2016年7月29日金曜日

宇宙戦争



黒沢清監督の本で取り上げれていましたし、
某先輩に「宇宙戦争をこれから楽しめるのは幸せなこと」
とまで言わしめる作品。
スピルバーグ監督作品で主演トム・クルーズ、
地球外生命体の侵略という話の内容から、
予定調和の塊のように思われる方が多いかもしれません。
確かにその側面もあるんですが、
ただのSFじゃないのはスピルバーグ印というべきでしょうか。
黒沢監督が言及していたのは中盤と終盤の
いずれもワンショットのシーン。
中盤のシーンではトムの銃が奪われたあと、
その銃が他人同士の殺し合いに使われてしまう。
十分に陰惨さが伝わってきたんですが、
殺戮と難民というテーマが象徴されていて、
なおかつ暴力の連続性を示しているという論考を見ると、
映画を理解することは奥深いことだなーと思います。
終盤のシーンはより情的な的な見方で
ワンショットで見せることで
「当たった〜」という純粋な感動があると、
黒沢監督は主張していました。
あと本作の魅力はバイオレンス描写ですね。
とくに血を使った演出が秀逸で、
終盤の外へ出た時の文字通りの地獄絵図っぷりが圧巻でしたし、
これ戦争映画じゃん!な展開はスピルバーグならでは。
トムの娘のヒステリックっぷりも相当ハードで、
スクリームっぷりが最高最高でした。
地球外生命体側の文明のロジックの弱さは
気になったけれどそれはSFに付き物な話。
スピルバーグ監督作品は能動的にならないと、
なかなか見ないので意識して見たいと思います。

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