2016年10月2日日曜日

SCOOP!



<あらすじ>
数々の伝説的スクープをモノにしてきたカメラマンの都城静は、
輝かしい業績も過去のものとなり、
今は芸能スキャンダル専門の中年パパラッチとして、
借金や酒にまみれた自堕落な生活を送っていた。
そんなある時、ひょんなことから
写真週刊誌「SCOOP!」の新人記者・行川野火と
コンビを組むことになり、
日本中が注目する大事件に巻き込まれていく。
映画.comより)

「ましゃ」がパパラッチ?!という
センセーショナルな予告編から楽しみにしてた作品。
しかも大根仁監督となれば期待しまくりで見ました。
オモシロかったんですが過去の作品に比べると、
そこまで好きになれなかったです。
次作が渋谷直角の漫画の映画なんで期待しています。

※ここから盛大にネタバレして書きます。

好きになれなかったのは後半部分で、
オープニングから中盤までは最高に楽しかったんです。
まずオープニングが超素晴らしかった!!
喘ぎ声が暗闇の中から聞こえてきて、
車の後部座席を映すとそこには福山雅治 a.k.a ましゃの姿が!
激しいセックスから始まる映画ということで、
ダラス・バイヤーズ・クラブの冒頭を思い出したりしました。
デリヘル譲が車を降りるまでワンカットで見せつつ、
一旦車のフラッシュライトでとばしーの、
ドローンで神宮前の美しい東京の夜を映し出して、
タイトルどーん!かっこいい!
都城はフリーランスのカメラマンで、
そこへ合流してくるのが二階堂ふみ演じる新人の野火。
中年パパラッチと若い女の子のバディという、
この組み合わせがオモシロかったです。
パパラッチのテクニックを次々と披露してくれて、
その結果得られる有名人のスキだらけな瞬間。
そこへ魅了されていく野火という構図が良かったです。
とにかく下世話に振り切っているところが最高過ぎる!
彼がラジオでは下ネタを…とか、
ファンは知っているのかもしれませんが、
「パーフェクトヒューマン、福山雅治」という、
パブリックイメージを持つ僕からすると驚きの連続でした。
僕が一番好きだったのは斉藤工演じる議員の
不倫をパパラッチするシークエンス。
激写という言葉にふさわしい手法と、
現場からの逃亡という一連の流れが抜群。
花火を使ったトリックと構図の巧妙さよ!
あとカーチェイスは迫力があって、
東京都内でもここまでできるのか!と感動しました。
ひたすら有名人のケツを追い続ける中で
中盤の見せ場となる凶悪殺人犯の顔取りへ突入。
予告編で多く使われていたのはこの場面で、
話題になった滝藤さんのベロンチョが
まさかのハカという展開には笑ってしまいました。
(宮嶋茂樹のカメオ出演もナイス!)
ただ僕が物語に乗れなくなったのはこの辺からで、
前半に比べて、ここでのギミックはリアリティが落ちるし、
都城と野火の恋愛の流れが要るのかなぁと思いました。
(吉田羊との関係で十分だったような…)
少しヌルいなーと思ったときに本作最大の飛び道具として、
イイ意味で冷や水をかけてくれるのがリリー・フランキー!
凶悪を最近見直して、やっぱリリーさんの悪役は
最高だなぁと思ってたんですが、
本作は凶悪を越える新たな境地に達してました。
シャブやって頭蓋骨だらけの雀荘を経営し、
元ボクサーなのか異常に喧嘩が強い。
都城は彼に大きな借りがあるらしいんですが、
その理由が作品中で具体的に明らかにならないのが
かなり思い切った作りだなーと思いました。
ラストでリリーさんが暴走する前に、
2人で遊ぶシーンがあって、おっぱぶのところとか最高で、
仲の良さを見ているだけに
都城がフィルムカメラ片手になだめようとする姿がグッとくる。
僕がうーんと思ったのは都城の最後およびその後を描いたシーン。
あまりに野火の行動がずさん過ぎるというか、、
あんなモロバレのところまで近づいて
望遠で撮るシチュエーションに納得できなかったし、
掲載/非掲載を巡る取って付けたような道徳論が
本作に必要だったんだろうかと。
プライバシー保護なんておかまい無しに、
人のプライバシーで飯食ってるから、
その当事者に拒否権はないとはいえ、
死ぬ瞬間ってどうなんかなーと思ってしまいました。
ただ品行方正過多でジャスティス・ウォーリアーが
雨後のタケノコのように蔓延る現代では、
このぐらいのパンチは必要だったのかなとも思います。
不倫はダメ!と言う人は不倫する人と
ベクトルは別にせよ同じくらいにゲスいと僕は考えているので。
パパラッチものだとナイトクローラーの方が
圧倒的に好きだけど「東京の夜」というテーマにおいて、
本作の右に出るものはない!と断言しておきたいです。
原作となった原田眞人監督の「盗写 1/250秒」を
1秒でも早くソフト化して欲しい!!

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