2014年9月15日月曜日

マルティニークからの祈り



14日はTOHOで安く見れるので、何見ようかなーと思ってたら、
本作を見つけて、有楽町のシャンテで見てきました。
予告編を1回だけ見て、辛いだろうなと思ってたら、
予想通り、ヒドく、辛い、実話ベースの社会派ムービーでした。
1人の主婦が韓国からフランスまでコカインと知らずに、
トランクを運んだことにより、フランスで逮捕される話なんですが、
悪い人ではなく、どこにでもいるイチ女性が主人公なので、
ライド性が高く、見てて心が痛みました。
しかも実話ベースの作品というね…
もし自分だと考えただけで身の毛がよだつ。
いわゆる冤罪ものではあるんだけど、
完全にシロではないビミョーなラインなのもポイントで。
主人公の旦那が友人の借金の保証人になっていて、
その友人が自殺してしまったことで、膨大な借金を背負うことになる。
住んでた家や工場を差し押さえられて、
引っ越した先の家賃でさえも払えない状況になります。
そんなときに旦那の友人から「金の原石を運んだら、お金あげるよ」
と仕事を紹介され、奥さんがその仕事を引き受けて、
ソウル→パリで運んだら税関で捕まってしまい、
フランスで裁判されることになるものの…という話。
物語はフランスで拘束されている奥さんの状況と、
なんとか奥さんを取り戻そうとする旦那の状況を交互に描いていきます。
奥さんの方は、もうただただ辛い。。
まずフランスだから英語さえも通じないし、彼女自身も話せない。
向こうが何を言っているかも理解できない訳です。
コカイン密輸は重罪なので、
途中からマルティニークというカリブ海に浮かぶ島の刑務所へ移送。
そこが輪をかけたような地獄。女性刑務所なんですが、
98%が黒人でアジア人なんていやしない。
当然の如く虐められるし、刑務官も最悪で、
巨大女性刑務官にレイプされそうになったり。
どこまで事実かは置いておいても、あまりに壮絶過ぎました。
一方で旦那の捜索は素人ながらもヤクザと協力しつつ、
なんとか主犯の逮捕にまで漕ぎ着けて、
奥さんがコカインと知らず運んだ証言を犯人から取り付ける。
この証言をフランスへ送り、裁判を始めれば、
奥さんは解放されることになるんですが、
ここからも不運が続きます。
それは大使館の怠慢な対応が原因で、
その証言がフランスの裁判所にまで届いていない。
拘束が延長される度に、弁護士、裁判官に、
「通訳つけて、証言がどうなっているか確認してよ」
とフランス語で言われるけど、理解できないから、
ただただ時間だけが過ぎていくというね…
ここまで述べてきたように余りに不幸が重なり過ぎた結果、
約2年間もフランスの刑務所へ勾留される。
途中で仮釈放にはなるんですが、
マルティニークからは出れないので、
お金もなくて、ご飯も食べれず死にかけたり。
大使館描写は相当デフォルメあるにせよ、
マジで代わりにぶっ殺してやろうかと思うぐらい腹立つ。
結局はTV局の取材による番組放映によって、
世論が喚起されて、事態は収束していきます。
(ネット描写はややダサかったです)
自己責任論がはびこる中で、
たとえばジャーナリストが現地で拘束されて、
その救助で自衛隊が出動とかなると、
「行ったやつが悪いやろ。税金無駄使いすんな」
とか言う人がいますが、コレ見てもまだ言えるかい?
と自分の胸に聞いて欲しいところです。
最終的には救われる訳ですが、
空港での家族との再会の描写は切なかったです。
そういうことになるのか…と。
巻き込まれ型映画として、とても恐ろしいので、
海外旅行行く前には見ないように!

0 件のコメント: