2016年4月24日日曜日

アイアムアヒーロー



原作漫画を以前に友人から勧められたけれど、
スルーしてしまっていて、映画化ということで、
先に映画から見ることにしました。
予告編やネット上での前評判から
相当期待はしていたんですが、
マジで?!と何回も言いたくなるくらい
最高最高なゾンビ映画でした!
VFX全盛の時代において、
アクション、SFでは予算が桁違いの
海外の映画には勝てない。
だから邦画は日常系に特化していくことが
世界と戦える唯一の方法である、という論に
頷いていた自分が恥ずかしくなりました。
これなら全然イケるよ!世界!と思います。
インディーではなくメジャーでも、
やろうと思えば何でもできることが
本作が証明しているし、
これがヒットすれば蔓延する自主規制のムードを
もしかしたら打破してしまうかもしれません。
そのぐらいエネルギッシュで素晴らしかったです。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

主人公は大泉洋演じる英雄という漫画家。
若い頃に賞を取っているけれど、
今は鳴かず飛ばずでアシスタントをこなしつつ、
漫画家として大成することを夢見ています。
前半は彼の背景とゾンビ(ZQN)登場→逃亡を
描いていくんですが、
ゾンビのファーストインパクトの強烈さ、
これでもう勝負あり!
本作がどのレベルでバイオレンスを描いていくか、
高らかに宣言してくれます。
英雄の彼女である片瀬那奈がゾンビ化する
というまさか過ぎる展開に加えて、
目の寄り方や顔の変形具合と、
見た目のグロさがハンパじゃない!
さらにアパートの郵便受けから覗くという、
見せ方がとても良かったです。ハラハラしまくり!
彼は仕事場へと移動すると、
そこには塚地武雅演じる血まみれのアシスタントの姿が。
彼のバット殴打も本当に一切遠慮がなくて、
胸がすく思いで見ていました。血の量よ!
そこからパンデミック化が一気に進み、
街が阿鼻叫喚の絵図と化していくんですが、
大量のゾンビと逃げ惑う人々、
カーアクションの激しさ等、迫力満点!
ここで一緒に逃亡することになるのが、
有村架純演じる女子高生。
彼女の存在は賛否両論分かれるかもしれません。
僕は彼女を守るということが
彼にとって久々に担った社会的役割、責任感だからこそ
見ず知らずの人間だとしても助けたんだと思います。
誰かに頼られるということの大切さがそこにある。
彼女はすでに噛まれていたんですが、
ゾンビと人間のハーフとして覚醒し、
強力なパワーを発揮することになります。
有村架純がゾンビの首ちぎって投げるんですよ?
これだけで見る価値あると思います。
覚醒後、彼女はほとんど睡眠状態で、
英雄がモールのカートに乗せて運ぶ姿は
さながら子連れ狼状態でオモシロかったです。
後半は長澤まさみが登場しての
モールでのゾンビとの戦いが描かれます。
(長澤まさみの武器は斧!!)
本作は全体にウォーキング・デッド感が強いんですが、
このシークエンスは確実に参考にしてると思われます。
ゾンビ映画ひいてはサバイバル系映画の醍醐味として、
既存の価値観の転覆が挙げられます。
人間関係しかり金銭関係しかり。
ゾンビだけが敵だと思っていたら、
そんな甘い世界ではございませんよという、
人間同士の浅ましい見栄と争い。
それを象徴するかのようなロレックスの使い方が最高最高!
僕がウルっときたのはロッカーから飛び出るシーン。
自分の助けを確実に必要としている人たちがいるけれど、
何度頭の中でシミュレーションしてもうまくいかない、
そのもどかしさを一気に打破し、
ショットガンをぶっ放す姿にヤラレちゃいました。
これこそが「でも、やるんだよ!」の精神。
ゾンビの話でいうと見た目のインパクトは前述したとおり、
強烈なんですが過去の思い出にすがって生きている設定が
とてもオモシロかったです。残留思念を喋っちゃうゾンビ。
思考に加えて身体的な特徴も引き継がれるのもオモシロくて、
その点でいうと走り高跳びのゾンビは間違いないくMVPでしょう。
拍手あおり →背面跳び→皆殺し!の三段論法。
クライマックスのゾンビ100人斬りは圧巻の一言に尽きる、、
ひたすらショットガンで両側から迫ってくるゾンビを
打ちまくって殺しまくる!
積み上がる死体!そこら中に飛び散る血液!
守るべきものができた漢は強いのだと言わんばかり。
ショットガンっていうのも良くて
装弾が2発までだからリミット性があるし、
頭に当たって弾けるのが最高ですよね。
(マシンガンだと味気ないですよね)
ラストシーンもぐっとくる展開で、
本名を長澤まさみに改めて伝えるんですが、
前半で有村架純に伝えたときと違ってるんですね。
前半では自ら「英雄(エイユウ)と書いてヒデオ」
と言っているんですが、
ラストには「ただの英雄(ヒデオ)」に変わっています。
つまり「ヒーロー」と認めるのはあくまで他人、
そのことに気づいて初めて
「アイアムアヒーロー」と言えるのである。
と言わんばかりにここでタイトルが出るんですね〜完璧!
ウォーキングデッドの二番煎じとか言う輩も
もしかしたらいるかもしれませんが、
明らかにネクストレベルのゾンビ映画だと思います!

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