうやって戦うかに面白みがあると思います。
最初はテロとの戦いみたいになって、なんかツマンねってなりましたが
中盤の展開で好感を持ちましたw (まぁ陰謀論ですが…
そこに至るまでのDIYショーのところも好きです。
終盤の大量アイアンマンのところも
それを取っ替え引っ替えするのはオモシロいし
アクションのテンポとも合っていたんじゃないかな〜と。
ここでも徹底的にアイアンマンが戦うというよりも
アイアンマンを「使って」 戦ってました。
私はフレッシュで好きでした。
ペッパーオチはさすがにゲンナリしたけどw
今回見て思ったのは、一連のアメコミシリーズの中でも
アイアンマンはコメディ要素が強いのがいいってことです。
ダークナイトみたいなシリアス系も好きだけど
トニースタークのシニカルキャラを中心として
ところどころ笑えるアイアンマンは愛おしい。
エンドロール後の展開が何を意味しているのかを含めて
間違いなく劇場で見ておいた方がイイですよ!

2013年5月8日水曜日

My Golden WEEK

このブログのことを、変態映画野郎のブログと思ってるんでしょ?
そんな人間がゴールデンウィークをどう過ごしたか、知りたいでしょう?
日記形式で振り返ったから、ご覧アレ。

5月1日
初めてグリーン車で帰阪。
儲かってしょうがない訳ではなく、ポイントというやつだ。
平日だったからかガラガラ。超ゆったり。
<道中の本>


1日なので、この日は映画館めぐり。
ガーデンシネマで「17歳のエンディングノート
TOHO梅田で「ヒッチコック
映画館をハシゴすることに何の抵抗も感じない最近です。
中身はレビューをご参考あれ。

5月2日
午前中は映画の感想を書いて、昼間は近所の茶店で本を読んでた。
夜からは先輩方と映画飲み。

楽しそうなセージと私。(rakawa氏から転載)
6時間近くほとんど映画の話。
皆好きな映画のタイプ違うし、映画に何を求めるかなど
とてもおもしろかったです。

<茶店で読んでいた本>


5月3日
午後から世界最高のパーテー、Do Overへ with ナオ君
天気もよかったし、昼間からサングリア飲んで
だだっ広いところでGood Music聞けるんだから言うこと無し。
ちょうど行ったときには、Soulで一番好きな曲といっても過言ではない
Mazeの「Before I let go」かかっててガン上がりでした。
#BCKRMのMamoo君、Rootwax君(ステッカーありがとう!)
seiho君、ファラ神様、ホシノコプロ君とも遭遇。
ふらっと遊びに行って、色んな人と偶発的に会うのは楽しいね。
ナオ君がNeil AmstrongのDJ聞きながら
「コイツ絶対オレとタメやわ〜」と言っていました。
DJ KENSEIの前にescapeして、NOONのアマチュアナイトへ。
マツマエ君がThe Most illestであることを再確認。
peko君と映画版「ふがいない僕は空をみた」の HIPHOP性を共感。
適度にYassoしたのち、疲労困憊で帰りました。

5月4日
TLを眺めていたらタクシードライバーが35mmフィルムで見れる!
との情報を見つけ、ソッコーで塚口へ。初サンサン劇場。
スタンダードサイズでの上映で、正方形の画面でした。
上のリンクにある西川美和監督の本でも
フィルム、デジタルの違いがほとんどないことが言及されてましたが
コレはフィルムで見れて良かったです。
色味とか質感とかが暖かく感じました。幻想かもしれないけど…
(詳しいことはサンサン劇場のブログを見てね→ リンク
好きな映画を映画館で見るってこんな楽しいのか!と発見。
バーナード・ハーマンのあのテーマが鳴り響いただけで
血湧き肉踊りました。You talkin' to me? 

5月5日
祖父母の家へ。You Only Live Once.

といった感じでした。
結局映画ばっかりといえば、映画ばっかりだったかも…
書を捨てよ、町へ出よう!の精神で今年度は生きていきたいです。

2013年5月7日火曜日

天然コケッコー



山下敦弘監督作品。
昔は青春モノをメタ視点で見ることがなかったんですけど
(自分自身を完全に投影するから)
働き始めてから、邦画、洋画問わず
青春群像劇の刺さり具合が、ハンパじゃねえ!
勿論この作品にもkillされました。。
青春時代における色んな瞬間の切り取り方が最高です。
簡単にストーリーを説明しますと
主人公の夏帆が住んでいるのが、ド田舎。
小中学校で合わせて5人ぐらいしか居ない。
そこに東京から岡田将生が転校生でやってくる。
その学校での話や村の中での人間関係が描かれる。
題材自体は連続ドラマで扱いそうな話なんだけど
1つ1つのショットの捉え方、その質感など
映画ならではの魅力が溢れていると感じました。
なんといっても映画全体を支配する多幸感。
そこに影(誰も持っている人間の嫌な部分)が一瞬さす感じ。
とても好きです。こういうのが。
田舎暮らししたことないから、共感ではなかったけれど
未知のものを自分の中に取り込んでいく姿が超愛おしい。
この映画見ると、その初期衝動の部分が揺さぶられる。
それを体現するのが夏帆さんですよ。この映画の夏帆、10億点です。異論は認めません。
シャンプーのCMのイメージしかなかったけど
「みんな!エスパーだよ!」のドラマ版でも好演してるし
もっと映画とかドラマで見たいですね。(単純に見逃しているだけなのか…
他の脇役もビックリするくらい豪華なんだけど
あくまでメインは子どもの話でブレないところもナイス!
岡田君はちょっと感じ悪い役のとき、とても好きです。
ラストも教室のショットが抜群な上に
エンディングの、くるり『言葉はさんかく こころは四角』 のドンピシャ感。

心が荒んだときに見たらイイですよ。

2013年5月6日月曜日

ヒッチコック



TOHOシネマズ梅田にて。
先日しっかりサイコを予習で見て、やっと鑑賞にいたりました。
サイコの特典に付いてたMaking of Psychoを見ていたから
すんなり見れました。映画メイキングものなんだけど
しっかり物語になっていて、かなり楽しめました。
この映画を見る前にサイコを見ることは必須です。
見てるか/見てないかでオモシロさが雲泥の差になるかと思います。
Makingでは語られていなかった奥さんとのエピソードに
かなりフォーカスが当たっている作品。
サイコは彼の最大のヒット作なんだけど
撮影費用は彼の自腹で撮影されたため、超低予算。
1つ前の作品が「北北西に進路を取れ」で、これはザ・ハリウッド映画。
 パラマウントとの契約でも、そんな感じの映画撮れば良かったのに
サイコの原作に魅せられて、映画化したい衝動に駆られる。
当時60歳のおっさんが今まで乗ってきた安定路線じゃなくて
本能的に作りたいと思ったものを作る!
これが「でも、やるんだよ!」精神ビンビンで最高でした。
あとヒッチコック映画から滲みでるillnessがどっからくるのか?
それは本人の持つillnessであることが伝わってきました/
映画makingものでありながら、夫婦ものでもあるっていうのが
面白いポイントだと思います。
結婚して仲が良いか/悪いかも分からない状態で
お互いを疑心暗鬼に思うことは山ほどある。
でも何故2人でいるかといえば、映画という共通項に関して
お互いがリスペクトしていること。
ラストにかけて、それがひしひしと伝わってくる。
アンソニーホプキンスのハマり具合もナイス。かわいい。
特に、先行上映中のときのリアクション。
テーマに合わせて指揮を取ったり
劇場の反応を覗こうとするけど、覗かないとかw

映画を作る衝動、もっと突き詰めて言えば、人がモノを作る衝動。
そして、その先の産みの苦しみをダイレクトに感じることができる
素晴らしい映画です。サイコとセットで是非!

17歳のエンディングノート



ダコタ・ファニングをスクリーンで見たくて飛び込み。
梅田ガーデンシネマにて。
タイトル見ただけで、ダコタが死ぬ話なんだろなー
と分かってしまうというね(原題はNow is good
いかんせんタイトルにエンディングノートって入っていると
砂田監督の大傑作を想起するし、ホント意味のない邦題ヤメたほうがいいよ!
内容は『死ぬまでにしたい10のこと』をかわいらしくした感じでした。
最高!って訳ではなかったけど
各シーンでは好きなところがありました。

ストーリーとしてはダコタが白血病で余命幾ばく。
人生にやり残しがないようにリストを作っていると。
そのリストにはillegalなものが含まれてたりして
家族を困らせる。(万引き、ドラッグとか
両親は離婚してて、ダコタが何かしでかす度に
父親が叱るんだけど、「どうせ死ぬんだからいいじゃん!」っていう
ラストワードを突きつける。
自由奔放な行動を取り続ける彼女は、隣人のアダムに恋に落ちる。
彼と過ごす時間を優先する。
この背景には父が過度の心配による束縛、
母は関心が低いってのがある訳ですが。。。
んで、このアダムとの恋愛物語が甘酸100%で好きでした。
アダムの感情の微妙な機微もおもしろかった。
好きなんだけど、失うことの怖さが先行する感じ。
あと、リストの中身も変に大人びてなくて
高校生が短絡的に考えそうなことばっかりなのも好感持ちました。
親友の妊娠の話も、保守アメリカ的な考えでもあるんだけど、
「生」と「死」の対比に持ち込むことで
変なイデオロギーにしていないところがナイスでした。
一番好きなシーンはやっぱラスト。
今まで仲悪かった家族が彼女の死をきっかけに
もう一度仲良くなるところ。
せっかく家族がもう一度始まりそうなのに、そこに自分がいない切なさ…
この描き方がとても好きでした。

ただ、どうしても納得できないことが2つ。
1つは死因が白血病ってこと、もう1つは彼女が治療を拒否した理由。
白血病でもう助かりません。って
骨髄移植云々のくだりがないと納得できないし
彼女の死に対する達観した感じも納得できなかったな〜

こういう映画を見て、死について真剣に考える。
そしてダコタ・ファニングはkawaii

恋愛睡眠のすすめ



ミシェル・ゴンドリー監督作品。
某先輩に数年前に進められて放置したましたが、やっと拝見。
おもしろかったです。
けれど、彼の他の作品と比べるとそこまで…って感じでした。

ガエル・ガルシア・ベルナルが主演。
メキシコに住んでた彼が母のいるフランスに戻ってきたところ
隣人の女性に恋に落ちるという話。
話自体は単純なんだけど、そこはミシェルゴンドリーなりの脚色。
タイトルにもありますが、睡眠=夢の話がとても多い。
そして、夢遊病に近いんだけど、ちょっと異なっていて
逆夢オチとでも言いましょうか。夢と現実がリンクしてしまう。
その夢の中が彼特有のDIY感全開の世界観なんですね。
得意のストップモーションアニメーションも多用。
映画の冒頭で夢の構成成分を語ってくれるんだけど
これはフレッシュでおもしろかったし、非常に納得しました。
物語中で語られる夢はすべてこのメソッドに準じてるし。
夢は最高で、現実は思い通りにならないという真っ当な結論でした。
ベルナルのボンクラ感が最高なので、それを楽しんでください。