あと今年はShow Me The
Money(SMTM)をほぼリアルタイムで楽しめたのも良かった。完全にお祭りで賛否含めて皆でワイワイ言いながら楽しめるまさに今の時代のコンテンツだと思う。終わったあとのOne
WayでのREMIX合戦も最高でいろんなラッパーが自分のスタイルで同じトラックに様々なアプローチしていく。これもまた皆でワイワイ言える要素になっていて、ヒップホップの要素をなるべく薄めることなく、かつバラエティとしてオモシロい、本当にギリギリのバランスの番組だなと思う。実際100曲を選ぶ際にも、番組によって愛着をもっているゆえに10%くらいSMTMの曲になってしまった… 上にあげたとおり歌詞のおもしろさをもっとダイレクトに理解できるようになりたい欲が出てきているので来年は韓国語を真剣に勉強したい!(願望)
1、2章はリアリティショーと視聴者の関係性について考察していて、ここが一番オモシロかった。具体的には「サバイバー」「アメリカンアイドル」なんだけど、これが今のリアリティショーの土台になっているのだなとよくわかった。リアリティショーはコンテンツそのものだけでは到底成立しなくて、視聴者による積極的参加が大事であり、そのためにはさまざまな仕掛けを用意して常に飽きさせることなく議論となる話題を提供し続けなければならない。ボケとツッコミの関係に似てるなと思うし、番組のファンになった場合、そのロイヤリティの高さは他の番組とは異なるのでプロダクトリプレイスメントが積極的に行われるという話はなるほどなーと勉強になった。(実際Show Me The Money内でスプライト何回も出てきて飲みたくなった自分がいた)
原題が「Weapon of Math destruction」直訳すれば数学破壊兵器。機械学習、AIのアルゴリズムやモデルを皆さん盲目的に信じすぎやしてませんか?そこにはこれだけのリスクがありますよ、と警告する内容でオモシロかった。2年ほどデータアナリストの端くれとして小売業のビッグデータ解析に基づく最適化みたいな仕事をしていたので著者の主張に納得する点が多かった。当然データをあげた分、ポイント等で見返りはあるのだけど、そのデータと見合っているか?みたいなことはよく考えてしまう。本文にもあるが「プライバシーの保護は裕福な人にだけに許される贅沢になっていく」のだろう。(まさか政府まで似た手口で個人情報を入手しようとする時代が来るとは思わなかったけど)全く情報を出さないで生活するのは不可能だから、ときにこういった本を読み立ち止まって考えたいと思う。
読んでいて一番強く感じたのは、野村訓市がJ-Waveで毎週放送している「Traveling without moving」というラジオ番組との近似性。リスナーから届く旅行にまつわる思い出メールが番組内で読まれるのだけど、バックパッカー談が読まれることが多い。本著もアメリカの周縁で当てもなくふらふらと流れに任せて旅行する、というのはバックパッカーっぽいし、観光地ではない場所で立ち上がる思いが率直に書かれている点が似ていると思う。(ときににじみ出るポエジーも含めて)また街で出会った初対面の人との様々な会話が収録されており、これが旅の醍醐味だよなーとコロナ禍の今だととても贅沢に見える。すぐに会議したがったり、出社を要求する人を「大事なことはface to faceでしか伝わらないよな」と言って揶揄したりするけど、face to faceのオモシロさが存分に詰まっていた。
何よりも最高だったのは表紙にも使われているISSUGI vs T-Pablowのバトル解説。MCバトルそんなに追っかけていないけど、このバトルだけは事あるごとに見返す最高のバトル。何が最高かってお互いのヒップホップイズムを賭けた戦いだから。単純に韻の数、フロウの巧みさだけでは評価できない空気が醸成されていて、どちらも間違っていないし、それぞれかっこいい。2人とも身の丈に合わないハンパなことは言わないし、えぐいラインが両方からバンバン出てくる。こういうバトルが見れるなら、まだまだMCバトルは見たいと思える。
タイトルが肝であくまでMCバトル史は補助輪であり、直結している日本のヒップホップとの関係性に各章で必ず目配せしている。MCバトルが巨大産業となり音源で構成されるシーンとは別のファンダムが形成されるのに対して筆者がなんとかしてヒップホップという1つのファンダムにしたい意思を強く感じた。(実際、著者がコミットしていたKing of kingsという大会は、その分断に橋をかけようとする試みの1つ)なんだかんだ言ってているものの、やっぱりフリースタイルバトルは新しいラッパーの登竜門であることを歴史が証明しているので、今後もなるべくウォッチしたいなと思えた1冊。
4月19日 午後ほぼ全部会議で疲弊…昨年度にはなかった疲労感。やってる感出したいなら一人でやってろや案件だった。cold_brew_us聞いて朝井リョウの最新刊がめっちゃオモシロそうなので読まないとなーと思う。相当クラシックっぽいので本でいくか電子書籍でいくか。。。 引っ越しで物を詰めているのでデスク周りが簡素になっているのだけど、ちょうどイイ気がする。普段物多すぎて汚すぎるのだなと反省。 AJ Tracyの新譜がテンションぶち上げ系で最高。UKは本当に独特のヒップホップカルチャーが形成されているのだなと思う。一聴して「これUKっしょ?」と分かる感じ。こないだのchipも然り。ダンスビートとの融合が本当に素敵。