2014年12月13日土曜日

ゴーン・ガール



大阪出張の隙間の時間で鑑賞してきました。

デビッド・フィンチャー監督の最新作だし、
予告編のFreshさも伴い、期待して見ました。
僕はフィンチャーの後期の傑作として、
彼のfilmogtaphyの中で語り継がれるだろうと思います。
つまり、そのぐらい素晴らしかったということです。
奥さんが謎の失踪をするというサスペンスとして、
抜群にオモシロいのは当然なんですが、
それを通じて夫婦関係がどういった形で成立するのか?
という示唆が含まれている点が興味深い。
今年最大級のネタバレ厳禁映画なので、
これから見ようと思う人は、
そっとウィンドウを閉じてください。

主人公はベン・アフレック演じるニックと、

ロザムンド・パイク演じるエイミーの夫婦。
ある日ニックが散歩から戻ったら、エイミーがいない。
家には争った形跡があり、警察を呼んで家宅捜査。
さらにエイミーを探せキャンペーンを
エイミーの両親を中心に展開し、彼女の行方を追う。
捜査を進めていくと、ニックが容疑者として浮上し…という話。
前半はごく普通のサスペンスとして展開していく。
(世界仰天ニュースとかに出てきそう)
もっと取り乱してもいいはずなのに、
やけに冷静だったり、笑顔さえ見せたりする。
奥さんを失った悲劇の主人公として振る舞うんだけど、
限りなくニックがクロだろなと思わされる流れ。
とくに浮気が発覚してからは、
ニュースキャスターと同じような気持ちになり、
こいつ最低だなと思い、
彼が犯人である可能性が頂点に達してから、
衝撃のドンデン返し!
エイミーがすべて仕組んだ罠で、
彼を妻殺しの犯人に仕立て上げて、
死刑にしてやろうという魂胆だった!
うわー!怖い!怖すぎる!と思ったと同時に、
これまでのニックへの疑いが解消する訳で、
「あれはあれなのか…」とか「ごめん…ニック」とか
思ってしまうんですよねー
前半の価値観がすべて逆転してしまい、
別の冤罪サスペンスが始まっていくのが痛快。
物事を一面的に見ているのはダメだなーとも思いました。
(あまりにエイミーの計画がパーフェクト過ぎた、
という点もありますが…)
後半は逃亡中のエイミーの様子と、
ニックが何とか自分の無罪を証明しようとする様子が、
交互に描かれていきます。
パーフェクトだと思われたエイミーの計画も、
ひょんなことで瓦解していくんですが、
彼女がそこからリカバーしていく姿が逞しくもあり、
もう本当に怖いシーンの連続。
人の親切心につけ込み、一旦身を落ち着けてから、
人の死を利用して自らをescapeさせる。
はじめの作戦に比べ、アラが目立つのは確かなんだけど、
失踪中の妻という自らの立場を利用するというね。
もはやアッパレというしかない。
結局エイミーはニックのもとへ戻ってくる。
(ここでのニックのセリフが最高!!)
何とかエイミーから逃れたいとニックは思っていたけど、
事態はそんな単純なものではなく、
今回の件を踏まえると、ニックが勝手な行動を取ったときに、
次はどういった報復が待っているか分からない訳です。
彼女が彼の退路を立つために、
クサビを一つ一つ打つのがまた怖い。
この辺で夫婦とはなんだろう?と考えさせられる。
それぞれがありたい姿、あってほしい姿に対して、
不断の努力を行い、関係性をkeep on しなきゃいけない。
どちらか片方がそれをやめたときに、
その裏切られた側が報復し、暴力的に支配する。
なんて怖い話だよ!結婚怖いよ!
他人なんて何を考えているか分からないよね〜というオチ。
とにかく見て欲しい作品でございます!

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