2014年10月21日火曜日

マンダレイ



ラース・フォントリアー監督作品。
彼のフィルモグラフィーを追いかける一環で見ました。
ドッグヴィルの続編なんですが、
まーこれも例のごとくキツい内容でした。
暴力やSEXはかなり抑制されているものの、
本作はテーマ、メッセージが痛烈過ぎて…
構造フェチとしては最高に興味深い作品。

ドッグヴィルの主人公の女性が、
ギャングの父と、ある村を訪れたところ、
とっくに無くなったはずの奴隷制度が存続している。
女性は理想に燃え、その村に自由と民主制をもたらし、
奴隷を解放しようと意欲的に働きます。
最初はうまくいくように見えるんですが、
徐々に歯車が狂ってきて…という話。
ドッグヴィルと同様、演劇の舞台のように、
広いところにセットが設けられ、
白線で区切られている空間で話が進んでいきます。
ざっくりまとめちゃうと、
余計なお世話だバカヤロウ!な話なんですが、
果たしてそれだけなのか?と考えさせる作りなのが、
ラース・フォントリアー監督ならでは。
両方の良いところと悪いところを見せて、
物語上は結論が出るんだけど、
どうしたって考えさせられるんだよなー
奴隷制度が悪いものってことは、
ある種、思考停止で受け入れる事実だとは思うんですが、
奴隷側がそのロールを積極的に受け入れ、
その生き方を自ら選択していたとすれば?
それと同時に、主人公が提示する自由や民主主義が、
絶対的な正解ではないってことを提示してくる。
最初と最後のむち打ちの対比はヤラレター!と思いました。
エンドロールでDavid BowieのYoung Americans が流れる中、
過去のアメリカの映像が流れることから、
アメリカの対テロ戦争へのカウンターを意識している。
このあたりの内容については、
荻上チキさんの素晴らしい解説ありましたので、
見終わったら、これも読んでみると良いと思います→リンク
ドッグヴィル見た人は必見。

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