2014年2月15日土曜日

ほえる犬は噛まない



粛々とポン・ジュノ作品を見進めております。
タイトルに惹かれて、見てみました。
そもそも僕は犬が好きではありません。
そして、犬を題材にしている「イヌ映画」も好きではありません。
「とりあえず犬出して、感動っぽく作ったらいいっしょ?」
という浅ましい魂胆が透けて見えるからです。
(ほとんど見たことないけどw)
じゃあ、本作はどうなんだといえば、
犬を題材にしたコミカルサスペンスで、やんごとなき作品でした…
これこそ鬼才と呼ぶべき監督だなぁと。こんなの思いつかないよ!

ある団地内で犬の失踪事件が相次ぐ。
そこに住む教授候補の大学院生と、
マンションの管理組合で働く女の子が主人公。
事件を通じて、それぞれの人間性を描いていく。
大学院生は僕と同じで犬嫌い。
団地内で聞こえる犬の鳴き声にイライラしてしまい、
ある犬を地下に閉じ込めちゃう。
すると、地下には捕まえた犬を食す管理人がいて…
このシークエンスの恐ろしさは、
冷たい熱帯魚のでんでん以来のおじさん怖い系。
(犬の種類がシーズーなのもエグ味倍増)
そして、主人公も鳴き声のうるさい犬をぶっ殺してしまう。
それを目撃するのが前述の女の子。
地味なマンション組合で働いているんだけど、
wanna be系でいつか何者かになるんだ!と憧れている。
目撃したことで、彼を捕まえればヒーローになれる!
と思い、犯人探しを続ける訳です。
この役をねーペ・ドゥナが演じてて最高。
そして、2人を繋ぐのはこの事件だけではなくて、
彼の奥さんが買ってきた犬が行方不明になったのを、
捜索するという関係性もある。
この犬を通じた表裏一体の関係性がオモシロかったです。
あと団地が舞台になっているのを
生かしたアクションもおもしろかったし、
特に引きのショットが良かったな〜
ポン・ジュノのfilmographyでは初期の作品ですが、
犬好き以外の人は必見です。

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