2014年10月27日月曜日

まほろ駅前狂騒曲



前作はTV録画で見て、結構好きだなーと思い、
元の小説を読んだら、更にハマってしまい、
3冊出てるまほろシリーズはすべて読んでしまいました…
2作目はTVドラマシリーズで大根監督によって、
映像化されていますが、未見のまま鑑賞いたしました。
本作は3作目の映像化で、監督は大森立嗣氏。
1作目も監督を担当していて、
他にはさよなら渓谷とかも同監督作品。
かなり好きな要素が揃っている作品なんですが、
今イチ…っていう結果でした。なんでなんだよ!
先に原作を読んでいたことも影響したんですが、
改訂したところが、あんまりうまくいってない印象。
もともと原作自体も散らかっているんですが、
本だとその雑多感こそ「まほろ感」という形で、
落とし込んでいるので、好きだったんですよね。
一方で、映画化にあたっては、
膨らませるところと端折るところを、
間違ってしまったかなーと個人的に思いました。
ここから先はある程度前作を見ている、
もしくはまほろシリーズを読んでいる方しか、
分からないような書き方しますが、ご容赦ください。

行天が多田便利軒にやってきて2年後が舞台となっていて、
行天が遺伝子上の父である「はる」という子の子守りをする話と、
HHFAという無農薬野菜を売る団体にまつわる話の
主に2本立てで構成されております。
今回は行天中心の話が多く、今まで謎だった過去に、
上記2つのストーリーから迫っていきます。
何が不満だったかって、この2つのエピソードのバランスです。
確かに野菜団体の話の方が、
派手な要素が原作に多かったのは事実。
それで、その風呂敷の広げ方が良かったらいいんだけど、
安っぽいんだよなー全体的に。
背景説明が不自然なセリフ説明だとか、
終盤はバスジャックが起こるんですが、
ここのリアリティラインの設定も本当に不可解。
見た目は派手に見えるけれど、浅くてつまんない。
このまほろシリーズは2人がバディとして、
働いている瞬間が一番輝いているのに、
その要素がほとんどないのも至極残念。
それが前述したバランスの話にも直結するんですが、
この2人はそれぞれ「子ども」に対して、
過去の経験から抱える思いがある訳です。
ゆえにこの2人が子どもを預かるということは、
ただ単に子守りをするっていうことではなくて、
業を肯定する作業なんですね。
その部分も描いているんですが、
もっと掘り下げようあったんちゃうかなーと思いました。
それこそバディ要素と絡めて子どもの扱いに
四苦八苦する姿はもっと見せて欲しかったです。
ただ、1個1個の小ネタはやっぱりオモシロくて、
マジでくだらないんだけど、
2人のじゃれ合いは見てて微笑ましくてしょうがない。
永瀬正敏以外の脇を固める俳優陣も良くて、
特に監督および大森南朋の父である麿赤兒の
ふんどし姿は一生忘れないショットでした。笑
何気ない日常の機微のオモシロさを描いた作品なのに、
変に受け狙いで非日常を無理矢理つめこんだ結果、
歪みが出てしまうという誰も得しない映画になったことが、
本当に哀しくてしょうがないと思った作品でした。

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