2014年1月7日火曜日

SAVE THE CLUB NOON



渋谷で上映しているのを知ってたんですが、
遅い時間の1回上映で足が遠のいていました。
しかし、大阪に帰ったときに十三で見れると知り、駆けつけました。
一昨年の7月に行われたSAVE THE NOONというイベントの模様と
NOONの関係者、イベントに出演したアーティストへの
インタビュー形式で風営法の話を聞くというドキュメンタリーです。
そもそもNOONって何やねんという話ですが、
大阪の老舗のクラブです。
僕は20歳ぐらいから遊びにいってましたし、
何回もDJさせてもらった思い出のクラブです。
そして、仲の良い友人、先輩の多くはここで出会った人ばかりです。
ゆえに、このクラブが風営法で摘発されたとき、
とても悲しかったし、怒りも沸きました。
風営法は戦後すぐに制定された法律で、
客が踊れるような設備を持っていた場合などに
事前に申請する必要がある法律です。
(詳しいことはwikipediaを見てみよう!)
この時代にマッチしていない法律を変えるため、
Let's Dance署名活動が展開されて、
それを促進するのがSAVE THE NOONというイベント。
このイベントはNOONにゆかりのあるアーティストが
山ほど出ていて、超豪華。
そんな彼らのライブはもちろんのこと、
風営法を含むクラブに対する色んなスタンスを
見れるのが本作最大の魅力だと思います。
クラブには皆でわいわい楽しめる楽しさもあるし、
知らない音楽、人と出会える楽しみもある。
その土台が実はグラグラしてたんだってことを痛感しました。
風営法に対するスタンスとしては
ファックバビロン!的なスタンスもあるし、
もっと建設的な意見もある。
一番うわーとなったのは、いとうせいこう氏の話。
最近、せいこうさんの小説を読み進めているんですが、
この人の先を見通す力って本当にハンパない。
人間の本能的な行為でもある「踊る」ことを禁じられて、
それを許容していれば、どんどん色んなことが制限されていく。
秘密保護法とか最たる例やなーと。
それを世界史レベルの国家観から語られたときに
はっ!としました。
自分の持っている権利に対して、
もっと能動的にならなければならないなと。

当然なんですが、オーナーの金光さんの話が一番説得力があります。
NOONが摘発されたときに
「なんで風営法申請してなかったのかな〜」と思っていたけど、
その辺もこの映画でクリアになりました。
当事者の証言は時代考証としても貴重。

ただ、この映画が2012年当時の記録映画でしかないっていうのが、
もったいないといいますか。。。
風営法の話は現在進行形なのに、リアルタイム性が少ない。
その夜の出来事を描いた作品としては素晴らしいと思いますが、
やっぱり「今」の話を聞きたかったというのが本音です。
あまりクラブに行ってないけど、
色々ときっかけになる映画だったし、
大阪で見たことは忘れられない映画体験となりました。

0 件のコメント: