2013年12月16日月曜日

自由と壁とヒップホップ



見ようかどうか悩みながらも、NORIKIYO氏のアルバム聞いて、
HIPHOPって何やろな〜と考えたりしていので、
ふらーっと見に行ってみました。
そしたら、素晴らしいドキュメンタリーでした。
まさにHIPHOPの初期衝動。
あと、イスラエル-パレスチナ問題に対する、
自分の認識不足も痛感しました…
なので、見終わったあとソッコーで、本を買って読んでいます。
こういった世界問題は興味持たなければ、
一生知らなくても済む話でもある訳です。
クサい物にはフタしちゃえ的なね。
でも、馬鹿なまま生きることはやめたので、
自分のできる範囲で知る努力はしたいと思っています。。
肝心の映画はというと、
パレスチナ人(アラブ人)のHIPHOPグループを追いかけていて、
それぞれのグループの活動や生い立ちから、
パレスチナにおけるHIPHOPを描き出した作品です。
イスラエル-パレスチナ問題を一から説明すると、
紀元前から始まるので端折りますが、
パレスチナ人が少数派で、ユダヤ人が多数派という図式です。
つまり、アメリカに置き換えると分かりやすいんですが、
HIPHOPが誕生した頃の黒人の状況とパレスチナ人が似ている。
(冒頭でチャックDのラジオに出ていることからも分かりますが。)
イスラエルによる攻撃にさらされたり、テロリスト扱いで差別されたり。
まさにHIPHOPが根付くべくして根付いた環境。
暴力によって対抗するのではなく、あくまで音楽で自分たちを主張する。
見ててビックリしたのが、日常に潜む暴力の身近さ。
こんな状況の中で暴力じゃなくて、音楽にかける覚悟たるや…
DAMっていう3人組のラッパーが
パレスチナHIPHOPの先駆者なんだけど、
彼らはCDリリースやライブだけではなくて、
子どもたちへの教育など社会貢献の活動も積極的に行っています。
(ほっとくと子ども達は麻薬の売人になってしまう…)
また、「オレ達もラップしたいんだよ!」という若者に
DAMがラップを指導する。若者の中に音楽が萌芽する瞬間を見れる訳です。
ここは最高に好きなシーンでした。
その他にも色んなやつらをフックアップする形で、
パレスチナHIPHOP全体を盛り上げようと懸命に活動しています。
DAMだけではなく、他のラッパーにも密着しているんですが、
ガザ地区のラッパーのシークエンスが興味深かったなー
同じ国内に住んでいるんだけど、ガザ地区は隔離されていて、
隣町に移動するのにも許可がいるし、
その許可も取れるかどうか分かんない。
そんな状況下で活動しているのがPRというグループ。
このグループが僕は好きなんすよね〜
ガザ地区という言葉はニュースでよく見るかと思いますが、
イスラエル軍による空襲はガンガンあるし、
DAMや他のグループがいるところもよりも状況はヒドい。
そんな中でもラップしている彼らが初ライブを行うシーンがあります。
そこは公民館みたいなところで、老若男女がいるような状況。
彼らは初めてのライブだから気合い十分!
そのバイブスの高さとお客の反応がもう最高で。
劇中でも指摘されていましたが、
「どう見られたいか?」という自意識を超えて、
先に言いたいことがにじみ出てるとでも言いますか。
DAMを含めた他のラッパーもPR見て、
こいつらヤベーよ!って言って、一緒にライブをしようと模索する。
なんせまともに移動できないから、それさえも困難。
そんな狂った状況でも音楽にかける!でも、やるんだよ!
これを踏まえた最後が現実的過ぎたけど、
イイ感じのオチでよかったな〜
HIPHOP好きな人は見るべき。

(注)イスラエル-パレスチナ問題について、
ざっくりwikiとかで勉強してから見た方がいいです

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