2016年5月14日土曜日

灼熱の魂



ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
複製された男、プリズナーズ、
そして最新作のボーダーラインと
どれもオモシロい作品ばかりなので、
フィルモグラフィーを追う流れで見ました。
レバノン内戦を題材にしているため、
過去に見たどの作品よりもハードでした。
本作は驚天動地のラストが待ち受けているので、
それを体感するためには事前情報もなしに見て欲しいです。
ストーリーとしては母親が亡くなり、
双子の息子/娘が遺言にしたがって、
今まで存在を知らなかった父親と兄を探す中で、
母親の過去を知っていくというお話。
母親の過去と捜索する息子/娘を交互に描いていくんですが、
母親の人生のあまりの過酷さは言葉を失う他ありません。
そして、その母親を探しに母親の故郷を訪れると、
彼女の評判の悪さを聞かされる娘の姿も痛々しい。
どこの国の話であるか作品中では明示されておらず、
そこには普遍性を高めたい、
他人事ではないのであるというスタンスを感じました。
また、人の死がもたらす刻印というべきか、
死によって終わりを告げるものもあれば、
そこから始まっていくこともあると思っていて。
本人から直接聞かなかったことを、
死後に他人から知るケースは意外にあるよなーと
本作を見て感じたりしました。
やっぱヴィルヌーヴ好きだわ!

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