やっと読むことができました。
そのぶっ飛んだラジカルな思想について、
賛否両論あるとは思いますが、
僕はとても好きで著書を結構読んでいます。
本作は坂口恭平イズムというべきか、
今見ている世界がすべてではないという考えを
認知症の老人にあてはめてみようという話。
読み進めると主人公が坂口恭平にしか思えない
という点でいえば私小説になるのかな?
私小説と聞くとイメージで内省的な感情に溢れたものを
イメージされる人もいるかもしれませんが、
それよりも彼の思考をトレースしていく感じ。
彼の唱えるところのレイヤーという考えは
生きていく上で重要なことだと思っていて、
不都合だったり、好きではないもの、
興味のないものも別の見方をすれば、
豊かな世界が広がっていることに
気づくことができるからです。
本作の対象となっているのは認知症の老人ですが、
不可解と思われている彼らの行動にも
しっかりと理由があって、
それに対して認知症ではない人が
歩み寄ろうとしないから、
もっと面倒なことになってしまうのかなと思いました。
現実と正面から向き合って生きていければいいけど、
ときにエスケープしないと息が詰まっちゃう人もいる。
そういうときに坂口恭平の著作を読むといいかもしれません。
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