2015年8月27日木曜日

ナイトクローラー



ジェイク・ギレンホール主演映画にハズシ無し!
の法則に従って見てきました。
そして今回も見事にオモシロかったです!
(平日昼間に見たのにほぼ満席でした…)
彼のCrazyサイドをとことんまで楽しみ尽くす映画で、
ドンズバのハマりっぷりでした。
また、インフレするゴシップ(情報)への欲求という意味でも
今の時代にフィットしていて興味深かったです。
ジェイク演じる主人公の男は泥棒稼業で生計を立てているが、
事故現場のパパラッチを目撃し、
「これならオレにもできるやん!」ということで、
助手を雇ってパパラッチ稼業を始めるものの…という話。
夜のLAの街並を映し出しながらクレジットが流れて、
タイトルが出ーので映画は始まります。
夜の美しい街の映像から始まる映画はそれだけで愛しくて、
この時点でテンション高め。
金属盗難、売り飛ばしまでのシーンで
彼のillnessは十分伝わってきて、こいつはヤベ〜って分かる。
そして、パパラッチ活動を通じて、
そのillnessが更に増長していく。
まず何が気持ち悪いかといえば、
ネット上の知識を盲目的に信じ込み、
それを惜しげも無くドヤ顔で他人に披露してくる。
しかも、その内容がめちゃくちゃ抽象的で、
似非ベンチャー社長か!とツッコミたくなる。
(実際に物語内では社長なんだけどね…)
東京ポッド許可局のイベントで語られていた、
セカンド童貞論に近いものがあって、
社会と距離がある人が付け焼き刃の知識を
実体も知らないままひけらかすヤダ味とでもいいましょうか。
こういった資質にパパラッチという職業が加わることにより、
イイ意味でも悪い意味でも社会性を獲得していく。
それは過激な映像を求めるTV局、
ひいては視聴者の欲望に迎合した結果とも言えると思います。
社会との関係を最も象徴しているのが、
ビデオの買い手であるTV局の女性ディレクターとの関係。
初めはペーペーなので下手に出てるんだけど、
除々にパパラッチとして頭角を現し始めると、
そのネタを使って上から目線で彼女を揺さぶる。
とくに彼がディレクターに矢継ぎ早に要求するシーンは、
めっちゃ気持ち悪いし腹立ったな〜(褒め言葉)
夜の街を車で徘徊し、街の犯罪に首を突っ込むという点では、
タクシードライバーを想起しますが、
それとは似て非なるものと思っていて、
トラビスにあった純粋さ、可愛げが微塵も感じられない。
完全なるダークヒーローだと思います。
そして人間は少なからず彼のような側面を
持っているがゆえに引きつけられるのかな〜と思いました。
ラストの半分自作自演の大事件の一連の流れは
本当に緊張感があって大好きなシーン。
しかも逐一アイツが計画したどおりに
事が進むから余計に腹立つ!
行き着く先は考えられる限りの地獄だけれど、
人の犠牲で成り立つ社会ってこういうこと?
ってな具合に考えさせられたりもしました。
勧善懲悪でないラストも久々の体験でグッときました。
もし自分がイキリ始めたら自戒の意味を込めて、
折にふれて見返したい作品でした。

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