2020年2月28日金曜日

2020年2月 第3週

世の中はコロナウイルス真っ只中で、
様々な情報が飛び交うのは311のようで、
とても殺伐としている雰囲気を
インターネットを見ていると感じる。
騒ぎ過ぎるのも良くないかもだけど、
過度に自重するのもどうなのか?と思う日々の中、
事なかれ主義で具体的な事象から関心を逸らして、
心の平穏を保つ時代は
もう終わりにしないといけないなとも同時に思う。
これまで我々主権者が許してきた隠蔽体質が
土壇場でこれでもかと悪い方向に作用しているのは、
もはや天罰としか思えない。
選挙行ってへんやつ、まじで次は行ってくれ。
これをきっかけにテレワークとか
時差出勤とか当たり前になって、
誰も干渉してこない豊かなサラリーマンライフになることを
祈っているうちは一生幸せになれない。

音楽
新譜をひたすらに毎日追いかけている。
誰にも追われていないのに。
新しい音楽を聞きまくった先にあるものとは?と思うものの、
音楽聞いててブチ上がるのはやはり新譜。
聞いたことのない新鮮な音を聞いたときの興奮があるから、
音楽を聞いているのだともう。
この辺の自意識は常に問いながら、
何を聞くのか考えたいものです。
旧譜というか去年リリースの愛聴盤
NF ZESSHO / Bad Vibes Only(以下BVO)の
レビューがSublyricsにアップロードされており、
謎だったアニメのサンプリングソースが
ボージャック・ホースマンということを知り驚く。
BVOでは吹き替えのセリフが引用されていて気付かなかった。
好きなもの同士がクロスオーバーしているだなんて!!
この2つが好きってことは自分がかなり鬱屈しているなという
他者からすれば当たり前かもしれないことを改めて認識する。

Moses Sumney / græ

何度も聞いているのだけど、

どう形容していいのか難しい音楽。
Bon Iverとかが近いのか?とにかくかっこいい。
ガーナ系移民でカリフォルニアベースの28歳。
何かが壊れるギリギリ手前にあるような気持ちになる。
FKJが参加している2曲がメロウネスを感じるので特に好きだった。
今回ストリーミングで解放されたのはdisc1で
5月にdisc2が加わるそうでこれから楽しみ。

Forever / Close To The Flame


インディロックっぽいボーカルとメロディなのに、
キックとスネアがダンスミュージックのそれ、
つまり太いサウンドが最近好きで、
その好みにドンピシャで刺さったEP
Clairoが好きな人には刺さる気がする。
カナダはモントリオール出身の女性シンガー
アンニュイな声色とトラックの相性がぴったりで
何回も聞いていた。

Moses Boyd / Dark Matter 


同じ月に二人目のMoses。こちらはUKのジャズドラマー
今やUKジャズは1つのメッカと化している中で
その代表格として活躍しているプロデューサーでもある。
80%作り込み、20%即興らしく、
その中でダンスミュージックとジャズの混ぜ方の塩梅が絶妙。
個人的には叩きまくりなOnly You という曲がfavorite
インストの音楽だけど政治性を含んだジャケもお国柄を感じるし、
UKもハードなんだなと思いを馳せる。


フライデー・ブラック
フライデー・ブラック
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ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー
駒草出版
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2010s
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宇野維正 田中宗一郎
新潮社
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フライデー・ブラックがめちゃくちゃオモシロかった。
今の時代は集中力がもたないから短編集が相性いいのかもしれない。
そして著者の片割れが嫌いだと思いつつ読んでみると
意外に…な感じだった2010sも知らないことが多く、
楽しめたのでカルチャー好きにはオススメ。

映画、ドラマ
見に行きたい映画はあるものの、全然行けてねーですね。
とりあえずミッドソマーみたい。(昨日見た)
NETFLIXでナルコス メキシコ編のS2が始まったので見ている。



前作がマリファナビジネスの栄枯盛衰からの、
コロンビア産コカインビジネスのスタートだった訳だけど、
今回はDEAの復讐とメキシコにおける
コカインビジネスの2本立てで描かれている。
前シーズンが1年以上前なので記憶が朧気だったけど、
徐々に戻ってきて今E8まで見た。
銃撃戦がドラマと思えないくらいにリッチなところが最&高だし、
女性主権のテーマを物語に無理なく
ぶち込んできているところも気が利いていて良い。
敵味方関係なくコカインに翻弄される人生
というテーマが匂いたつE7が今のところベスト。
昔、先輩に借りて読んだメキシコ麻薬戦争を
サブテキストとして手元に置いておきたくなる。
あと2話どうなるのか、後で書き足す予定。

2020年2月26日水曜日

ある一生

ある一生/ローベルト・ゼーターラー

 オーストリアの山岳に住んだある男の人生についての小説。1人の男の生活ひいては人生を粛々と書いていて好きなタイプだった。同タイプの小説として分類されるだろうストーナーも最高に好きだけど、本作はさらに流れている時間が静謐というか描写が淡々としていた。恵まれない生い立ちからフィジカルの強さを生かして自分の生活を作っていく過程やある女性との出会いと悲劇、戦争に巻き込まれた期間があったり。21世紀に生きる読者からするとドラマティックに思える。インターネット以降、自分がどういう人間なのかを相対化しなければいけない場面が多い。しかし、この主人公は自分の価値観を絶対としているのがかっこいい。ひたすらに山を愛しながら、山に愛されたり裏切られたりする人生。自然に対する諦念も彼からはひしひしと感じる。自分自身がぶれまくりなので、こういう信念を強く持っている人に憧れる。終盤に達観する描写が清々しくもあり苦しくもあり、何とも言えない気持ちになった。以下引用。

雪解けが始まるころ、小屋の前の朝露に濡れた野原を歩き、あちこちに点在する平らな岩の上に寝転んで、背中に石の冷たさを、顔にはその年最初の暖かな陽光を感じるとき、エッガーは、自分の人生はだいたいにおいて決して悪くなかったと感じるのだった。

 20世紀前半~後半にかけては主人公のような人生がたくさんあったのかもしれない。過剰にドラマティックでなくても他人がどういう人生だったのかを知ることはとてもオモシロいと思っている。どこかで見たような盛り上がりが用意された汎用的なドラマではなく、どこまでも個人の物語、そこでディテールを語ることが実は一番オモシロいことの証左のような作品。

2020年2月19日水曜日

2020年2月 第2週

テレワークで家で仕事することも多くなってきたので、
デスク周りのプロダクティビティを向上させるべく、
書類を断捨離したりキーボード新調したりして、
退屈な日常に少しでも変化をつけようとする日々。
そんな中でポッドキャストをアップロードしていますので、
パラサイト見た人/ネット上の嫌なものをついつい見てしまう、
そんなあなたには聞いてほしい内容となっています。

Spotify / Apple podcast

燃え上がる緑の木、ついに読了。
これだけのやつ読み切ると感慨深い。
朝井リョウの新作は悪魔だった。

燃えあがる緑の木〈第3部〉大いなる日に (新潮文庫)
大江 健三郎
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どうしても生きてる
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朝井 リョウ
幻冬舎 (2019-10-10)
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音楽
リリース量がとんでもないことになっている。
ゆえに1回聞いて「はい、次」という流れなので
少しでも堰き止めて1枚のアルバム/EPのことを考えたい。
と思いつつもダラダラ聞いている。

Yellowstraps / Goldress


ルワンダ生まれウガンダ育ちの、
ベルギーの兄弟デュオシンガー。
しっかりタメのあるビートに暖かい音色に美しい歌声が絡んで
それだけでもう十分。ヨーロッパ系なのでドラムンぽいのもあったり、
当然バラードもあったりでトラックのバラエティは豊か。
声色はWONKにめっちゃ似ている。
よりR&Bの雰囲気が強いけどWONK好きな人にはおすすめ。

PJ Morton / The Piano Album

去年出たアルバムも好きだったところに、
アコースティックアルバムのリリース。
スティービー・ワンダーの香りをアルバム全体から感じた。
ライブレコーディングされたアルバムなのだけど、
なんとYoutubeでその模様をフル尺で見れる。
この出し惜しみしないところが今っぽい。もちろん最&高。
ながら作業で見るのもいいし、
歌詞の字幕が出るので歌詞の意味が取れるので良い。

映画
The Report


アダム・ドライバー主演でprime videoで見れる。
ソダーバーグ作品で脚本を務めていた、
スコット・Z・バーンズの監督デビュー作品。
CIAがテロ捜査をする過程で拷問しまくっていたのを
ひた隠しにしていた、それを明らかにしようとするのが
アダム・ドライバー演じる捜査官。
純粋な正義感とそれをなあなあにしようとする権威。
この戦いが見ていてオモシロかった。
狂ったようにファクトに執着し続ける
アダム・ドライバーのマッド具合がたまらない。
「あったこと」を「なかったこと」にするのが
最近の日本のトレンドでもありますが、
こういった正義感に燃える人が少しでも増えれば、
まだマシになると思う。
とはいえ長いものに巻かれた方が得をする社会だと
何年にも渡って見せつけられている我々は
すっかり感覚が麻痺しているのかもしれない。
こないだポッドキャストしたときに少し話したけど、
wackなものにはwackと言わないと変わらない部分も
間違いなく存在するので意識したい。

2020年2月18日火曜日

フライデー・ブラック

フライデー・ブラック/ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー

  2018年にリリースされたアフリカ系アメリカンによる短編集。短編集は収録されている中でどれか1つグッとくるのがあればナイス、音楽でいえばアルバムみたいなものだと思っている。この観点で言えば、どれもが珠玉の短編ばかりでハズしなしのクラシックアルバムだ。アフリカ系アメリカンへの暴力や資本主義という名の下の新たな奴隷制度による彼らに対する搾取。それらからインスピレーションを受けた物語の数々は心の深いところをやすやすとエグってくる。巻末の藤井光の解説にもあるように日常を少し変化させただけにも関わらず、一気にディストピアと化してしまうことを描いている。そんな今の社会はどうなんだ?という問いを突きつけているようにも思えた。
 どのエピソードも好きなんだけど、とくに表題作とHow to sell Jacket as Told by IceKingの鏡像関係がめちゃくちゃ好みだった。前者は買い物客をゾンビに見立てたSFで消費欲をコミカルに描いて、後者は同じ舞台で極めてリアリスティックな資本主義下における仕事をシビアに描いている。行き来して読みたくなる短編は初めて読んだ。SF作家と読んでも差し支えないくらいに想像力が豊かな物語が多い。帯にKendrick LamarのTPAB、GambinoのAtlantaが引用されてるけど、それよりもNETFLIXで見れるBlack Mirrorに近いと思う。こういったタイプの物語の場合、アイデア自体がオリジナルなものか、既出の舞台設定だとしてもどれだけ新鮮なものを見せれるか?でオモシロさが決まってくると思う。この高いハードルをやすやすといずれの短編でも超えてきている。エンタメとして抜群にオモシロいのだ。ここまで述べた複数の要素が絡み合うことで今まで味わったことのない満足感のある読後感に繋がっていると感じた。本の冒頭にあるKendrick Lamarの言葉(School Boy Q - Blessed にfeatで参加したバースからの引用)は忘れないで生きていたい。

2020年2月9日日曜日

2020年2月 第1週

1月旅行でほとんど働いてなかったので
もう2月か、という感じ。
最近は仕事も忙しくないので
2月に入って本格化した音楽の新譜リリースを
たすらにdigしている。
今年からlogの意味でTwitterを活用したり、
手書きでメモったりすることで
「消化」というニュアンスから
だいぶ距離を置けたからよかったかも。
2020のプレイリスト作りましたので、
Apple music ユーザーの皆様は
チェックしてみてください→リンク


しかし可処分時間は有限であり、
今年は本に時間を割くという決断をしたために
映像をあまり見れていない。
とくに長い時間が必要な映画。
週に1作品、劇場で見るくらいは見たい…
代わりにYoutubeを小刻みにチェックしていて、
Music videoを例年より多く見ている。これが現代人。
TVの出音、もう少しこだわりたいので画策中な最近です。
Podcast更新してますので聞いてみてください。
HIPHOP興味ない人でも後半からはオモシロい、はず。


引き続き、燃えあがる緑の木。



燃えあがる緑の木〈第2部〉揺れ動く(ヴァシレーション) (新潮文庫)
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宗教が立ち上がっていく過程で得るもの、失うもの。
オモシロかった。詳細はブクログ

映画
Uncut gemsをNETFLIXで鑑賞。


NETFLIX映画はパッとしないイメージあるけど、
これはとんでもなくオモシロかった。
コメディ畑のトップ俳優であるアダム・サンドラーが
これまでと全く異なる一面を見せているのがまずびっくりする。
(日本でいえば冷たい熱帯魚のでんでんみたいな感じ)
アップテンポでどんどん展開していくので全く飽きない。
映画館だとじっくり見せるシーンにグッとくるけど、
NETFLIXのように家だったりスマホだったり、
外部環境に影響されやすい状況で見るケースが多いと、
山のような情報量を高速なテンポでぶち込まれたほうが
集中して見れるんだなと思った。
お話としては宝石商の男がエチオピアから入手した、
超レアなオパールでいっちょ金儲けしようと画策しまくる話。
場当たり主義の連発で無計画に金を借りて、
綱渡りでしのいでいく姿がオモシロくて
人間の欲に限りないことがよく分かる。
金儲けというゴールにひたすら邁進する、
それはオパール同様に価値があるのかどうか問われている。
キーパーソンとしてNBAプレイヤーのケビン・ガーネットが
本人役でがっつり登場していたり、
Weekendがスターになる前夜、
まさにUncutな時代の頃として
本人役で登場していたり豪華な出演陣となっている。
過去作のGood Timeのときも音楽素晴らしかったけど、
今回も劇伴をDaniel Lopatinが担当。
アダム・サンドラーの情けない場面が延々と続くけれど、
音楽がとかっこいいのでNYを右往左往するだけで画になる。
配給にA24が入っているから、
そこのQCが効いているのかもしれないけど、
良作な映画、NETFLIXでたくさんリリースして欲しい。

あとリチャード・ジュエルを丸の内ピカデリーで見た。



クリント・イーストウッド監督最新作。
存命している限り最新作なるべく劇場へという、
なかば祈りのような気持ちで見ている。
ここ数年の実話を映画化するトレンドに今回も沿っていて、
アトランタ五輪開催中に起こった爆弾テロの話。
広いくくりで言ってしまえば、
日本のTVでもよくある事件を映像化したものでしかない、
はずなんだけどめちゃくちゃオモシロくなっているのは
ひとえにイーストウッド力。
最初に爆弾を発見した警備員が最初は英雄扱いされるものの、
後日急に容疑者扱いされてしまう。
世間を扇動するメディアや、
無根拠に逮捕へと邁進する国家の暴力性がいかに残酷か、
痛いほどにメッセージが伝わってくる。
主人公の自分はlaw enforcement側なんだ、という
ある種の信仰のようなものが徐々に崩れていく。
自分のことを権力側に位置付けるのは
気持ちがいいかもしれないけれど、
いざ権力が自分に牙をむいたとき、
どんな風にふるまえますか?
という今の日本にもバッチリ当てはまる内容だと思った。

音楽
1月下旬〜2月初旬でリリースてんこもりで
オススメしたいのめっちゃあるけど厳選して紹介。

LSD/The Leonard Simpson


デトロイトのMC、ギルティ・シンプソンが
NZにツアーした際にリンクしたビートメイカー
Leonard Charlesのジョイントアルバム。
サイケでメロウでドープで全方位にかっこいい。
ハードコアなやつ連続で聞いていると疲れてくるけど、
ジャケットにあるように
色んなカラバリのトラックが入っていて飽きない。
Jakarta recordsからのリリースにハズしなしの法則。
Smokin' Goodは15分くらいのジャムセッションを
ギルティ・シンプソンが聞いて
彼が好きなパートでラップしたらしい。
ただビートメイカーがビート送って、
それにラップするだけというよりも
有機的なセッションしていると聞くとより楽しめた。

Ryan Beatty/Dreaming of David


先輩から教えてもらった知った、
2020年現時点で一番好きなアルバム。
BrockHamptonやKevin Abstractのアルバムで
Featuringで歌ったりしているLAのシンガー。
Arizona Babyに近い雰囲気はありつつ、
Frank OceanのBlondeが残したインパクトを
最大限に吸収してこれ以上ないのでは?
という形で吐き出している。
抽象的な歌詞とDreamyな雰囲気が、
朝聞いても夜聞いてもfeelするので好き。
小袋成彬のこないだのアルバム好きな人とか、
絶対に気にいると思うのでチェックしてみて欲しい。

Junia-T / Studio Monk


内容が好きだったのはもちろんのこと、
本人からreplyきたのがびっくりしたので記録の意味も込めて。
カナダのMC、ビートメイカー。
Jessie ReyezのバックDJも担当しているらしい。
もともとはthe Smash Brovazというラップデュオで、
そこからソロとして活動開始して、
今回はビートメイカーとしてのアルバム。
本人はラップせずにゲストを迎えている。
350曲作って、そこから選ばれているようで、
バラエティに富んでいてコンピとして良い。
ブームバップから来た人とは思えない。
Apple musicのプレイリストがなければ、
一生知ることなかったアーティストかもしれない。
これがストリーミング時代。

2020年2月1日土曜日

2020年1月 第4週

年明け1発目のPodcastをアップロードしました。
日本のHIPHOPについて、2019年の雑感といった内容です。
興味ある人は聞いてくれ。


今週は時差ビズということで
9時半過ぎの出社が推奨されていた。
電車が空いていてるだけで大分ストレス減る。
30分ずらすだけでこれならデフォルトで
出社10時とかにしたいなー
旅行の余韻があまり醒めておらず、
少しでも戻りたいと思い、
メキシコのスーパーで買ったトルティーヤを使って
家でタコス作って食べたら、
それがとても美味しくて感動した。
そしてこういうレベルの幸せを噛みしめねば
と思ったのはコービーの死去。
中学生のころNBAファンだった僕が、
ダンクシュートという雑誌や
BSの試合の放送を通じて見ていたのは
彼の1つの黄金時代だった。
そんなスターが唐突に亡くなってしまう。
当然彼の死も辛いけど、
何よりも辛いのは命は有限であることを
突き付けられたことだと思う。
(今話題のワニのやつも同様ですよね)
「お前は人生精一杯やりたいことやって生きているのか?」
と問われたとき、そうとは言い切れない今。
じゃあどうする?となるけど、
喉元過ぎればなんとやらで日常へと戻っていく。
彼の訃報に伴って色んなコメントが飛び交っていた中で、
Stranger thingsに出演していた
Noah Schnapのinstagramのポストがしっくりきた。
あぁ、人生ってなんなんすかね?と諦念にもかられるけど
共に生きましょう©中村文則
そんな怠惰な日常に少しでも変化をつけるべく、
トラックボールを購入したのだけどれど、
足掛け十何年のマウス操作に慣れきっており
完全にPC初めて使うおじいちゃん状態。
家用に購入したけど全く慣れないので
仕事で使って慣れるしかないか。




イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)
高野 秀行
講談社 (2014-07-15)
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燃えあがる緑の木〈第1部〉「救い主」が殴られるまで (新潮文庫)
大江 健三郎
新潮社
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このタイミングで命のこと考えさせられまくる、
大江健三郎、燃えあがる緑の木。
読んだことない感覚、これがノーベル文学賞か。
という感じ。レビューはこちらから→リンク
本作を連載しているときに受賞したらしい。
大学で時間を持て余していたときに、
この辺りの教養としての文学を
もっと読んでいたかった人生…


音楽
これまで紹介してきたように
素晴らしい新譜が1月時点でたくさんあるけど、
070shakeが圧倒的に最強で最高。



Kanye WestのYeでフィーチャーされた
女性のラッパ-/シンガー from New Jersey
Kanyeの808、My beautiful Twisted dark fantasyの流れを
正当に継承したような超かっこいい音楽だった。
メランコリックなEmo。
オーケストラなどを使用したリッチな生楽器ベースのサウンドと
Mike DeanのMixing、Masteringがとにかく強い。
HIPHOPはマスタリングの音楽だと思い知らされる。
(ドラムがデカいだけのがとにかく正義だと思っているタイプです。)
あんまり好きではないという人は
なるべくデカい音で聞いてみてくれ。
他にも色々あるけど今月は好みなHIPHOPが多かった。

映画・ドラマ
花と雨をヒューマントラストシネマにて。



Seedaの日本語ラップクラシックであるアルバム、
「花と雨」を映画化って一体どんな?と思って見たら、
かなり抽象的な内容だった。良い風にいえばアーティスティック、
悪い風に言えば雰囲気だけ。友人の言葉を借りれば、
「曲が3分で表現したことを2時間にした作品」
瞬間瞬間でぐっとくる場面はいくつもあって、
花と雨の世界観を補強する意味では素晴らしい映画だし、
実際見た後に「花と雨」を聞くと
映画内の様々なシーンが補完されて、
10年近く前のアルバムなのに新鮮さを取り戻せる。
ラッパーは身の回りのことを歌ってこそ、
という「花と雨」でSEEDAが得た矜持が映画からも伝わってきた。
とはいえ映画なので物語がないと見ているのがしんどい。
しかもハスリングに関する場面は
画的山場を作れるはずだったし、
実際に中盤までお話が展開していたのに、
最後までそれを回収せず、「匂わせ」に終始してしまったのは
とてももったいなかったように思う。
厳しい言葉でいえば、ビジュアルイメージを先行させて、
映画という表現から逃げたようにしか見えなかった。
映画はミュージックビデオではない。
とつらつら書いてきたけど思い返しても、
とにかく主演の笠松将が素晴らしくて、
それで全部何とかなっている感がある。
間延びしているシーンはたくさんあったけど、
彼のフィジカル性と存在感で惹きつけられる瞬間がたくさんあった。
事前に伝えられていたとおり
仙人掌がラップ指導している効果は絶大で、
こういうタイプの映画で本職のラッパー以外がラップすると、
どうしても「それ」ではない感じが出てしまうけど、
僕はまったく感じなかったし初期衝動のバイブスが
満タンに詰まっていて好きだった。
Sorry we missed youも見た。ケン・ローチ監督作品。



誰も悪くないのに全員がこんなに悲しい気持ちにならねばならないのか?
ワーカーズクラスは働いても働いても報われない人生なのか。
とにかく先立つものがないと何もできないことがよく分かる。
この手の話には自己責任論が常につきまとう。
当然、監督はそこも折り込み済みなんだけど、
それをいわゆる鬼畜の所業展開を用意していて辛すぎた…
街の自己責任論者の皆さんにはぜひ見てほしい。
楽しそうな時間(子どもとの配達など)が
少しは用意されているのだけど、
すべて容赦なく潰されていく先に待っているのは地獄だった。
「ルール」という耳障りの良い、
責任不在の言葉をふりかざして、
他人を追い込むことに何の意味があるのか、
考えてみてほしい。
配達に使う黒いデジタル端末が象徴する
グレイエリアのない0/1の世界がもたらした、
残酷性をここまで克明に描いた映画は見たことがなかった。
生活にまつわるcultureは日本だと清貧方面で
消費されがちな印象があるけど、
ともすれば政治性さえまとっている本作は強い。
ただ苦しい生活を描いているだけで、
これだけダイナミックに見せることのできる、
ケン・ローチ監督は本当にかっこいいなと思う。
他の作品も見たい。
あとNETFLIXでボージャック・ホースマンS3を見終えた。



基本コメディで緩いと思っていたら、
重めのテーマ(中絶…)だったり、
信じられないくらいの人間のダークサイドを
見せつけられてしまうので、
精神衛生が整っていないとしんどいときがある。
アカデミー賞候補になるために奮闘したり落ち込んだり。
その中で人間関係がさらに悪化していく。
ひたすらfameを追い求めたにも関わらず、
fameをゲットしても満たされないと気付いて
overdoseしていく過程はかなりキツかった
まだ折り返しで1/31から最終シーズン配信された
平易な英会話が多いので
英語の勉強にはなっている気がするので完走したい。