2017年2月7日火曜日

死をポケットに入れて

死をポケットに入れて (河出文庫)

昨年パルプ読んでブコウスキーオモシロ!
となったのでエッセイを読んでみました。
本作は91〜93年までブコウスキーが
書いていた日記をまとめたものです。
あとがきによると毎日書いていたわけではなく、
断片的に記していたものをまとめた作品とのこと。
この91年にMacを手に入れて、
長年使っていたタイプライターと別れを告げていて、
この作品もMacで執筆されています。
いかにMacの導入が小説/詩の書き方に
大きな影響を与えたか書かれていて、
2017年の今読むと牧歌的だなーと思いつつも、
音楽然り、映画然り、芸術の進化と
テクノロジーの進化は不可分だなと感じました。
基本的に競馬場と家を往復する老人の
世間への恨み辛みといった内容なんですが、
他人と関わることを面倒に感じながら、
書くことだけが自分を安らかにしてくれると言い放つ、
その豪胆さがかっこいいなーと思います。
その恨み辛みの中で、たまに人生について普遍的に思うことを
ポロっと書いているので油断ならない。
死に対して恐れを抱くことなく、
ポケットに入っているような身近なものと考える、
この考え方はある意味では無敵になれるかもしれません。
彼は94年に白血病で亡くなっているので、
自分の死期が近いことをどこかで悟っていたのでしょうね。
今年は彼の作品を色々読んでみたいです。

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