2014年10月2日木曜日

フラッシュバックメモリーズ 3D


なかなか3Dで見れるタイミングがありませんでした。
いつの日か…と思っていたら、
テアトル新宿でリバイバルやってる!と知り、
ソッコーでチケット買って見てきました。
Movie Town TOKYO万歳!
噂は色んな人から聞いていたんですが、
それを上回る衝撃がありました。
言葉にするのが野暮なタイプの映画で、
これはもう見てもらうしか無いと思うし、
3D環境で見た方が良いと思います。
と言いつつも、僕の言葉で書き記しておきたいと思います。
本作はGOMAというミュージシャンのドキュメンタリーです。
彼はアボリジニの伝統的な楽器である、ディジュリドゥの使い手。
2009年に交通事故に遭い、後天的な記憶障害となり、
過去の記憶が抜け落ちたり、
感情のコントロールが効かなくなってしまいました。
そういったGOMAの事故以前、以降を、
彼のライブ映像を通じて描いていく。
前半はGOMAという人がどういった人なのかを、
過去の映像を通じて紹介されていきます。
それが単に過去の映像を流すだけではなくて、
渋谷のWWWというライブハウスで、
ライブしている背景に合成ではめていく形。
ライブ自体はGOMAのディジュリドゥと、
ドラム1人+パーカッション×2というミニマルな構成。
そのエゲつないGrooveの音の洪水を浴びながら、
彼がどういった人物か知ることになる。
正直なところ、前半はミニマルな音楽と
淡々とした人物紹介なので少し退屈。
時系列で順々に紹介されていく中で、
2009年の交通事故からドキュメンタリーとしてのアクセルがかかる。
GOMA本人の日記による、
記憶を失ったことの苦労が主観的に語られる一方で、
奥さんの日記による客観の視点を交えることで、
記憶障害がどういうものか、包括的に分かってくる。
文字の記憶や電車の乗り方さえもままならない中で、
ディジュリドゥの演奏は体が覚えてて、
時間をかけて体の記憶を呼び起こす。
これを見ると頭の中で覚えていることなんて、
たいしたことではなく、フィジカル性の強みをひしひしと感じました。
フィジカル性を娘が自転車を乗れるようになったこと、
それと比較する形で描くのが上手いなーと。
ここまで紹介した話もGOMA本人の声ではなく、
日記をスクリーンに映し出しながら、
ひたすらGOMAのライブ映像を流し続ける。
具体的な言葉は無くとも、音楽で語る雄弁さよ…
ディジュリドゥとビートだけなんだけど、
ディジュリドゥがベースの役割となり、
それと同時にGOMAが指揮者の役割を担っている。
音楽としてはミニマルなんだけど、超かっこいい!
特に短いディジュリドゥと3Dの相性の良さ!
あと、この映画を見て「確かに」と思ったのが、
年を取れば取るほど、人は過去を媒介にして、
会話することが増えていくということ。
その過去が無くなったGOMA氏ゆえの視点だなーと思います。
3Dで見ることで、GOMAの頭の中、
記憶を見ているような感覚になるので、
これは3Dで見るべき!

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