2017年7月8日土曜日

オクジャ/okja



ポン・ジュノ最新作がNETFLIXで!
という、とんでもない時代に突入してまして、
オリジナルコンテンツで無敵街道まっしぐらな
NETFLIXが映画も本腰入れ始めています。
前作のスノーピアサーでは列車を使って
階層社会を描いたポン・ジュノですが、
本作では遺伝子操作されたブタをメインに据えて、
合理化された社会における動物の命について
正面切って描いていてオモシロかったです。
キャストが豪華で前作に引き続き、
ティルダ・ウィンストン、
ブレイキングバッドでの怪演も記憶に新しい、
ジャンカルロ・エスポジート、
佳作によく出ているポール・ダノ、
そしてオレたちのギレン・ジェイクホール!
そんな彼らが脇を固める中、主役を務めるのは
ポンジュノが本作を作るにあたって
見つけ出してきたアン・ソヒョンという女の子。
彼女の純真無垢性が映画の出来を担保している
といっても過言ではないくらい素晴らしかったです。
これからどんな俳優になっていくのか楽しみ。
タイトルのオクジャは主人公が飼っている豚の名前で、
遺伝子操作によって生まれています。
彼女の一家が飼い始めてから10年後、
もとの飼い主、つまり遺伝子操作でオクジャを産み出した
化学会社が取り戻しにやってくるんですが、
主人公の女の子が何とか阻止しようとするお話。
前半はかなりギャグが多めで笑いまくりでした。
あとオクジャの見た目が何とも言えない、
これはかわいいのか…?という微妙なラインなのが良かった。
とくに目ですよねーあのウルル感は感情移入を誘われる。
ソウルでの捕り物シーンは圧巻で、
東京を舞台にあそこまでできないことを考えると、
韓国の映画はやっぱり進んでいるなーと思いました。
後半は前述した動物の命の扱いについてフォーカス。
動物解放戦線なる動物愛護団体も出てきて、
話は比較的シリアスな方向へと向かいます。
こういった動物愛護の話で難しいのは、
残酷なのは理解できるけれど、
食べるのはやめられぬというジレンマ。
前半でパートナーとして描かれていたオクジャが、
家畜として扱われるのを見ると辛い気持ちになりました。
とくに終盤の加工場へ運ばれていくシーンは、
見るに堪えないというか、
アウシュビッツ収容所を想起させるような撮り方をしていて、
ポン・ジュノの手腕がいかんなく発揮されていました。
農家の人達は動物を育てて、
加工して販売するところまでを見ているけれど、
一般の人は完全に加工された形でしか見ないほ乳類の肉。
それは合理化が突き進んだ結果の産物だよなーと思ったり。
こんなボンヤリしたこと考えてたら、
環ROYの最新作のインタビューで、
まるでオクジャを見たかのようなことが語られていたので、
見終わった後に読むのをオススメします↓
忘れられそうな狭間を表現する 環ROYインタビュー

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