2017年2月11日土曜日

夜市

夜市 (角川ホラー文庫)


大阪帰省時のブックオッフサルベージ。
友人から薦めてもらったやーつです。
ホラーとかSFは映画で見ることは多いんですが、
本になると自分から読むことは皆無なので、
かなり新鮮な読書体験でした。
普段、小説はどちらかと言えば
純文学系を読んでいるので描写の巧みさを楽しんだり、
「共感」「反感」を抱いたりして楽しんでいるんですが、
そこは少し弱かったので食い足りない感じはありました。
しかし!構成がめちゃめちゃ巧み。
ページを捲る手が止まらない。
特に表題作の夜市はホラー大賞を
勝ち取った作品ということで、
よくそんなこと思いつくなーという話で楽しかったです。
「何かを得るには何かを失う」という、
古から存在する普遍的な原理を使ったシーソーゲーム、
感覚としてはRPGゲームに近いものがありました。
我々が生きている世界とパラレルに
別の世界が存在するという設定は、
もう1つの作品である風の古道にも共通していて、
SFの常套手段ですが、それが日本古来のものと
結びつけて描かれているのがフレッシュだなーと。
自分の嗜好に偏りがちですが、
こんな風に毛色の違う作品と
エンカウントしていきたいです。

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