2017年3月7日火曜日

国道20号線



バンコクナイツ公開記念ということで、
新宿のK's Cinemaで空族の映画が特集されていて、
全部は見れないので本作を見ました。
なぜ本作なのかと言えば、
田我流の1stアルバム「作品集- just-」に
スキットで本作の音声が使われているから。
これまで見たサウダーヂ、バンコクナイツは
長い尺で心身ともに映画に没入させられる
タイプの映画ですが、本作は尺が短めながら、
鋭い切れ味の映画だなーと思いました。
国道20号線が象徴のように登場し、
その付近に住む男女2人組が主人公で、
2人とその周りの人びとの日常を描いています。
日常とはいうものの、
2人組は毎日スロットしてて、シンナー吸いまくりだし、
ゴルフクラブの押し売り、シャブ中、闇金などなど、
少なくとも僕の日常とは乖離している。
闇金ウシジマくんのようなドラマティックなことはなく、
ただただヒリヒリした毎日がそこにあるだけっていう、
かなりドライな内容。
しかし、そこを役者陣と撮影の力で
結果的にウェットな仕上がりになってました。
役者陣は芝居が上手という話ではなく、
実在感で勝負しているところが空族の映画が
多分に魅力的に見える部分だと思います。
地方のヤンキーと言われて思い描く、
そのままの人物像がスクリーンに映し出されていました。
(Can you celebrate?のカラオケシーン最高)
また撮影は2007年の作品ですが16mmで撮っているため、
時代をトリップしてる感じが見てて楽しかったです。
今やどの地方にいっても、
国道沿いは同じような光景が繰り広げられていて、
それに対してクリティカルな姿勢を取りたくなりつつも、
実際に住む人は便利だからいいのか…
と逡巡するのがここ最近僕が考えることです。
この病んだ状況ここだけじゃねーな!

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