2013年12月2日月曜日

悪の法則



ハビエル・バルデム、ブラピ、キャメロン・ディアス、
ペネロペ・クルス、マイケル・ファスベンダーに
巨匠リドリー・スコットをかけ合わせるという、
エゲつないキャスティングによるクライムドラマ。
(脚本はノーカントリーの原作者)
正直このキャストなら、もっと見せ場作れたろうに。
とは思いますが、好きなトーンではありました!
原題はThe Counselorで、弁護士の意味。
ファスベンダーが弁護士を演じています。
んで、バルデムがヤクで儲けてる成金野郎、
ブローカーのブラピを通じて、
ヤクの商売に手を染めてしまって…という話。

ペネロペはファスベンダーの奥さんなんですが、
冒頭から濃厚な2人の絡みから始まった段階で、
これはヤンゴトなき映画やなーと思いましたw
そして、一番ヤンゴトないのがキャメロン・ディアス。
彼女はバルデムの彼女を演じていますが、一筋縄ではいかない女。
寓話的な瞬間もあるし、むちゃくちゃ肉感的なときもあるし。
この肉感的というのが最も端的なのが、車とのSEXですよね。
これは映画館で見るべき、新しい概念。
キャメロン・ディアスも狂ってるけど、
この話をバルデムから聞いたファスベンダーが
「彼女はそれでイッたのか?」と聞くところも狂気。
前半は物語の背景説明で、後半になって物語が一気に加速する。
そのきっかけとなるのが運び屋が殺されるシーンなんですが、
脚本がノーカントリーの原作者ということもあり、
殺すための武器がオモシロい。今回は首チョンパの方法ね。
ピアノ線張るシーンは、あの粛々と準備するのにシビレタな〜
もう1個の武器は最後にでてきますが、
これも全く現実味ない案配なのが良かった。
あと運び屋がやり取りする「モノ」も
これまでのギャング映画で見たことなくて、
実際に行われているかどうかはさておき、
リアリティを助長させる演出だなぁと感心しました。
後半は救いの無い一方的な追い込みが始まる訳ですが、
ファスベンダーが胴元と話すシーンが良かった。
ワンワン泣いてるけど、お前の悲しみでは何も買えないし、変わらない。
お前が選択した未来が今ここの現実なんだから受け入れろや。
っていうね〜人生なんてコレの連続だから、
楽しかったり、辛かったりする訳ですが。
少しの欲でさえ、リスクを伴っていることがよく分かる。
その欲とリスクの関係性を一番理解しているのが、
この映画ではキャメロン・ディアスだと思います。
故にこの世は弱肉強食と割り切っているし、
それがところせましと暗喩されていますよねー
チーター好きとかラストのセリフとか。
このメンツで、この感じが良かったのかどうかはさておき、
見て損することはない作品でした。

追伸:
宇多丸師匠の本作の批評はめちゃくちゃオモシロかったし、
この映画の理解に非常に有用ですので、
見た方は是非聞いてみてください ⇒リンク

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