2016年9月9日金曜日

トゥモロー・ワールド



アルフォンソ・キュアロン監督作品。
ゼロ・グラヴィティを見たときに過去作品を
見たいなーと思ってたんですが、
このタイミングで見ました。
人類から生殖機能が失われ究極の少子化社会が到来。
そんな中でイギリスだけが治安がたもたれていて、
他国からの難民を収容所にぶち込むという世界。
お話全体のトーンとしてはディストピアSFで、
そこで展開されるサスペンスがとてもオモシロかったです。
とくにアクションの迫力が抜群。
黒澤清監督が唱えるワンショットで保たれるリアリティを、
もろに具現化しているのがキュアロン×ルベツキ(撮影監督)のコンビ。
冒頭のカフェ爆破のシーン然り、移民たちに襲われるシーン然り、
ワンカットで見せることで切迫感が画面を悠々と飛び越えてくる。
POVがもたらす臨場感も好きなんですが、
同じワンカットでも彼らの表現は更に上質とでも言いましょうか。。
2006年の作品だけど古臭く見えないのも良い点で、
CGの使いどころをしっかり計算しつつ、
近い将来を描いているからだろうなと
舞台がイギリスということもあり、
調子の良いロックナンバーが
ところどころで選曲されているのもナイス。
子どもは希望であり、明日を切り開く存在なのである、
というメッセージもゼロ・グラビティと共通した
生の肯定として受け止めました。
ポスターヴィジュアルは絶望的にダサいけれど
中身は素晴らしい作品。

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