2014年10月31日金曜日

イコライザー



予告編で19秒ですべてを片付ける男!みたいな宣伝に、
興味をひかれて、見てきました。
主演はデンゼル・ワシントンなんですが、
ワシントン無双!って感じで、超楽しかったです。
監督はトレーニング・デイとか撮ってるアントワーン・フークア
映画秘宝におけるギンティ小林氏が言うところの、
「ナメテタやつが実は殺人マシーンだった映画」の系譜で、
アジョシのような重厚さはないけど、いわゆるハリウッド的なことを
逆張りで全開で見せて、ギャグの領域まで昇華しているなー
と見ている間に思いました。
デンゼル・ワシントン演じるロバートは、
ホームセンターに勤務する超真面目なイイおじさん。
冒頭、彼が朝起きてから寝るまでの行動パターンが描かれるんですが、
そこでウルトラ几帳面な性格が窺い知れる。
寸分違わず、日々の生活を営んでいるのが、
なんかかっこいいんですよねーア(↑)コガレ
彼は不眠症で、深夜には24時間営業のダイナーで、
本を読むことを日課としています。
そのダイナーで出会うのが、
クロエ・グレース・モレッツ演じるロシアン売春婦。
彼女を売春生活のループから救ってあげようと決意し、
普段は真面目で、几帳面で、優しい彼が、
pimpであるロシアンマフィアに殴り込みをかけるところから、
映画全体のアクセルがかかる。
マフィアが「初老のおっさんが来るところじゃねーよ!」
と完全になめた態度を取り、彼女を奪還する交渉は決裂。
あきらめて帰るかと思いきや、
机に置いてある髑髏を丁寧に3人のマフィアと正対させ~の~
ドアを謎に何回もパタパタ開け閉めしてからの~
ミ・ナ・ゴ・ロ・シ!!!最高やないか!
物語中で彼の一貫した姿勢として、自分で武器を携行しません。
敵の武器や周りにあるもの、環境を利用して、
的確に急所を狙い、K.U.F.Uの精神でぶっ殺していきます。
例えば、この最初の殺しのシーンではコルク抜きを
下あごにぶっ刺して、グリグリするのがFRESH!
無事にクロエの救出には成功するんだけど、
ロシアンマフィアの親玉に目をつけられ、
ロバートvsマフィアの全面戦争が始まります。
敵のマフィアがまた好敵手でよいんですよねー
陰惨で慈悲のかけらもなく、相手に容赦ないし、
全身タトゥーだらけなんですが、
それを舐めるように見せるショットが超COOL!
それに対して、ロバートは常に敵の裏をかきながら、
ボコボコにしていくのが痛快なんだよな~
殺し屋のときは完全にその顔なんだけど、
普段の生活ではすげーイイやつで、そのギャップに惚れるし、
ゆえに「悪い奴は許さん!」という姿勢に共感しやすい作り。
ホームセンターで働いている設定が本作では重要で、
その設定を生かした様々な演出が素晴らしいです。
人を車の中に監禁し、排気口とホースをつないで、
社内へ排気ガスを充満させるDIY拷問装置。
強盗に対して報復する際には、
ホームセンターのハンマーを拝借して、それを売り場に戻す。
1個1個がK.U.F.Uにあふれてるし、笑っちゃうギャグになってる。
タンカー爆破なんて、ザ・ハリウッド!な感じなんですが、
ロバートがあまりに無双過ぎて笑えてくる。
(やってることデカい割に、実際の作業は省略してました。笑)
終盤はロシアンマフィアとホームセンターで決戦となります。
同僚を人質に取られますが、ロバートはそんなことで動じません。
直前に車で移動するシーンあるし、
マフィア側も30分で着かないと同僚を殺すって言ってるのに、
本人はバスで現場まで移動します。
笑かしにかかっているでしょ、これは?!
ホームセンターという彼にとっては殺しの道具が、
山ほど揃っているホームグラウンドで、
集大成と言わんばかりに、その場にあるもので殺しまくる!
最後の最後も銃かと思いきや…電動釘打ち機!笑
結局すべてをミナゴロシにして終わるんですが、
こんだけ殺人マシーンと派手に暴れたんだから、
別の町で別の人生を歩むかと思いきや、
またダイナーでいつも通り本読んどるやないか!
っていうボケも入れてきて最高でした。
この監督の作品をもっと見ようと思わされた傑作でした。

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