2014年7月18日金曜日

her / 世界にひとつだけの彼女


公開当時から超気になってて、やっとこさ見れました。
人生初のスパイク・ジョーンズ作品。
(マルコビッチの穴さえ見れてないのです。。。)
いやーオモシロかったですねー
物語の構造は王道ラブストーリーなんですが、
その対象がアンドロイド型OSっていうことで、
これだけ話が膨らむだなんて…
構造だけ見ると「ラースとその彼女」に近いかな?
儚さを感じる本作のほうが好きです。
さらに好きな要素として映画全体のビジュアル。
色の点でいうと、
主人公の服がvividな原色だとか、
主人公の働くオフィスのファンシー感。
彼の住むマンションを含む街全体の美しさ。
さらに物語に登場するガジェット類の数々のデザインの美しさ。
OSを含め遠い未来のように思えない、
絶妙な近未来感が本当に素晴らしいなぁと思いました。
お話としてはホアキン・フェニックス演じるセオドアがいて、
彼は手紙の代筆を生業にしている。
離婚直前で奥さんとは別居中。
しがない独身生活を送っているところに登場するのが、
アンドロイド型OS。従来のOSとは異なり、
まるで人間と話しているかのような対応をしてくれる。
劇中の言い方を借りるならば、物事に対して、
白黒の紋切り型の回答ではなく、グレーな部分にも対応してくれる。
そのOS(サマンサ)と日々を過ごしいく中で、恋に落ちていく物語。
サマンサの声を演じるのはスカーレット・ヨハンソンなんですが、
声の表情の豊かさが本当に抜群。
声だけの出演でローマの映画祭で最優秀女優賞を
獲得したのも納得できる。
OSに恋に落ちる設定を生かした数々の演出も秀逸。
特に代理イチャイチャのくだりは、
スカーレットの顔を知ってるだけに、
セオドアが感じる違和感に激しく共感しました。
OSがアップデートしてるときに、彼が激しく動揺し、
町中を走り回る姿は切ない。
OSが最初は感情や欲望を有していなかったのに、
セオドアとの恋で進化してしまい、
訪れる悲しい結末も儚い!という言葉に尽きる。
ギャグも全体に冴えてて、
ゲームキャラの口汚さと「沈黙の修行」は爆笑。
セオドアの前の奥さんを演じるのは、
ルーニー・マーラなんですが余りにもカワイイ…5億点!
OSとの関係性にある程度の結論を出し、
彼女と離婚する会食のシーンは地獄絵図。(褒め言葉)
本作で唯一アナログな瞬間であるのが離婚調書へのサインで、
そのサインしてるペンの音にかぶせて、
結婚していたときの良き思い出をかぶせてくる。鬼畜!
あとは、ここでの「リアル」っていうものの話ね。
はっきり言って、元奥さんの意見がある種正論で、
「不確定要素がある人間と向き合えよ!」って。
でも観客はこれまでのセオドアとOSの関係性を見てきたから、
リアルとは果たして…?となる作り。
ラストの展開と含めて、どっちが良いとか悪いとか、
安易な二元論に落とし込まないのが好き。
人は心のスキマを互いに埋めあい、
falling in love  していくんですね。全ボンクラ男子必見!

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