2017年2月8日水曜日

ふくわらい

ふくわらい (朝日文庫)

サラバ!という超名作を読んで以来、
僕の「西加奈子」 観というのは180度変わり、
積極的に過去作を読んでいます。
サラバ!を読んだのは友人の勧めがあったからなんですが、
その友人から前から本作もプッシュされていたので、
文庫になったこともあり読みました。
(てかサラバ!読んでいない人はマジで読んだ方がいいです。)
人は見た目が9割という価値観に対する、
西加奈子なりの解釈といった感じで楽しかったです。
そもそも人の見た目と中身の話をする際に、
ふくわらいを物語の軸に持ってくるセンスに脱帽…
美人や男前というのは、
然るべき場所に然るべきパーツが存在することで、
形成されるという当たり前のことを書いているんですが、
本作を読むと異様に人の顔のことが気になり始めてしまう。
(電車乗っている時に人の顔を凝視してしまい、
不審がられるという事故を2,3回起こしてしまった。。)
一体何がその人をその人たらしめているのか?
ということを本作では探っています。
とにかくキャラクターが強烈で、
盲目の人、プロレスラー、作家の奥さん、美人編集者など、
それぞれ見た目と中身にGAPを持ちながらも、
立場が異なることで、立体的に見た目と中身ってなんぞや?
と読んでいる間中、ずっと考えさせられました。
西加奈子さんらしいなと思ったのは、
「見た目じゃない!中身なのよ!」
という逆の安易な結論にはいかないところ。
見た目/中身全部込みでテメエなんだと
優し〜く諭してくれるのが心地よかったです。
終盤にかけてのドライブのかかり具合が最高最高!
主人公の鳴木戸とプロレスラー守口のタイマン勝負から、
鳴木戸が守口の試合を見に行ったところまでの、
エモーショナルの高まり具合がハンパじゃなかったです。
次は最新作のiを読みたいなぁ。

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