2016年11月6日日曜日

SAPEURS The Gentlmen Of Bacongo

SAPEURS  - Gentlemen of Bacongo

先日、神保町の古本市に行ったときに、
出版社のブースで40%オフになっていたので買いました。
そもそもSAPUERSとは何ぞや?という話ですが、
帯に書いてある説明をそのまま引用します。

コンゴ共和国の首都郊外バワンゴ地区に、
平日は普通に働き、貧しい収入のほとんどを洋服に費やし、
週末になるとハイブランドのスーツを着こなし町を闊歩し、
人びとの羨望と尊敬を集めセレブへと変身する、
世界でも例を見ないSAPUERSと呼ばれる集団が要る。
正式名称は「おしゃれでエレガントな紳士協会」、
通称「サップ(SAPE)」。19世紀のフランス統治の時代から、
1980年代にフランスから戻ったコンゴ移民がもたらした
「フランス的エレガンスへの憧れ」が原動力となっている。


序文をポール・スミスが寄せていて、
彼が語るとおり服を着ることへの意識が改められる
素晴らしい写真集でした。
周りの背景はスラムのような荒れた街の中に、
突如現れるハイブランドのスーツで身を固めた男達。
このギャップに驚くし、彼らが着るスーツは
日本人がよく着ている黒や灰色ではなく、
めちゃめちゃビビッドな色使いなんですね。
それがもう、、超かっこいい!の一言に尽きる。
言葉で説明するのが野暮なので見てくれ!



写真中心ながらも被写体たちのコメントや、
サプールがどういったものか説明するテキストも掲載されています。
なんとなく服装でかっこつけることに、
恥ずかしい気持ちを抱いていたんですが、
本作はそんなくだらない自意識をすべて吹き飛ばしてくれる。
アイテムの組み合わせによる表現なのである、
という言葉はサンプリング精神そのものだよなと思ったり。
「ハイブランドの服を買って着こなす」という、
一番ダイレクトな資本主義を宗教のように仕立てている
彼らの姿が違和感を抱く人もいるかもしれませんが、
本作を読めば彼らの崇高さに心打たれると思います。
最後にSAPUERSの十戒が書かれていたんですが、
それを見て思い出したのは今話題沸騰中の
KANDYTOWNが掲げている「KoolBoy ― 10のルール ―」


ISSUGIの最新アルバムやインタビューで語られていた
ヒップホップへのスタンス、美学にも近しいものを感じました。
要するに自分のスタンスを保持している男たちはかっこいい!
ということ。ブレブレの自分への戒めとして持っておきたい本。

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