今年中に全部読みたいなーと思っていて、
文庫化した本作を読みました。
本作は掏摸という作品の続編というか、
掏摸と同じ登場人物が登場します。
そこで掏摸を改めて読み返したんですけど、
サスペンス性と純文学性のバランスが抜群で、
超オモシロかったです。
掏摸も本作も作品内で一応完結してるんですけど、
続けて読むと多層的に味わえるので、
ぜひ両方とも読んで欲しいです。
話の筋立てとしては似ていて、
ある強力で全知全能レベルの悪に対して、
主人公が逃れようとするお話です。
掏摸が幾分受動的というか、
運命に翻弄されていく要素が高い一方で、
本作はもっと悪に立ち向かっていく姿勢が強かったです。
主人公が女性でファムファタールな
仕事をしていることもあって、
駆け引きのオモシロさが際立っています。
とくに中盤に悪の権化、木崎と初めて対峙するシーンは
ハラハラするし濃厚な死の香りがたまらない!
中村さんの本は毎回文庫に彼自身の解説が載っていて、
それを読むとさらに小説の構造の理解が深まって、
二度美味しい作りになっているので、
文庫になっている作品は、
文庫で読むことをオススメします。
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