2014年10月19日日曜日

泣く男



アジョシを撮ったイ・ジョンボム監督最新作。
気合い入れて、初日に見てきました。
多少、話運びに難があるものの、
前作同様のハンパなきアクションによって、
すべてを凌駕している素晴らしい作品でした。
韓国映画のアクションレベルは、
とんでもない領域に突入しているように思います。
この映画、オープニングがとても好きで、
それだけで何回も見たくなるくらい今年ベスト級。
始まって、黒人女性歌手がナイトクラブで、
ライブショーを行うところから始まるんですが、
歌うのがSadeのSmooth Operator!
ウォっ!マジか!って意表を突かれたのも束の間、
主演のチャン・ドンゴンと女の子の他愛もないやり取りから、
実は彼が殺し屋で取引中の奴らを皆殺し!
部屋の外で物音がしたから、反射的に撃ちまくったら、
扉の向こうにはさっきの女の子がいて血を流している…
タイトルどーん!はい、最高!
この時点で心をギュッと鷲掴みにされ、
あとは主人公の殺し屋と同様、物語に身を委ねるばかり。
話としては冷徹な殺し屋が誤って、
子どもを殺してしまった罪悪感から、
贖罪の気持ちで子どもの母親を悪の組織から守るというもの。
冒頭しかりなんですが、アクションがとにかく凄まじい!
チャン・ドンゴンはアメリカの特殊部隊で訓練も行っているそうで、
それはもうハンパなき迫力でした。
アジョシは肉弾戦重視だったのに対して、
今回はガンアクション重視で銃弾の雨あられ。
ハイライトはマンションでの銃撃戦ですね。
殴り込みかけて、得意のナイフアクション見せつつ、
そっから板挟みの状況に陥って、
ショットガンをとにかく撃ちまくる!
(銃弾を避けるのに、体を細めてタイヤ部分に隠れるのとか、
なんかリアリティを感じて好きでした。笑)
どこを取っても素晴らしいの一言に尽きます。
登場人物はほぼ漢なんですが、全員がイイ顔してんすよね〜
韓国映画はここも強みだと思います。
チャン・ドンゴンは丸2日寝てない、
渡辺いっけいみたいな顔だし。笑
漢だらけの中で紅一点のキム・ミニもまた良くて。
子どもを殺された母役なんですが、
仕事は万事うまくいってるものの、
離婚時に子どもを仕事のために手放した、
という業の背負い方は切ない。
子どもと母を繋ぐ「ダニーボーイ」は号泣メーン!でした。
この業こそが、冷徹な殺し屋である、
チャン・ドンゴンの過去とリンクしていく話の展開も好きでした。
この2人は計3回しか劇中で顔を合わせなくて、
彼が殺し屋であるということを知らないまま。
マンションでの一線を越える/越えないところが、
きっちり動線で表現されてる演出も素晴らしかったなぁ。
最後の1回は悲劇的なんですが…
ただ、話運びをもうちょっとシンプルにしても良かったのかなー
とは思いました。USBがマクガフィンなんですが、
それにしても終盤の雑な扱いがなんだかなぁって感じでした。
泣く男というタイトルの意味は最後に判明するんですが、
ここで初めて中盤にあるシーンが回収されて、
「あぁ…」という気持ちになりました。
劇場の大きなスクリーンで、
凄まじいガンアクションを目撃すべきだと思います!

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