あかんやつら 東映京都撮影所血風録
伊賀大介さん、水道橋博士がメルマガで、
激プッシュしていた本作。
50〜80年代の東映映画および東映京都撮影所の話です。
押されていたけれど、読むの躊躇してました。
なぜなら、映画をたくさん見ているんだけど、
物語で描かれている東映作品を
見たことがほとんど無かったから。
んで実際読み始めたら、
そんなん関係なくて、無類にオモシロい!
文体が単純な回顧録でもないし、分析でもなく、
大河タッチなのが肝だと思います。
見たことなくても、その映画が見たくなる。
東映作品や、それに出てる俳優のエピソードも
最高なんだけど、何よりもオモシロいのが
当時の撮影所や製作スタッフたちの話。
アツい、アツ過ぎる、漢たちの物語。
損得勘定抜きの漢同士の友情。
正月ひたすら読んで興奮して、泣いてました。
映画好きな人はもちろん、漢の物語が好きな人はマスト!
解体屋外伝: いとうせいこうレトロスペクティブ
超傑作「想像ラジオ」を昨年読み、
小説家いとうせいこうの凄みを体験したのち、
過去作を読み進めている一環で読みました。
レトロスペクティブシリーズと題して、現在復刊しています。
ワールズ・エンド・ガーデンという作品に出てきた、
洗脳を解除する解体屋のスピンオフ的な作品。
ウォッシャーと呼ばれる洗脳屋と戦うSF物語で、
僕はワールズ・エンド・ガーデンの方が好きだけど、
こっちのほうを映画化して欲しい。
言葉の使い手としての才能が満ちあふれている作品。
骨を彩る
R-18文学賞というのがあって、
この賞をとった人の作品に軒並みヤラれちゃっています。
山内マリコとか窪美澄とか。
前作である「あのひとは蜘蛛をつぶせない」を
友人に薦められ、読んだところ、まぁオモシロかったと。
そんな彼女の2作目。
帯に「本物だった」というコメントがあるんですが、
僕も同感で前作よりもはるかに好きです。
まず文体というか、一瞬の切り取り方が美し過ぎる!
日常で絶対に見たことある風景なんだけど、
こんな叙情性をもって書ける人はいないんじゃないだろうか。
本作は短編が5作収録されてるんだけど、
それぞれが全部繋がっている。
最初とラストの結びつけ方が映画みたいで素晴らしかった!
この作品については、
教えてくれた友人のレビューが素晴らしいので、
読んだ方はそちらもご参考までに→bookworm's digest
トマス・ピンチョン全小説 LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)
ピンチョンの作品、読みてーな!と思って早数年。
彼の作品の中で最も読みやすいと評判で、
しかも映画化されると聞き、読んでみました。
正直、これで一番読みやすいんかよ…って感じでした。
1970年ごろのLAを舞台にした探偵もので、
GATシリーズとか思い出しながら読んでました。
表紙がおしゃれなので、家に置いておくのもいいでしょう。
ユーミンの罪 (講談社現代新書)
最近出た新書です。
日本人でユーミンの曲聞いたこと無い人はいないだろう、
っていうくらい全世代に渡って人気のあるユーミン。
彼女のデビューから1991年頃までの作品を読み解いている本です。
これもあかんやつらと同様で、
そんなに聞いたこと無いしなーと思いながら読み始めたら、
一気に読了してしまいました。
ユーミンの歌詞の世界の豊かさよ…
僕はラップが好きなんですが、
その理由が歌に比べて情報量多いし、色んな意味を包含できるところ。
逆に言えば、歌は情報量が少ない分、聞き手に残されている行間が多い。
その面白みに気づかされました。
バブル期とユーミンの関係性や、そこから導きだす女性論。
文体もユルいので、読みやすいです。
2014年2月2日日曜日
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