2014年5月6日火曜日

ガタカ



ある本を読むための予習として見ました。
イーサン・ホーク、ユア・サーマン、
ジュード・ロウ、アラン・アーキン等の
有名俳優が出ている近未来SFです。
97年公開なので、いかんせん先の見通し方が
微妙だったりしますが、近い未来の話かも。
と思わされました。
CGが発展する直前なので、アナログ感が否めないのも
CG全盛期の今の時代に見ると乙な雰囲気。

この物語は遺伝子ですべてが決まる時代の話で、
子どもを産むときも人工授精。
遺伝子工学が発展した社会なので、
受精段階で遺伝子をいじくって、
運動能力や疾患性などをある程度コントロールできる。
イーサン・ホーク演じるビンセントは
そんな時代に珍しく、自然出産で産まれた人間。
産まれた時点で心臓に疾患を持つことが明らかになる。
今の世界だと差別というのは、
宗教、言葉や肌の色など、表面的なことだけど、
本作の時代では遺伝子を調べて優れてるかどうか判明する。
そして、優れた人間は高等な扱いを受け、
能力の劣る人間は下等な扱いを受ける。
つまり、いくら努力しても細胞レベルで
超えられない壁が存在する訳です。
ビンセントはどうしても宇宙飛行士になりたくて、
宇宙開発機関のGattacaで働けるように画策。
見つけた方法が、
ジュード・ロウ演じるジェロームという
優れた遺伝子を持ちながらも、
交通事故で下半身不随となった男になりすますこと。
ここのギミックがいかにもアナログで結構おもしろかった。
(体めっちゃ洗う、毛めっちゃ剃るとかw)
ツッコミどころ多いけど、バレる/バレないのハラハラ感はあります。
努力で何ともならない世界の厳しさは、見てて心が痛みました。
映画全体が抑制された演出で、
システマティックにすべてがコントロールされている印象。
それが世界観とマッチしていて美しくも見えるけど、
無菌化されつつある今の社会が、
この方向に進んでいるのかも…と思うと頭が痛くなりました。
でも、ラストシーンで唯一、人類の反抗というか、
この物語における価値観へのカウンターとなっていたのは、
せめてもの救いかなと思いました。
2014年に見て現実味が増しているのも含めて、
このタイミングで是非見てみてください。

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