2016年11月1日火曜日

ジャネット・ジャクソンと80'sディーバたち

ジャネット・ジャクソンと80’sディーバたち (星海社新書)

ノーナ・リーヴスの西寺豪太氏の新書。
マイケル・ジャクソン、プリンスといった、
アメリカのブラックミュージックを担ったスターについて、
これまで書いてきた彼が総決算として、
ジャネット・ジャクソンを中心とした、
80'sディーバの話を書いたもの。
むちゃくちゃオモシロかったです!
当然、マイケル、プリンスも好きなんですが、
2人よりもジャネットの方が思い出深いといいますか。
DJ始めたての頃、Got till it's gone、
That's the way Love Goesなど
彼女の曲が大好きでよくかけていました。
ただ80年代の彼女について、
僕はほとんど知らなくて、その部分が綺麗に穴埋めされて、
彼女の全体像が自分の中でよりはっきりとしました。
豪太さんの文章が 普通の音楽評論家と異なるのは、
単純に史実を並べたり、音楽性を語るだけではなく、
点と点を線で結びつけていくところ。
本作は過去の作品よりもその点が群を抜いていると思います。
あと僕は「Control」がデビューアルバムだと思っていましたが、
その前に2作品もあったことを知りませんでした …
(とくに「Young Love」というデビューアルバムが最高最高)
さらにウ オー!と思ったのはDaft Pankが
2013年にリリースしたRandom Access Memoriesへの言及。
好きなアルバムで何回も聞いていましたが、
再び楽しめるようになりました。
当時の音楽と今の音楽との接点も
西寺さんの著書で素晴らしく勉強になる。
ジャネットを語るにあたって外せないのは
音楽プロデューサーのジャム&ルイス。
彼らとジャネットが発明した音楽が今のトレンドに繋がり、
いかに世界を変えたのか痛感しました。
ディーバとなっていますが、本作に登場するのは
マドンナとホイットニー・ヒューストン。
彼女たちがそれぞれどういった運命をたどるか、
僕たちはすでに知っている訳ですが、
そこに至る布石となる80年代において
鮮やかにクロスする様が描かれていて勉強になりました。
ジャネットがもたらした功績が何だったのか、
当たり前になり過ぎた彼女のスタイル、存在を
「出汁」と例えているんですが、
本作を読み終わった後「まさしく出汁や!」と。
最新作の「Unbreakable」を聴いたときに感じた、
強烈なマイケルの匂いについても書かれていて溜飲を下げました。
出産も控えたジャネットですが、
あとどれだけ彼女の曲が聞けるか楽しみです。

0 件のコメント: