スパイク・ジョーンズ監督のfilmographyを追う一環で。
今年公開のherきっかけで好きになった監督なんですが、
本作はその前作ということもあり、
近年の彼の画作りのハンパなさが十分伝わってきますし、
お話も有名な絵本が原作で、ルックは子ども向けのようで、
実は大人が一番グッとくる作りになっていました。
主人公のマックスが家族と喧嘩して、
家出して船で旅に出て辿り着いたのは怪獣のいる島。
そこで彼は自らを王と名乗り、
怪獣たちと共同生活を始めるものの…というお話。
子どもって自分が一番大切にされたい願望が、
めちゃくちゃ高い訳です。
家族から雑に扱われたマックスが
怪獣たちに王として尊重されることで自尊心を満たす。
最初は彼を媒介として、トラブル続きだった怪獣世界にも、
平穏が訪れるかと思いきや、彼はただの子どもでしかなく、
再び怪獣間での仲違いが始まってしまう。
この仲違いが起こるのがキャロルという怪獣が原因。
彼は自分の考えが正しいという性格で、人の意見に耳を貸さない。
マックスはそんな彼の姿を見て疑問を抱き、
悲しい気持ちになる一方で、自分が家族に対して取った行動が
キャロルと大差がないことに気付く。
つまり、キャロルが鏡となってイニシエーションへの扉となる。
このような話を美しい映像と、
不細工ながらもcuteな怪獣たちとの関係性で描き出す。
それに加えて特筆すべきなのはアクションです。
ファンタジックな優しい世界でも、
大きな怪獣たちがたまに見せる怪獣の側面が、
物語のアクセントになっています。
特に泥団子合戦のシーンは戦争映画さながら。
ラストはもっと感傷的な別れにしてもよいところを、
敢えてwetにしすぎない締め方も好感を持ちました。
ブルーレイについているメイキングも最高の仕上がり。
ブルーレイについているメイキングも最高の仕上がり。
原作の絵本を買おうと思います。
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