2016年4月30日土曜日

レヴェナント:蘇えりし者



ディカプリオがアカデミー主演男優賞、
監督のイニャリトゥがバードマンに引き続き、
監督賞を受賞したことで注目度が高い作品
ということで見てきました。
IMAXで見たこともあって、
映像と音の圧倒的迫力にヤラれました。
撮影監督もバードマンに引き続き、
エマニュエル・ルベツキということもあり、
「なんじゃこりゃ!」という見たことがない
ショットの連続で興奮しまくりでした。
お話自体はシンプルなんだけど、
復讐がテーマになっているので重厚。
映画館で見て良かったなーと思いました。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

鳩(?)の鳴き声らしき音が聞こえ始めて、
ある村が襲われた様子が描かれて、
静かなトーンで物語が始まります。
ディカプリオ演じるグラスと息子が
猟をしているとベースキャンプから銃声が聞こえ、
戻ってみると原住民がハンターチームの仲間を
襲っている場面に遭遇。
ここでのアクションから相当キテて、
最初に襲われるところで、
いきなり矢が飛んできて喉元を貫くんですよねー
そのあとは地獄絵図の戦闘状態。
ワンカットとまでは言いませんが、
ほとんどカットを割らないことで、
まるで自分もその場所にいるかのように錯覚する、
アドレナリンギンギンで高まりまくり!
命からがら逃げられたものの、
敵から逃げつつ今度は砦まで戻らなければなりません。
この行軍において、トム・ハーディー演じる
フィッツジェラルドが嫌なやつだなー
というのがよく分かります。
マッドマックスで一躍有名になった彼ですが、
ジェイク・ギレンホールに引き続き、
トム・ハーディー出演作にハズレなし!
というぐらい、どれも面白くて、
とくにウォーリアーとハイウェイは超オススメ!
そんな彼が小言ばかり言うんですね。
生きるか死ぬかのラインで必死なのに、
毛皮取られたらどうすんねんとか、
船捨てるのどうかと思うわーとか。
サバイバル環境でこういうやつがいると、
大抵良からぬことが起こるのは必然。
そして、予告編でも散々見せられた、
グラスvs母熊の戦いへ。
これがもう想像以上の激しさで、
予告編で見た部分はホントにさわりの部分で、
ベアクローでザクザクいかれるという、
スプラッターっぷり。
母熊は銃口を向けられた子熊を守るために、
当然のことをしたまでなんですが、
彼の身に起こる出来事を暗示しているかのよう。
本作では人間と動物が等価であることが、
様々な描写で見受けられるんですが、
それは同じように野蛮な部分もあるし、
同じように思いやりを持ってもいるという
両論併記な点が興味深く感じました。
ボコボコにされたグラスは完全に荷物で、
行軍の足手まといになってしまい、
フィッツジェラルドが身元を預かることになり、
そこで悲劇の息子殺しが起こってしまいます。
この身元を預かるところで、皆が薄々感じていることを
部下に金払ってやらせるリーダーのあざとさが
たまらなく嫌でした。この偽善者が!
フィッツジェラルドの同意を求める方法が
「お前もう殺していいよな?良かったらまばたきして!」
っていう、、それなら言わなくていいよもう!
死んだと思ったグラスは生きていて、
ここから「蘇りし者」として壮大な復讐の旅が始まります。
復讐の相手であるフィッツジェラルドを探すんですが、
この旅がめちゃくちゃ長いんですよね〜
色んな事件が起こりはするものの、
少し間延びしたかなーというのが個人的な印象です。
(馬寝袋のシーンが一番好きです)
この旅が長ければ長いほど、
フィッツジェラルドにたどり着いたときの
「ようやく、このときが来た!」感がマックスで高まるので、
それはそれで効果があるとは思います。
こんな僕の戯言よりもスクリーンに広がる圧倒的な映像は
ただ自然に敬服するしかないと思いましたし、
地球上にこんな場所が存在するのかと驚きの連続でした。
(ほとんど自然光での撮影っていうのが影響してるのかな?(1)
グラスが助かったのは、フランス部隊に遭遇した際に取った、
ある行動がすべてという描き方もオモシロくて、
因果応報というべきか。亡くなった奥さんの力なのか。
ラストシーンの2人の最終決戦もたまらなかったなー
坂本龍一の音楽も最高だったし、
復讐では誰も救われないってことを、
フィッツジェラルドが言うという、
こいつどこまで腐ってんねんというね。
グラスはあそこまで半殺しにしといて、
復讐は神に任せるっていうのはどうかと思うけど。笑
人の心を失った先輩も書いていますが、
最後まで席は立たないほうが余韻倍増だと思います→リンク
とにかく映画館で見ないと意味ない系の映画。

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