2016年10月22日土曜日

グッド・ウィル・ハンティング



いわゆるクラシックな作品は、
見なきゃいけないなーと思いつつも
ついつい目先の新作に飛びついてしまって、
なかなか見れていません。本作もそんな作品の1つ。
じゃあ、なんで見る気になったかといえば、
最近よく聞いているMac Millerの最新アルバム、
「Divine Feminie」 に収録された、
Soulmateという曲で本作が引用されているからです。
歌詞リンク


Mac Millerが引用したのは、
ロビン・ウィリアムズ演じるカウンセラーが
マット・デイモン演じるウィルに問うた、
孤独の中で救いの手を差し伸べてくれる、
ソウルメイトの存在に関する質問の部分。
本作が描いているのは天才でありながら、
不遇な家庭環境ゆえスラムでくすぶっているウィルが、
自分の人生と向き合い未来へ歩み出す過程です。
ウィルは天才といっても生半可な天才ではなく、
MITの数学者さえ余裕で蹴散らしちゃうレベル。
これを聞くと感情移入しにくいと思うかもしれないですが、
過去の養父からの虐待、天才ゆえ共感者がいないという、
モラトリアム期の青年であり、種類は違うかもしれませんが、
孤独ということに変わりありません。
僕が本作でが好きだったのは、
自分のことは自分で決めるという主張です。
誰かがどうだから、環境がどうだから、
そんなことは二次的要因で結局は自分で決めなければ、
人生が前に進んでいかないということを、
積極がましくなく伝えてくれる。
(主人公の名前がウィル(Will)というのは必然でしょう)
映画の冒頭でウィルが喧嘩をふっかけるシーンがあり、
その喧嘩におけるバイオレンス性は彼のラディカルさについて、
見る側に強烈なインパクトを残しますし、
これによって天才という強いプラスが打ち消され、
天才ではない観客も物語に入っていける有効な演出でした。
ウィルは抜群の頭脳を駆使し、
大人の包囲網から抜け出して自由に生きているように見えて、
実際には自分と向き合っていないことを、
カウンセラーとの話し合いの中から浮き彫りにしていく。
なかなか心を開かないウィルなんだけど、
最後最後でロビン・ウィリアムズが放つ、
「It's not your fault」でウィルが背負ってきた、
重い十字架をおろす瞬間がたまんなかったです…号泣。
あと僕が好きだったのは、
ベン・アフレック演じるチャッキーとウィルの関係性。
毎日のようにつるんでバカやっている仲で、
確かな絆がそこには存在する。
それは2人が脚本を担当していることも影響していると思います。
当時マット・デイモンは無名の俳優だったけど、
これがスターダムにのし上がるきっかけになって、
アカデミー賞において脚本賞を受賞しているんですなー
終盤にかけての2人の一連の流れが特に好きで、
チャッキーが最も恐れていることを告げて、
その瞬間が訪れる刹那。
あのリアクションは名演技としか
言いようがない絶妙なバランスで最高最高。
クラシックはクラシックたる所以があることを、
頭に刻み込んで色々見ていきたいと思います。

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