2014年10月13日月曜日

ブラックブック



先日、某パイセンの結婚式だったんですが、
その人に幾度となくpushされたにも関わらず、
スルーしていました。ポール・ヴァーホーベン監督作品。
ジャケ写でナチものかーぐらいの感じだったんですが、
かなり複雑な事態の話で、サスペンスとしても
オモシロいのはさることながら、
ナチものとしてのバランス感覚がfreshだなーと思いました。
主人公はオランダにいるユダヤ人の女性。
第2次大戦当時、オランダはナチス軍占領下。
当然の如く、彼女は迫害の危機にさらされている中で、
オランダ軍に潜入し、スパイ活動するものの…という話。
前半はスパイものとして、彼女が活躍するのが中心。
中盤から後半にかけては、スパイとして行動したことによる、
苦難が待ち構えている作り。
いかんせん、彼女は信じた人にことごとく裏切られるのが辛い。
ナチスものの場合、歴史的背景から考えて、
ナチスが100%悪という形で描かれることが多い中、
本作は「必ずしもそうではないのでは?」
という問題提起がされています。
確かにナチスは最悪で決して良い訳ではないんだけど、
そのシステムの中で適合し、
生き延びるための選択肢だとしたらって考えられませんか?と。
一個人の信念ではなく、個人を取り込むシステムに問題があり、
でも、そのシステムに抗うと、どうしようもない。
とくに終戦後のオランダの描写は、
その辺を考えさせられる作りになっていると思います。
(歴史に残る糞尿ぶっかけシーンが辛い…)
過去として客観視して、それは悪だって言うのは簡単なんだけど、
果たして、地獄のような環境の中で自らの命を投げ打ってまで、
理想、信念のもと行動できるかっていうねー
ラストに彼女が戻る場所がまたさぁ〜イスラエルかよっていう。
ユダヤ人が受け入れる苦難って何なんだ。。
この辺はたくさん勉強しないとなーと思います。

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