2014年12月23日火曜日

マップ・トゥ・ザ・スターズ



初めてのデヴィッド・クローネンバーグ監督作品。
ザ・フライとかイースタン・プロミスとか、
見なきゃいけない作品を放置したまま、
とりあえず最新作から見てみようということで。
どうかしてる作品が多い噂は聞いていましたが、
マジでかなりぶっ飛んでいました!
こんなに基地外の人しか出てこない映画は見たことない!
(感覚的に近かったのはペーパーボーイ)
しかも、パッと見は何の変哲もないんだけど、
物語が進んでいけばいくほど、Crazy!!としか
言いようがない静かに狂った人間たちの群像劇。
御年71歳の切れ味はとても思えない…
お話としてはハリウッドのセレブのゴシップネタになりそうな、
スキャンダラスな事態が矢継ぎ早に明らかになるというもの。
大きく分けて2つのストーリーがあって、
ジュリアン・ムーア演じるハヴァナという有名女優がいて、
自身の母親も有名女優だった。
その母の出演作品をリメイクすることになり、
どうしても自分が母が演じた役を演じたいと画策する。
もう一つのストーリーはハリウッドの子役と
その家族をメインに描いたストーリー。
子役はヤク中で、その自由奔放な生活を制限し、
映画出演をなんとか勝ちとろうとする。
この2つのストーリーを繋ぐのがアガサという、
大きな火傷を負った女性。
知り合いのツテで、ハヴァナの秘書を務めることになった
彼女が実は…という展開。
とにかく本作はジュリアン・ムーアの演技に尽きる。
今年はドン・ジョンやフライトゲームで見ていましたが、
本作の振り切れ具合は凄まじい!
狂っている意地悪なババアを見事に演じていました。
自分が演じたい役に異様に固執し、
それを逃した時のシャウト。
監督と仲良い俳優とゴマすり3Pに興じたり、
アガサの恋人と略奪SEXしたり、もうむちゃくちゃ。
とくに笑ったのが、演じる予定だった女優さんの息子が、
事故で亡くなってしまい、自分が代役に決定する。
このときに亡くなった子どもを讃えるように、
息子の名前を入れて歌いながら小躍りするっていう。
残酷極まりないけど、笑えてくるんですなー
2世のカルマということなんだろうけど、
それで片付かない狂気がそこには存在する。
設定や話の中身も狂っているんだけど、
スクリーン上で起きていることが強烈過ぎる。
それが日常の延長で、「えっ、普通ですけど?」
みたいな描かれ方するからたまんない。
もう一つの子役の家族のストーリーも強烈。
マコーレ・カルキンとか、
こんな感じやったんかなーと思わせる傲慢っぷり。
小さい頃からチヤホヤされているから、
完全に王様状態でプライド高いしワガママ。
自分の作品で脇役の子どもが少し活躍しただけで、
ブチ切れたりねーあとはウンコを売る話や、
冗談で犬を殺してしまうシーンが最高。
しかも、親父のセラピスト役がジョン・キューザック!
今回は相対的にまともな役なんだけど、
ハヴァナのセラピーシーンは狂気。
そして、アガサがまともなのかと思いきや、
火傷の理由が明らかになり、狂っていることがよく分かる。
しかも、終盤には家族にまつわる、
追加の狂気設定を放り込んできて、
「うわぁ…」と声に出てしまいましたね。。
狂っている映画を見たい方には大推薦!

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