2014年1月7日火曜日
SAVE THE CLUB NOON
渋谷で上映しているのを知ってたんですが、
遅い時間の1回上映で足が遠のいていました。
しかし、大阪に帰ったときに十三で見れると知り、駆けつけました。
一昨年の7月に行われたSAVE THE NOONというイベントの模様と
NOONの関係者、イベントに出演したアーティストへの
インタビュー形式で風営法の話を聞くというドキュメンタリーです。
そもそもNOONって何やねんという話ですが、
大阪の老舗のクラブです。
僕は20歳ぐらいから遊びにいってましたし、
何回もDJさせてもらった思い出のクラブです。
そして、仲の良い友人、先輩の多くはここで出会った人ばかりです。
ゆえに、このクラブが風営法で摘発されたとき、
とても悲しかったし、怒りも沸きました。
風営法は戦後すぐに制定された法律で、
客が踊れるような設備を持っていた場合などに
事前に申請する必要がある法律です。
(詳しいことはwikipediaを見てみよう!)
この時代にマッチしていない法律を変えるため、
Let's Dance署名活動が展開されて、
それを促進するのがSAVE THE NOONというイベント。
このイベントはNOONにゆかりのあるアーティストが
山ほど出ていて、超豪華。
そんな彼らのライブはもちろんのこと、
風営法を含むクラブに対する色んなスタンスを
見れるのが本作最大の魅力だと思います。
クラブには皆でわいわい楽しめる楽しさもあるし、
知らない音楽、人と出会える楽しみもある。
その土台が実はグラグラしてたんだってことを痛感しました。
風営法に対するスタンスとしては
ファックバビロン!的なスタンスもあるし、
もっと建設的な意見もある。
一番うわーとなったのは、いとうせいこう氏の話。
最近、せいこうさんの小説を読み進めているんですが、
この人の先を見通す力って本当にハンパない。
人間の本能的な行為でもある「踊る」ことを禁じられて、
それを許容していれば、どんどん色んなことが制限されていく。
秘密保護法とか最たる例やなーと。
それを世界史レベルの国家観から語られたときに
はっ!としました。
自分の持っている権利に対して、
もっと能動的にならなければならないなと。
当然なんですが、オーナーの金光さんの話が一番説得力があります。
NOONが摘発されたときに
「なんで風営法申請してなかったのかな〜」と思っていたけど、
その辺もこの映画でクリアになりました。
当事者の証言は時代考証としても貴重。
ただ、この映画が2012年当時の記録映画でしかないっていうのが、
もったいないといいますか。。。
風営法の話は現在進行形なのに、リアルタイム性が少ない。
その夜の出来事を描いた作品としては素晴らしいと思いますが、
やっぱり「今」の話を聞きたかったというのが本音です。
あまりクラブに行ってないけど、
色々ときっかけになる映画だったし、
大阪で見たことは忘れられない映画体験となりました。
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Movie Review_2013
2014年1月2日木曜日
キューティー&ボクサー
これも去年の見逃していた分。
予告も見ていたし、主人公であるギュウチャンの
ライブペインティングをNHKのあさイチで見ていたので、
興味を持っていました。(番組内での異物感が凄まじかったけどw)
さらに想田監督のpushもあったので、当然のごとく見に行きました。
前衛芸術家であるギュウチャンこと篠田有司男と、
その妻である乃り子のNYでの日常生活に密着したドキュメンタリーです。
2人のアーティストとしての側面はもちろんなんですが、
一夫婦としての側面がとんでもなくオモシロい作品でした。
ギュウチャンは齢80にして、現役バリバリのアーティスト。
ボクシングのグローブに絵の具つけて、壁を殴って描いたり、
ダンボールで作ったオートバイというのが代表作品。
40歳のころに渡米して、ずっと一線で活動しています。
妻の乃り子も絵を描くアーティストなんだけど、
彼女は妻であり、一児の母でもある。
そこでの葛藤も踏まえつつ、NYでの生活および
これまでの2人の歴史を振り返りながら、話は進みます。
NY在住のアーティストという言葉の響きだけだと、
優雅な生活を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
実状は全く異なっていて、家賃や光熱費の支払いも
ままならないくらいの生活をしている。
ギュウチャンはその現状を認識していないけど、
家計を担っている奥さんは必死な訳です。
それが一番顕著なのが、グルノーブル美術館のバイヤーがやってくるシーン。
一番、現実問題が露呈するから見てて辛かった。
ギュウチャンは自分勝手に生きてきた一方で、
奥さんは妻としての役割や、母としての役割を果たしながら生きてきた。
アーティストにとって、「妻」や「母」の役割をこなすことの
辛さや重みを彼女の語りと当時の映像を交えながら描いています。
重要な役割を果たすのが、乃り子が劇中で描いている作品。
彼女とGYUZOのこれまでを日本絵巻っぽいタッチで描いている。
これをアニメーションにすることで、
単なる過去の回顧になっていないのがオモシロいところです。
ある種の萌えというか、おじいさん、おばあさんを
愛でる気持ちが初めて僕の中で芽生えましたw
とにかくphotogenicでかわぅいいい!
冒頭の誕生日のくだりしかり、
何気ない夫婦の日常なんだけど、どこか愛おしく感じる。
この作品の最大の特徴が2人の話す言葉で、
NY在住歴が長いので、日常会話で日本語と英語がないまぜ。
高等なルー大柴みたいになっていますw
終盤で放たれる「I need you」で、僕は泣きました。
一番好きだったのは、
ギュウチャンがキャシー塚本ばりに、ご飯を作るシーン。
作り方から食べた後の奥さんのリアクション含めて笑ってしまいました。
こういった日常描写の細かい積み重ねによって、いつのまにか2人の虜に。
そっからのラストショットの神々しさは唯一無二。
色々と述べてきましたが、この2人の生活は豊かに見えるんですね。
人生におけるプライオリティ論になったときに、
お金だったり、時間だったり、人それぞれ回答があると思いますが、
少なくとも僕はこの映画を見た限り、
一番はお金じゃないなーと感じています。
(彼らはもちろんアートでしょう。)
そして、結婚した赤の他人が2人で生きていくことの
楽しさや大変さがよく分かりました。
もちろん、クリエイターにもオススメですが、
誰にでもある普遍的な日常の話でもあるので、
見た目で敬遠せず、是非見てくださいませ。
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Movie Review_2013
2014年1月1日水曜日
バックコーラスの歌姫たち
2014年の映画初めとして、見てきました。
去年もそうでしたが、昨年分の取りこぼしを
この時期に見ておくというのが習わしです。
予告編は見てなかったですが、
タイトルが気になって見てみました。
ドキュメンタリーで、バックコーラスの女性と、
著名人のインタビューで構成されており、
そこからバックコーラスの歴史を紐解く映画でした。
著名人が豪華メンツで、
スティービー・ワンダー、ミック・ジャガー、
スティング、パティ・オースティンなど。
彼らのコーラスを担当していた女性が主な語り部です。
冒頭、ルー・リードの「Walk In The Wildside」が流れます。
その歌詞の中に「And the colored girls say」
というフレーズがあって、それキッカケで映画が始まります。
この曲大好きで、なんべんも聞いてますが、
あるコーラスの方が語る視点がFRESHで一気に心を掴まれました。
原題は20 Feet from Stardom。
バックコーラスと主役の歌手との距離は物理的には近いけれど、
そこには愕然とした差があることを痛感させられます。
つまり、単純に歌が上手いだけではなく、
自分がなにをしたいのかという目的意識、
そして時代の流れ、運を味方につけなければスターになれない。
おばさんから若い人まで、色んな時代の歌い手が出てきて、
それぞれのヒストリーを語る訳ですが、無類に面白い!
とくにローリングストーンズにコーラスで参加したことのある、
リサ・フィッシャーとメリー・クレイトンの2人は
エピソード、語り口も含めて最高。
イギリスのロックバンドとコーラスの関係性について、
初めて知ることが余りにも多過ぎて、目から鱗でした。
(David BowieとLuther Vandrosの関係は
心底ビックリしました)
今、バンドライブでコーラス隊がいる場合は
大抵黒人女性が多いかと思いますが、初めは白人女性のほうが
時代の趨勢的にも多かった。
そこへ黒人女性が教会で身に付けたゴスペルの力で参入してから、
今の流れがあるんですね。
白人のコーラスと何が違うかったかといえば、
楽譜通りにただこなすだけではなく、自分のソウルを込めるんだと。
その彼女達の気高さは超かっこいい!
教会のゴスペル出身の人達が、
コーラスにフィットできたことへの考察も興味深くて。
単純に歌が上手いだけではなく、
教会で歌うという行為は多くの人と空間を共有し、
音楽を楽しむことに長けていたのが最大の理由な訳です。
そして当然のことながら、
劇中では色んなコーラスの人の歌声を存分に味わうことができます。
テクノロジーが発展する最近ですが、
素晴らしい歌声を聞いて鳥肌が立つ感覚は
何物にも代え難いことだなーとも思いました。
原題からも分かるとおり、
コーラスやってる人独自の悩みが本作で一番面白いポイントです。
大勢の観客がいるステージでうたうことはできるけど、
あくまで脇役というアンビバレントさ。
その点で常に葛藤しながら、みんな仕事をしている。
そして、本作に出演している多くのコーラスの方は
有名なミュージシャンの作品やライブに参加したのちに
デビューしているんですが、ほとんどが鳴かず飛ばず。
単に歌が上手いだけではスターにはなれないってことが
著名人や本人へのインタビューで明らかになっていきます。
つまり、夢をあきらめた後の話。
リアルな「ばしゃ馬さんとビッグマウス」の話とも言えるでしょう。
そして、コーラスからスターになる難しさは
現在でも存在していることが、
ジュディス・ヒルというシンガーの話から分かる。
(彼女はマイケルのTHIS IS ITツアーのコーラス担当)
中盤から後半にかけてはこれらの葛藤について、
描かれていますが、最後はそういったものを経てからの
雑味成分ゼロの最高のセッションが聞けます!
そっから、ダーレン・ラブというシンガーに起こる出来事で
終わるエンディングは救われる形でした。
ソウル好きはもちろん、音楽好きにはたまらない作品ですので、
興味ある方は是非に!
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Movie Review_2013
2013年12月23日月曜日
2013 Movie Ranking
- ミッドナイト・ガイズ
- 地獄でなぜ悪い
- ウィ・アンド・アイ
- そして父になる
- ハナ〜46日間の奇跡〜
- ウォールフラワー
- ペーパーボーイ 真夏の引力
- シュガー・ラッシュ
- 恋の渦
- クロニクル
- はじまりのみち
- ゼロ・グラビティ
- ばしゃ馬さんとビッグマウス
- パシフィック・リム
- セブン・サイコパス
- 舟を編む
- 四十九日のレシピ
- ルビー・スパークス
- インポッシブル
- セデックバレ
- 共喰い
- 凶悪
- エリジウム
- ライフ・オブ・パイ / 虎と漂流した227日
- 風立ちぬ
- ジャンゴ 繋がれざる者
- 選挙2
- ゼロ・ダーク・サーティー
- プレイス・ビヨンド・ザ・パイン
- 世界にひとつのプレイブック
- 夏の終り
- 夢と狂気の王国
- キャプテン・フィリップス
- モンスターズ・ユニバーシティ
- かぐや姫の物語
- ヒッチコック
- 横道世之介
- 中学生円山
- アフターショック
- ベルリンファイル
- イノセント・ガーデン
- 悪いやつら
- きっと、うまくいく
- エンド・オブ・ウォッチ
- クラウド アトラス
- サプライズ
- トランス
- ルーパー
- フィルス
- グランド・イリュージョン
- 自由と壁とヒップホップ
- もらとりあむタマ子
- 96時間 リベンジ
- アイアンマン3
- 悪の法則
- ブリングリング
- マラヴィータ
- テッド
- アイアン・フィスト
- ウォーム・ボディーズ
- ワールド・ウォーZ
- ムード・インディゴ うたかたの日々
- 鈴木先生
- 10人の泥棒たち
- エンド・オブ・ザ・ワールド
- ハングオーバー!!! 最後の反省会
- 許されざるもの
- 華麗なるギャツビー
- ムーンライズ・キングダム
- 麦子さんと
- キャビン
- L.A.ギャングストーリー
- ジャッキー・コーガン
- 17歳のエンディングノート
- アップサイドダウン 重力の恋人
- キャリー
- ハッシュパピー バスタブの少女
- アフター・アース
- リアル 完全なる首長竜の日
- マン・オブ・スティール
- キッズ・リターン 再会の時
- ガッチャマン
全部で82本でランクづけした次第でございます。
正直、下から10本くらい以外は
すべての映画に思い入れがあるし、好きな部分があります。
だから、下だからどうとかは気にしなくて良いと思います。
(だったら、順位付けすんなやという話ですがw)
リンクつけてますので、見終わったあとに、
僕の感想を読んでみるのがオススメの使用法です。
異論・反論・オブジェクション色々あるかと思いますが、
それがあるのも映画を見る楽しみの一つだと思います。
この中から皆様が好きな映画に巡り会えますように。
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Movie Review_2013
2013年12月22日日曜日
麦子さんと
吉田恵輔監督最新作。
過去作はもちろんのこと、
こないだ公開になった「ばしゃ馬さんとビッグマウス」も大好きだし、
本年の締めとして、見に行きました。
ばしゃ馬さんのほうが好みでしたが、
本作もなかなか考えさせられる作品でした。
ただ、同テーマで考えると「四十九日のレシピ」のほうが断然好き。
主演が堀北真希で、麦子さんを演じています。
兄は松田龍平で、2人で慎ましく暮らしている。
そこへ長らく会っていなかった余貴美子演じる母親が現れて、
同居生活が始まるものの、突然その母は亡くなってしまう。
麦子さんは納骨のために訪れた母の故郷で、
これまで知らなかった母のことを知り、
自分にとっての母という存在を見つめ直すという作品です。
麦子は声優を目指すアルバイターで、
日常生活にこれまで一切存在しなかった母親という異物を、
どう扱っていいか分からず、困惑する姿が前半で描かれます。
母親ウザイあるあるが続いて、24年間実家にいた身としては
「あーわかるわー」という共感しまくり。
母親がウザイといって遠ざけるのは、
すぐにはいなくならないという前提だと思いますが、
本作では唐突に母親がガンで亡くなってしまう。
兄の松田龍平は母との思い出があるため、
死を受け入れる訳ですが、麦子には
母との思い出どころか記憶がないから、感情の処理の仕方が分からない。
でも、納骨のために訪れた母の故郷には、
間違いなく母が生きていた証拠がこれでもかと残っているし、
母の若い頃が麦子そっくりということも
自分が娘であることを否が応でも自覚させられる訳です。
さらに追い打ちをかけるのが、母の友人ね。
彼女も麦子の母親同様、離婚していて子どもと離れて暮らしている。
その姿を生きていた頃の母親に重ね合わせてしまう。
そこで逡巡する麦子の姿が愛おしい。
感情表現が不器用な感じを堀北真希がイイ感じに演じてました。
終盤で、その感情が爆発するんですが、心痛みました…
本作は箸休めの小ネタの充実っぷりもナイス!
母と喧嘩しているときに流れるアニメ、
母の友人のBL趣味、ふせえりの拾い食い。
「うわ…」と息詰まることやらせたら天才ですよ、吉田監督。
赤いスイートピーがテーマソングなんですけど、
焦らして、焦らしてからの〜最後ドーン!は
世代じゃない僕でもカタルシスを得ました。
母親のことを大切にしようと思える映画です。
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Movie Review_2013
2013年12月21日土曜日
かぐや姫の物語
今年の映画は今年のうちに。
ということで、きっちり見逃さないように見ておきました。
僕らの世代は宮崎駿ジブリで育った世代なので、
高畑勳監督にそこまで思い入れがなかったのは、つい最近までの話。
「夢と狂気の王国」を見て以来、もう興味ありまくり。
ハヤオがここ10年近くヒット作連発してた中で、
イサオは本作を10年近く作り続けていたというね。
(風立ちぬ、かぐや姫見た人は「夢と狂気の王国」は必見です)
この辺ふまえて見ると、味わい深いし、
日本国民全員が知っている竹取物語を
こういった形でアウトプットするだなんて…
とんでもないものをオレは見ている!感を終始感じる作品でした。
ストーリーの概略は皆様ご存知のとおりで、
竹から産まれたかぐや姫を爺と婆が育てて月に帰る話。
これを葛藤をふまえた少女の成長物語、
ひいては人の生死の話にまで昇華させている。
婆の声は宮本信子がやってて、ナレーションも担当。
宮本信子のナレーション×少女成長物語といえば、
あまちゃんを想起し、パブロフの犬状態で涙腺ゆるゆる。
前半は山での原始的な生活の中で、かぐや姫が躍動する姿を見れる。
ふわっとしたタッチなんだけど、メリハリが効いてて、
生命力がみなぎった表現でした。
周りのカキワリの顔は適当に書いてるんだけど、
登場人物の表情はめちゃくちゃ豊か。
というか半分笑かしにきてんのか?と思えるくらい。
(子どもと爺の「姫!」のかけ声のくだりは爆笑!)
山にどんどん馴染んでいくんだけど、
後半は都へ引っ越すことになります。
はじめは広い家、綺麗な着物に喜ぶんだけど、
ノイズが排除された都での生活、
爺の言葉を限れば「高貴」な生活の中で、
生きているという実感を見失ってしまう。
どんどん都のルールの中に押し込まれていくかぐや姫の窮屈さ。
現在の社会は都に近い構造だから、前半の豊かさとの対比で、
「お前ら、その生き方でいいんか?」と問うてきてるかのごとく。
かぐや姫が我慢できなくて逃げる夢のシーンの
水彩画アニメーションは圧巻だったなぁ。
文明vs自然な構図が見えてきたわけですが、
そっからの落とし方が、もう壮大というか。
画の力も伴って、圧倒的過ぎた!
うおーと思いながら、捨丸と街を浮遊するシーンで
理由も無く、ぼろぼろと泣いてしまいました。
あんまり咀嚼しきれてないけど、
生きてることの豊かさを感じられる作品でした。
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Movie Review_2013
2013年12月17日火曜日
キャリー
デパルマ版を見てから見ようと思っていたけど、
間に合いそうになく、先にこのリメイクを見ました。
そして、デパルマ版を見て感想書こうと思っていたら、
もう年の瀬に…
比較しないでFRESHな気持ちのまま綴ることにしました。
デパルマ版に思い入れある人は
「こんなのキャリーじゃない!」となるみたいですが、
そんなにボロカス言うほどのものでもないかなと。
分かりやすいし、変にこねてないから、
ホラーとして十分楽しめました。
なんといっても、主人公のキャリーを
クロエ・グレース・モレッツが演じてるというだけで見る価値ありでしょ!
敬虔なクリスチャンを母親に持つキャリーは
抑圧されて育ってきたが故に地味で内向な少女。
学校には友人もいないし、いじめの対象になっている
水泳の授業風景から始まるんですが、
クロエのスクール水着が見れる!(not ロリコン
そして、シャワーシーンが!(not ロリコン
シャワールームで初めてキャリーが生理を経験、
動揺したところを同級生からからかわれる。
このかわいがりがマジでえげつなくて、
大量のタンポン投げつけるわ、
うずくまるキャリーを動画で撮影して拡散しまくる。
(こういうの見ると中高時代に文明が未熟でよかったと思うw)
日陰の人生を送る彼女ですが、自分が超能力の持ち主だと気づき、
徐々にその力をコントロールしていく訳です。
そして、高校生活最大のイベントであるプロムがやってくる。
キャリーは自分には縁のないイベントだと思っていたら、
いじめに加担したことに罪悪感を感じた女の子が
自分の彼氏にキャリーとプロムに行かせることを決断する。
正直、この部分は謎だなーと思いました。
当然キャリーも「からかわないで!」
と言って取り合わないんですが、それが切なくてねぇ…
結局彼女の説得もあり、キャリーはプロムへ行くことを決意する訳です。
ここから惨劇が起こるまでは甘酸ポイント。
パーティー用のドレス買う金はないから、
自分で布買ってきて作ったり。
メイクチリバツで、ドレス姿のキャリー、
つまりクロエは5億点ですよね。
かわい過ぎてルサンチマンを感じないから、
ダメだという批評を見ましたが、
むしろ逆で、こんだけ可愛いから残酷な目に遭ったときに
より観客の気持ちがエグられると思うんですよねー
そして、プロムでキャリーのカップルが
プロムクイーン&キングを獲得!となるんですが、
すべて罠で、表彰されているときに
豚の血が頭の上からぶっかけられる。
ここ何回やんねん!っていうくらいプレイバックしてたw
そしてキャリーは泣き狂い、超能力を使って暴走開始!
こっからはもうジェットコースターに
乗っているような気持ちになりました。
阿鼻叫喚の地獄絵図が会場で繰り広げられるんですが、
キャリーに対して、ひどいことをした順に
惨い殺され方でバンバン死んでいく。
主犯の死に方は笑ってしまいました。鼻!鼻!
ぶっ殺しまくったのちに家に帰ってきて、
お母さんが正しかった!あいつらは最低!
と泣きついたところで、母は悪の血を断とうと
キャリーを殺そうとするんですね。
その母を超能力を使って、家中にある刃物で磔にしちゃう。
それがもろにキリストなんだけどベタ過ぎて…
最後の同級生とのくだりはウーンって感じでした。
デパルマ版を早く見たいと思います。
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Movie Review_2013
2013年12月16日月曜日
自由と壁とヒップホップ
見ようかどうか悩みながらも、NORIKIYO氏のアルバム聞いて、
HIPHOPって何やろな〜と考えたりしていので、
ふらーっと見に行ってみました。
そしたら、素晴らしいドキュメンタリーでした。
まさにHIPHOPの初期衝動。
あと、イスラエル-パレスチナ問題に対する、
自分の認識不足も痛感しました…
なので、見終わったあとソッコーで、本を買って読んでいます。
こういった世界問題は興味持たなければ、
一生知らなくても済む話でもある訳です。
クサい物にはフタしちゃえ的なね。
でも、馬鹿なまま生きることはやめたので、
自分のできる範囲で知る努力はしたいと思っています。。
肝心の映画はというと、
パレスチナ人(アラブ人)のHIPHOPグループを追いかけていて、
それぞれのグループの活動や生い立ちから、
パレスチナにおけるHIPHOPを描き出した作品です。
イスラエル-パレスチナ問題を一から説明すると、
紀元前から始まるので端折りますが、
パレスチナ人が少数派で、ユダヤ人が多数派という図式です。
つまり、アメリカに置き換えると分かりやすいんですが、
HIPHOPが誕生した頃の黒人の状況とパレスチナ人が似ている。
(冒頭でチャックDのラジオに出ていることからも分かりますが。)
イスラエルによる攻撃にさらされたり、テロリスト扱いで差別されたり。
まさにHIPHOPが根付くべくして根付いた環境。
暴力によって対抗するのではなく、あくまで音楽で自分たちを主張する。
見ててビックリしたのが、日常に潜む暴力の身近さ。
こんな状況の中で暴力じゃなくて、音楽にかける覚悟たるや…
DAMっていう3人組のラッパーが
パレスチナHIPHOPの先駆者なんだけど、
彼らはCDリリースやライブだけではなくて、
子どもたちへの教育など社会貢献の活動も積極的に行っています。
(ほっとくと子ども達は麻薬の売人になってしまう…)
また、「オレ達もラップしたいんだよ!」という若者に
DAMがラップを指導する。若者の中に音楽が萌芽する瞬間を見れる訳です。
ここは最高に好きなシーンでした。
その他にも色んなやつらをフックアップする形で、
パレスチナHIPHOP全体を盛り上げようと懸命に活動しています。
DAMだけではなく、他のラッパーにも密着しているんですが、
ガザ地区のラッパーのシークエンスが興味深かったなー
同じ国内に住んでいるんだけど、ガザ地区は隔離されていて、
隣町に移動するのにも許可がいるし、
その許可も取れるかどうか分かんない。
そんな状況下で活動しているのがPRというグループ。
このグループが僕は好きなんすよね〜
ガザ地区という言葉はニュースでよく見るかと思いますが、
イスラエル軍による空襲はガンガンあるし、
DAMや他のグループがいるところもよりも状況はヒドい。
そんな中でもラップしている彼らが初ライブを行うシーンがあります。
そこは公民館みたいなところで、老若男女がいるような状況。
彼らは初めてのライブだから気合い十分!
そのバイブスの高さとお客の反応がもう最高で。
劇中でも指摘されていましたが、
「どう見られたいか?」という自意識を超えて、
先に言いたいことがにじみ出てるとでも言いますか。
DAMを含めた他のラッパーもPR見て、
こいつらヤベーよ!って言って、一緒にライブをしようと模索する。
なんせまともに移動できないから、それさえも困難。
そんな狂った状況でも音楽にかける!でも、やるんだよ!
これを踏まえた最後が現実的過ぎたけど、
イイ感じのオチでよかったな〜
HIPHOP好きな人は見るべき。
(注)イスラエル-パレスチナ問題について、
ざっくりwikiとかで勉強してから見た方がいいです
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Movie Review_2013
2013年12月15日日曜日
ブリングリング
1年弱くらい前にシネクイントで、
海外版の予告を初めて見たときから、かなり気になっていた本作。
セレブの家に強盗に入ったティーンの話で、このタイトル!
しかも実話ベースで監督がソフィア・コッポラという
オレ好みやないかーいと期待しておりました。
その期待どおりかといえば、正直…な感じでした。
限りなく、女子向けの映画なのかなと。
主人公の1人は男の子で、その目線で描かれているので、
客観視して見ている印象でした。だから乗り切れなかったのか。
女子独特のkawaiiものに対する純粋な欲望が
若さゆえの最短距離で露呈しているとでも言いましょうか。
それと同時に現在進行形のアメリカンティーンの姿を
見れるという意味では楽しかったです。
おおまかなあらすじとしては、ある男の子が転校してきて、
その子が仲良くなった女子と空き巣を行う。
はじめは有人の家だったんだけど、エスカレートしていき、
数々の海外セレブの家で空き巣を行うようになる。
初めて空き巣を行うのが、パリス・ヒルトンの家!
しかも、そこで味を占めて5回ぐらい空き巣するっていうねw
(そして本人もクラブのシーンでキャメオ出演)
このパリス・ヒルトンの家が
笑えるくらいの物質主義の権化なんですな〜
若い子(高校生)がそれに憧れるのは分かるけど、
自分たちで手に入れちゃえばいいじゃん!
という発想はスゲーなと。
こういう怖い者知らずの若者が一番怖い。
映画はほぼ全編、空き巣行って、
これkawaiiね〜、パーティー楽し〜ね〜、
ドラッグ気持ちい〜ね〜!という繰り返しだから、
飽きてくる人もいるのは重々分かります。
ただ、音楽がHIPHOPなので、やっぱりそこはアガる!
Rick Rossの9 Pieceを女子がかぶせて歌っているのとか。
M.I.AのBad girlsのhookのところで事故に遭うとか。
Kanye WestのAll for the lightsかけながら、コカインキメまくったり。
最後に流れる曲が大好きなFrank OceanのSuper Rich Kids!
You tubeでプレイリストがあるので、
HIPHOP好きはチェックしてみるといいですよ。
空き巣を重ねる彼女たちが罪悪感を感じたり、
バレたらどうしよう?と考えるシーンはなくて、
単純に欲しいものを求めるのみのFashion addictっぷりは痛快。
でも、捕まったあとの法廷シーンが丸々なかったのはいただけなかった…
法廷にいたるまでのそれぞれのスタンスを描いてるんだから、
裁判でどういう風な立ち振る舞いをするかは必須でしょう。
あとウォールフラワーに引き続き、エマ・ワトソンが出てるんですが、
もう5億点ですよね。マジで超かわいい。
そして、捕まったあとの彼女のスタンスが、明らかな嘘込みで、
一番子どもっぽくて良かったと思いました。
ソフィア・コッポラのfilmographyだと、他の作品のほうが好きだけど、
ゴシップ雑誌を読むような気持ちで見ると楽しめると思います。
ラベル:
Movie Review_2013
2013年12月14日土曜日
ゼロ・グラビティ
年末にぶち込まれた超話題作。
キャプテン・フィリップス同様、何回も劇場で予告編を見ましたが、
特定のシーンしか見ていなかったので、期待は高まりまくっていました。
当然IMAXで見たんですが、超圧倒的な映像と
「生きる」ことにフォーカスした物語で、最高でした!
最近、末井昭さんの「自殺」を読んで、
死ぬとか生きるとか、どういうことなのか?を
考えてたところだったので、その意味でもタイムリーでした。
お話としては超簡単で、
宇宙で船外作業中のところで事故に遭ってしまい、
生き延びれるかどうかのスペースサバイバルスリラー
映画始まってビックリしたのが、
宇宙から見た綺麗な地球の画で始まり、無音状態。
そこから徐々〜に音が聞こえてきて、
地球と宇宙飛行士の通信だと分かる。
この時点でとんでもねーの見てる!感がビンビン。
ゆったりとした作業風景を映しながら、
それぞれの人物背景をさりげなく紹介する。
登場人物は2人のみで、
ジョージ・クルーニーがベテラン飛行士、
サンドラ・ブロックが元医者で宇宙ビギナー。
この2人にロシアの衛生の破片が襲ってくる。
このシーンが予告編でしこたま流れていたところ。
何回も見ていたんですが、やはりIMAXで見るとハンパない訳!
最初はずっと引きで、壮大な宇宙を見ていたのに、
シームレスに超閉塞したヘルメット内にカメラがシフトしていく。
しかも、酸素量も10%台。
このときの絶望感は音とあいまって凄まじい…本作は音も相当こだわって作っていて、
ハラハラする場面では音楽爆音やし、抜きの部分は完全に無音だったり。
目と耳が映画に完全に支配されちゃうから、
宇宙にいるような感覚を味わうことができるし、
見終わったあと、ふわふわした浮遊感を伴う。
この映画は90分なんだけど、体感時間は長い。
というのも、本作では事故が起こってから、
3,4時間の出来事を描いているのみで、
「地上の頃」みたいな回想シーンは一切無い。
時間が巻き戻る事も一切無い。
(一般的な映画では、もっと長い時間の話を圧縮して
2時間程度で描いていますよね)
上記のとおり、映像、音、時間のすべてが
緻密に設計されていることで宇宙感を感じることができました。
こんだけ映像美があれば、ストーリーは疎かになってもOK〜
と思っていたら、物語も凄まじくて。
宇宙に一人という超極限状態の中で、
サバイブしながら「生きる」とは何ぞや?
を突き詰めていくのは超オモシロい。圧巻なのはラスト。
海に不時着して、陸へ這い上がるんだけど、
海の中も含めて無重力状態だったから、なかなか立ち上がれない。
そこからヨボヨボ立ち上がるのは、
ウシやシカなどの動物が産まれたときに
立ち上がる姿を彷彿とさせる。(海は羊水)
前半のソユーズ内での胎児オマージュシーンとの対比で
ウオー!ってなって、最後タイトルどーん!Gravity!
という一連の流れはもう言葉が出なかった。。。
(それと同時に日本タイトルに「ゼロ」をつけた意味が全く分からん!
と怒りもわきましたが。)
つべこべ言わずに万難を排し、IMAXで見るべき!
ラベル:
Movie Review_2013
2013年12月8日日曜日
ウォールフラワー
甘酸成分を求めていたのと、タダ券があったので、
しっかりと見てきました。
その期待を裏切らない見事な甘酸映画でした!
原作が有名な小説らしいんですが、未読。
その小説をなぞるような構成の映画となっています。
主人公(チャーリー)は高校1年生の男子。中学校ではパッとしなかったけど、
高校では意気込んでいるけど、なかなかうまくいかない。
そこに現れた高3のあるグループと仲良くなり、
彼らとの友情、恋愛について、主人公が「トモダチ」という
架空の存在に手紙をあてる形でお話が語られます。
この映画の特筆すべき点は音楽ですね。
最近、ロックも聞くようになったのはこういった映画があるから。
アメリカ青春ムービー×ロックの組み合わせは大好物!
物語のキーとなる曲はこんな感じ。
The Smith "Asleep"
David Bowie "Heroes"
The Beatles "Something"(厳密には流れません)
そして、アメリカ青春ものの定番、
好きな子にミックステープを送るやーつ。
そしてヒロインがエマ・ワトソン。
これらの要素を伴い、この時点でいわゆる5億点!
前半で描かれるのは他愛のない高校生活。
チャーリーに友人ができて、エマ・ワトソンに恋するところがメイン。
友人がいることの素晴らしさが
この映画からはめちゃくちゃ伝わってくる。
最初は閉じていた主人公が、友人ができて、
彼らと共に時間を過ごすことで、
明らかに変化、成長する姿は見てて愛おしい。
象徴的なのはパーティー中に隅で立っていた彼が
高3のグループにジョインするのとか、
ロッキーホラーショー の舞台に立つ姿とか。
友人の存在が彼の学生生活を充実させていく。
後半は前半でも少しでていた彼のトラウマの部分が
何であるかという話にフォーカスしていく。
この辺がただの青春恋愛ものとは異なるし、
思っていた以上に事実が重かった…
そして、前半はうまくいっていた人間関係もドンドン破綻していく。
アメフト部とゲイの関係や、
チャーリーが好きでもない子と付き合ってしまい、別れちゃうとか。
それに伴いトラウマに基づく幻覚は加速していく。
高3の友人たちは大学生活へと旅立っていく。
その前夜にエマワトソンとイイ感じにあるんだけど、
それが引き金となり、彼の抱えていたトラウマの正体に
自分で気付いてしまうという残酷さ。
そっから無事に立ち直り、迎えるラスト。
これがねーもうねーマジで最高なんですよねー
是非見て確かめてください!
ラベル:
Movie Review_2013
キャプテン・フィリップス
何回予告編見たか分からないくらい見て、
全然期待してなかったけど、周りの評価が良かったので見ました。
予告編のなにが嫌だったかといえば、
「唯一の救いは家族への手紙だったぁ〜」のくだりが
とてもイライラしたからです。
でも実際見てみると、家族云々よりも
相当solidなハイジャックもので、かなり好きでした。
監督はポール・グリーングラスという人。
ユナイテッド93は見ましたが、それ以来。
あれも実話ベースですが、今回も実話ベース。
トム・ハンクス演じる船長の搭乗する貨物船がソマリア沖で
海賊に襲撃を受けて、ハイジャックされる話。
それだけと言ってしまえば、それだけなんですが、
もう超ハラハラするんですねーこれが!
トムが自宅から出発するシーンから始まるんですが、
そこで彼は奥さんと激化する競争社会で、
息子が生きていけるかどうか心配する。
そのあと海賊たちのメンバー選抜がされるシーンが描かれて、
本質的な部分ではどこの世界も変わらないことが分かる。
つまり、弱い者は淘汰されてしまう世界。
これは物語全体のテーマでもあります。
1回目の海賊からの襲撃はなんとか乗り切ったものの、
2回目で船に乗り込まれちゃう。ここが最初の見せ場。
アホみたいにデカい貨物船 vs ボロボロのモータボート
「まさか負ける訳ないよ」という油断に対する、
海賊たちの異常なまでのガッツ。
なにも恐れない気持ちのパワーが伝わってきます。
舵の切り替え、速度アップ vs ハシゴかかる/かからない…
かかったー!的な盛り上げ方はホントにオモシロい。
船を乗っ取られたあとも、船のギミックを生かした
一進一退の攻防、駆け引き。全く飽きない。
結局、貨物船は乗っ取れず、トム・ハンクスが人質にとられて、
救命ボートでソマリアを目指すことになる。
ここからは密室サスペンス要素もありーの、
ネゴシエートサスペンスとして、オモシロくなってくる。
特にここから海賊たちの背景や内面が見えてきます。
当然、海賊という行為自体は許されないことだけど、
彼らが生きていくためには必要で…という
こちらの一方的な論理で片付かないように思えてくる。
完全に「悪」として描ききることもできたと思いますが、
このバランスは素晴らしいなーと思いました。
そして、トム・ハンクスを救出するため、アメリカ海軍も登場。
ここは漢なら、アガらざるを得ないシーンの連続。
海賊とのネゴは勿論のこと、救出作戦のひとつひとつが超オモシロい。
アメリカ海軍があまりに圧倒的であることを
頭では分かっているけど、引き返せない海賊たちの意地。
このぶつかり合いがひたすらスクリーンで繰り返されます。
圧巻なのはラスト。トム・ハンクスの慟哭シーンは凄まじい!
直接語る訳ではなく、助かった安堵の気持ちに加えて、
まだ若い子達が無惨にも殺された虚しさ。
様々な感情が入り乱れたこの叫びはホントに圧巻でした。
あんだけ家族って宣伝で言ってたから、
紋切り型で終わるのかと思いきや…
安易な正義主義ではない終わり方でした。
とてもおもしろかったので、ソマリアのこと勉強しようと思います。
ラベル:
Movie Review_2013
2013年12月4日水曜日
四十九日のレシピ
公開当初から気になるなーとは思いつつも、後回しにしていました。
監督が「ふがいない〜」のタナダユキと知り、これは!
と思い、急いで見たという感じです。
その結果、特大ホームラン!少し乗れない部分もあったけど、
物語のテーマ性にヤラレてしまった。。。
そのテーマはずばり「母」です。「母性」といってもいいかもしれない。
さらに言えば、子どもを産まなかった女性の人生、生き方の話。
この年齢になると、必然的に結婚の話になるし、
僕の周りですでに結婚している人も多く居ます。
昔よりも身近な問題として迫ってきている訳ですが、
女性は子どもを産むということを念頭に置くと、
身体的な限界を考慮しなければならない現実がありますよね。
あと大っぴらには言われてないけれど、
子どもを産まない(産めない)とか結婚していない人を
変だと思う風潮さえも存在する。
この辺りについて考えさせられる映画でした。
永作博美が主人公で、彼女は結婚してるんだけど、
子どもができなくて、懸命に努力をしているのに。
夫の原田泰造が不倫相手を妊娠させてしまう。
それをきっかけに実家に戻ることにした訳ですが、
すでに彼女の母親は亡くなってしまっている。
この母親は継母で、永作博美と同様子どものいない人生を生きた女性。
彼女は半分遺書のような形で、
暮らしの知恵手帖みたいなのを残していて、
そこには「四十九日は大宴会」と書いていた訳です。
この彼女のメモに従って、父の石橋蓮司、永作博美、
母が働いていた更生施設で更正した二階堂ふみ、
母の働いていた工場の元同僚で日系ブラジル人の岡田将生と
四十九日に向けた準備をしていく。
その四十九日に至るまでに、父と母の出会いや、
博美と泰造と不倫相手の吐きそうな修羅場ありーの。
この辺の内容、そのトーンは全く予告で見れなかった部分ですが、
最高に好きでしたね〜
「ふがいない〜」にも通じる世界に存在する現実を突きつける。
前半の博美は明らかに子どもができなかったこと、
それがきっかけで半ば離婚してしまったことを辛く思っている。
でも、これまで向き合ってこなかった継母の人生や人柄を
後追いながらも知ることで、
自分の人生を今後どういう風に生きていくのかを
見つめ直していくのはとても良かったです。
劇中でセリフでも言われていますが、
子どものいない母親のメモリーというのは希薄なものになりがち。
それを分かりやすくする演出として、
四十九日の出し物で、母の年表が出てくる。
最初はなかなか埋まらない。
子どもではなかったけど、母が携わってきた人達で
その年表が埋められる瞬間に…号泣メーン!
当然、血のつながった子どもとの思い出というのは
かけがいのない思い出であることは間違いない。
でも、その子どもがいないからって人生がダメ!
って言われる筋合いはねぇよ!という強烈なメッセージは
とても共感しました。
淡路恵子がその子ども絶対主義のイヤ〜なババアを演じていて
素晴らしかったなぁ。(褒め言葉)
乗れ無かった部分というのが岡田将生演じる日系ブラジル人ねー
原作に出てきたキャラなのかもしれないけど、浮いてしまってる。
(似たポジションの二階堂ふみは明るさと同時に、
そこに影が見えるから、気にならなかった。)
思い切って省いてもよかったかなと思います。
最後の終わり方も超好きで、永作博美の顔だけの演技で
完全にkillされてしまいました、、、
自分主体で生きるのも楽しいですが、誰かと関わりながら、
ときに自分が他人のロイター板となり、
その人のために生きる人生は尊いし、愛しい。
ラベル:
Movie Review_2013
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