2016年7月30日土曜日

A2



ということでAから続けて見ました。
Aの撮影から数年後にオウム真理教へ
森達也監督が再度密着したドキュメンタリー。
これが撮影されたのは1999年で公開が2001年。
2010年代に入って顕著となった、
他人に対して不寛容な社会の萌芽がここにあると感じました。
前作のAでは教団内部にフォーカスを当てて、
どういった考えを持っているのか描いていました。
一方の本作は外側の人、オウムと対峙する
一般の人たちにフォーカスを当てています。
具体的には彼らが共同生活を営むアジトを構えたところへ、
自治体、地域住民が退去させようと押し掛けてくる。
Aでも見られたんですが善意、正義を掲げる暴力って、
ホント狂信的で怖いなーと思いました。
いつ自分にどんな理由で同じような暴力が
降りかかるか分からないのに、
他人に対して大義を胸に抱えて遠慮なく暴力性を発揮する。
この当時はオウムが絶対悪として
社会的に認知されていましたし、
彼らがアジトを構えたら何をするか分からない、
その前例がサリンだった訳ですから、
心情的に拒絶するのは当然理解できる話です。
ここから10年近くたった今、
その範囲が人種や性的嗜好まで拡張してしまって
ヘイトが溢れる社会になってしまっている現状を
まるで予言するかのような作品になっていました。
森監督は映画よりもたくさんの著書があるので、
少しずつ読みたいなーと思っています。
あと本作の完全版を劇場で見逃したので、
どこか機会があれば駆けつけたい所存です。

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