2016年4月20日水曜日

コップ・カー



ケビン・ベーコン主演映画は見るに決まってる!
ということで見てきました。
彼はコメディからシリアスまで、
何でも器用にこなす役者というイメージを僕は持っています。
主演作品であればミスティック・リバー、
狼の死刑宣告は大好きな作品です。
本作も勿論、とてもオモシロかったです。
作品内の時代設定が曖昧なこともあり、
70年代アメリカ映画のような雰囲気がありました。
しかし、単なる懐古主義にはなっておらず、
豊かな色彩で表現された世界観と、
絶妙な余韻を残す後味の良さが特に好きでした。

※ここからは盛大にネタバレして書きます。

バキバキなタイトルから少年2人が
だだっ広い草原のようなところを歩いている場面から
映画は始まっていきます。
作品内で丁寧な説明があるわけではないんですが、
2人して家出をしている様子で、
たまたま通りかかったところに
パトカーが置いてあって、それを乗り回し、
楽しむ様子を前半で描いていました。
この前半の部分で少年たちが
どういった性格の持ち主で、どういった関係なのか、
何気ない描写の積み重ねで表現していくんですが、
見ていて牧歌的な気持ちになりました。
子どもの頃、意味もなく歩いたり、
パトカーではないけれど、たまたま拾ったもので
くだらない遊びしたりしたなーと。
パトカーで草原を爆走する姿は
どこだった行けるんだぜ!という
少年たちの無限の可能性を感じさせてくれます。
しかし、そんな牧歌的な気持ちを
すべて打ち消してくれるのが真打ち、ケビン・ベーコン。
彼は少年たちが盗んだパトカーの持ち主で警察官。
ただし、普通の警察官ではなくて、
トランクに半殺しの人間を2人も詰めているんですね。
後半にかけてケビン・ベーコンがなんとかして、
パトカーを取り戻そうと画策していきます。
本作のベーコンは完全に狂気の人で、
その独特のillnessを見ているだけでもオモシロい!
草原に取り残されて走る姿もそうだし、
なんとか家に帰ってきたところで、
怒りにまかせて鉢植を割ったり。
コカインを乱暴にキメる姿がたまらない。
確かにillな人間ではあるんだけど、
目的に向かって一直線なその姿が
逆にファニーに見える瞬間も多くて、
それはケビン・ベーコンだからこそ
為し得たバランスの良さだと思います。
悲劇と喜劇は紙一重というのを 地でいく俳優。
またファニーな部分といえば、
少年2人の演技も映画で笑える
絶妙な間を持っていて素晴らしかったです。
パトカーのトランクを開けたことで
事態は大きく展開していきます。
事の全貌を作品中で明示していないので、
どっちの大人を信じればいいの?という、
少年たちに感情移入しやすい作りになっていました。
ちなみに僕はこのシーンで放たれるおばさんの
 "Oh my god!!"で、映画見て今年一番笑いました。
また、大人たちの争いが想像を超える展開で
終結したのも結構ビックリしました。
これで終わりかと思いきや、再び少年たちの物語になり、
前半のフリが効いてアクセルを踏み込むたびに
僕の目には涙が。。。と思っていたら、
不死身のケビン・ベーコンの鬼の追撃が!
最後の街の明かりが示す希望にグッときましたし、
引き際の鮮やかさにサムアップ!
本作の監督が新スパイダーマンを撮るとのことですので、
俄然期待して待ちたいと思います。

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