2014年12月10日水曜日

欲動



先日新宿武蔵野館に見に行ったら、満席でフラれたので、
シネマート六本木まで足を伸ばして見てきました。
なぜ見に行こうかと思ったかといえば、
監督が杉野希妃だったからです。
彼女がプロデューサーを務めたほとりの朔子が、
とても好きでオモシロかったので、
本人が監督したら、どんな感じかなーと期待していました。
なんですが、結論からいうと思ってたよりあんまり…
って感じでした。女優として出演もしていて、
それは素晴らしいんですが、監督としては物足りないなーと。
テーマ自体は興味深くて、性→生→死の自然の摂理の中で、
この流れは動物の本能=欲動であるというテーマ。
老いを実感し始めている最近の自分の気持ちや、
先輩、知人の子供を見たり、触れ合ったりする中で、
僕が感じたことが描かれていると感じました。
お話としては、病気の旦那とその奥さんが、
バリ在住の旦那の妹に会うためバリへ行くものの…という 内容。
冒頭ビックリするのが、鳴り響くバリの伝統音楽ケチャ。
結構長い尺で流れ続けて、
「いったい何が始まるんだ…」と思わせるツカミはナイス。
バリ紹介映画でもあり、合間にケチャを含め、
バリの伝統芸能や美しい風景が挟まれて、
確かにバリに行きたくなるし、魅力的だと思います。
でも、その一つ一つのシーンが長いんですよね…
描こうとしてることは好きなんだけど、
この演出で映画全体のテンポが悪くなって、
見ているとめっちゃダレてくるんですよねー
難病ものにカテゴライズすることもできる本作ですが、
よくある邦画の命を雑に扱う骨抜きクソ映画とは一線を画す。
それは会話を含めた人間同士の距離感や生々しさが、
物語へと引き込む力を持っていると思います。
特に生々しさの点ですが、前述したとおり、
SEXして、子供が生まれて、死んでいくことは動物の基本原理。
しかし、人間には理性というものがあって、
他の動物と異なり、SEXをsaveする側面を持つが、
それがどうにもならない欲動もあると。
同時に理性が働き過ぎた結果、
人をモノのように扱う側面もあったり…
この辺のことを主演の斎藤工、三津谷葉子の2人で、
セクシーを全面に押し出しながら描いていきます。
2人ともセクシーを超えたエロス全開で素晴らしかった!
工の方は死に向かっているので、
行動原理が理解しやすい存在です。
一方の三津谷葉子は行動原理が見えにくい。
それが欲動なんです!って言われたら、そうですか…となるけど、
インドネシア人のジゴロとのエピソードは退屈でした。。
劇中のセリフはポイントポイントで好きなものがあって、
「だから日本人の男って嫌なのよね〜」とか
「いなくなることは自然なことなんだよ」とか。
圧巻なのは妹の出産に立ち会ってからの〜
超濃厚なSEXシーン!脱ぎっぷりは当然のことながら、
スクリーンから匂い立ってきそうな勢い。
子ども生まれた!旦那は死ぬかも!SEXするしかない!
この欲動はストレートで清々しかったです。
斎藤工ファンは必見の映画だと思います。

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