2017年2月14日火曜日

ミス・ペルグリンと奇妙な子どもたち



<あらすじ>
周囲になじめない孤独な少年ジェイクは、
唯一の理解者だった祖父の遺言に従い、
森の奥にある古めかしい屋敷を見つける。
そこには、美しくも厳格な女性ミス・ペレグリンの保護のもと、
空中浮遊能力を持つ少女や透明人間の男の子、
常に無口な双子といった、奇妙な子どもたちが暮らしていた。
映画.comより)

ティム・バートン監督最新作。
特別好きな監督という訳ではないですが、
予告編を見てこれは良さそうと思って、
軽く調べたら脚本がジェーン・ゴールドマン。
彼はマシュー・ボーンとのタッグで、
キック・アス、キングスマン、
Xメン  ファーストジェネレーションといった、
近年のヒーローもの傑作群を生み出した人。
ティム・バートンが彼を採用したのが
よく分かる内容だったし、
はぐれ者たちが力合わせて巨悪に立ち向かう、
ましてやそれが子どもたちなんだから最高最高でした。
個人的にティム・バートンのベスト。

※ここから盛大にネタバレして書きます。

本作は子どもがパラレルワールドに迷い込み、
そこで冒険を繰り広げるお話。
本当にたまたまなんですが、
こないだ読んだ夜市という本の内容と
とても近くてびっくりしました。
冒頭におどろおどろしい感じで、
オープニングクレジットが繰り広げられるんですが、
Welcome to Florida という文字が出て、
笑ける楽しい始まり方。
ティム・バートンらしいゴシック要素は
過去作に比べるとだいぶ抑え目。
子どもとおじいさん。
突拍子なことを言ったときに、
彼ら以外の大人は彼らの言うことを戯言と退ける。
でも彼らが本当のことを言っていて、
人知れず世界を救っているとしたら?
という、いつまでも童心を忘れないティム・バートンは、
リアリスティックに触れがちな世界で、
今貴重な存在なのかもしれないなと思いました。
お話としてはXメン ファーストジェネレーション
とほぼ被っていて、そこにパラレルワールドを絡めたもの。
ゆえにジェーン・ゴールドマンが採用されたのでしょう。
特殊能力をもった子どもたちを
アダム・グリーン演じるミス・ペルグリンが
保護者として下界から守っています。
ペルグリンは時間をコントロールする能力を持っていて、
子どもたちと共にある1日をループで生きている。
それは彼らの住む島で起こる1943年のナチスの空爆の日。
本作は排外主義により迫害された子どもたちの話なので、
ナチスの話が入ってくることはある意味当然。
前述したようなファンタジックな世界と現実のギャップが
物語をどんどんドライブさせていました。
あとはキャラクターの魅力が最高最高!
火を操れる女の子、機械を思い通りに動かせる男の子など、
実用的な能力を持つ子どもがいる一方で、
目が映写機の男の子、頭の後ろに口がある女の子といった、
極めて非実用的な能力を持った子どももいる。この多様性よ!
あと子どもたちが敵に狙われる理由もオモシロくて
ある実験により失った自分たちの体を取り戻すために、
子どもの目を食べるっていう。。。
監督の名前言われなかったら、
ギレルモ・デルトロの作品かな?と思ってしまうくらいに、
今回のティム・バートンは攻めてます!
メインの柱となるジェイクとエマの恋が、
また抜群の甘酸案件で最高なんですよねー
ジュブナイルの恋はそれだけで正義。
エマは空気よりも軽いという能力を持っていて、
まるで風船のように世界を浮遊する存在。
そんな彼女を必死に繋ぎ止めるジェイクの初々しさがたまらない。
終盤、時間の動き出した世界で、
皆で協力してミス・ペルグリンを救出するシーンは、
彼らの無計画っぷりが少し目につくけど、
それも愛おしく感じるんだから不思議なものです。
(サミュエル・L・ジャクソンは冒頭で出落ちな気がする)
アメコミ好きな人にはドンズバで刺さる作品。

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