2014年1月13日月曜日

蛇イチゴ



西川美和監督作品。
これだけ見逃していたので、やっと見れました。
もの悲しい家族の話で大好物なやつでした。
ある一家があって、そこは5人家族。
父、母、娘、父方の祖父で暮らしてて、
(息子がいるんだけど、出て行ってしまっている)
この何の変哲もない家族に降り掛かる不幸を
シニカルに描いていく。
まず祖父は完全にボケてて、ご飯の食べ方が無茶苦茶汚い…
見てるだけで相当不快に思うレベルで。
父は会社をリストラされているけど、
プライドが高くて、言い出せなくて、借金を大量にこさえている。
母は上述の祖父の介護で疲れ果てている。
んで、娘が観客が入り込みやすいキャラで、
とても真面目で、学校の先生をしている。
こんな歪な家族なんだけど、
冒頭のショットではそういったところが見えなくて、
色んなシーンを経ていくことで、観客に分からせていくというのは
是枝スタイルといいましょうか。とても好きでした。
娘が同僚である彼氏を連れてくるシーンは胸がつまるし、
結局それは見せかけの家族像でしかなくて、
終盤にかけて、それが脆くも崩れ去るのは辛かった。
それぞれ皆が問題を抱えているんだけど、
それをシェアできないことが原因なのも
日本の家族独特なのかなーと思ったりしました。
結局、祖父は死んじゃうんだけど、
そのときの母役の大谷直子の風呂場での顔は
最近見た映画の中で一番震えあがった。
祖父の葬式に借金取りが殴り込んでくるんですが、
その場を助けるのが、音信不通だった息子。
香典泥棒として潜り込んでた現場で
たまたま家族と出会ってしまった訳です。
その後、借金対策をその息子に両親は任せようとするけど、
真面目な娘は兄のことを信じきれなくて、反対する。
そっから娘の取る行動がまた辛いし、
ラストシーンで出てくる蛇イチゴのショットの切なさよ…
これがデビュー作とは思えない傑作!

0 件のコメント: