2017年7月24日月曜日

心のカルテ



映画館で見たい映画もないので、
NETFLIXディギンし続けているんですが、
その中でも特にオモシロかった作品。
主人公の女の子は拒食症で、
入退院を繰り返しているんだけれど回復しない。
そんな中で有名医と出会い、
ホスピスに入所するものの…という話。
まず主演のリリー・コリンズの拒食症に向けた
役作りのレベルが度を越していて驚く。
CG、身代わりも使っているんでしょうけど、
顔のこけ方が半端じゃない…
他にもオーバーサイズの服を使ったり、
工夫して作品にリアリティを持たせていました。
担当する有名医をキアヌ・リーブスが演じています。
僕が見た彼の出演作では、
最近バカっぽい役(いい意味で)の映画ばっかりだったんですが、
こういうシリアスな役でもハマっていました。
(ジョン・ウィック2作目見れてない…)
あと音楽の使い方が素晴らしくて、
ピンポイントで素晴らしい曲を
各シーンに放り込んでくる。
とくにJack Garratt「Water」、
KISHI BASHI 「Honeybody」 が好きでした。
さらに甘酸物件でもありまして、
同じ施設にいる2人が施設の外でディナーするシーン。
末期がん患者のふりをしてアルコールをゲットしちゃう。
(2人だけの秘密は甘酸必須用件!)
毎日お腹が空いて当たり前のように
ご飯食べている身からすると
「食べちゃえばいいじゃん」と思うんですが、
太ることへの過度な防御意識が働いて
食べることができない様は見ていて辛かった…
(とくに妊婦のシーンは天国と地獄!)
ただ作品内で明確に原因は語られていなくて、
それゆえに家族もどうしていいか分からず、
さらに彼女の両親の複雑な関係もあいまって
修羅場の数々が訪れる。
僕が本作が好きなのは安易な逃げ道(解決)を用意せずに
とことん自分自身と向き合い、
そこから這い上がる物語である点です。
きっかけとなる母との愛情を確かめるシーンは、
“Bone” to the “Born”の転換が見事過ぎる演出でした。
「のみ込み続けた石炭は君の勇気だ」
という詩のリリカルさに心打たれますしね。
地味といえば地味なんですが、
芯を食ってる素晴らしい映画でした。

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